転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編2:神様はじめました

レッサーセイノールとアスピドケロン

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──〔human side〕──

私達は兼ねてより話していた旧ウロエステ男爵領バランにあるフレッドさんのレストランに来ている。
今回は私、ユキさん、リオさん、ソラちゃん、テュケ君に加えて、ムニエルちゃんとご両親もお招きした。

私達4人は会話に困らないけど、他の人達は会話が出来ないと困るだろうから、3人に動物会話のチョーカーを着けてもらってみた。

人間だって動物だから言葉の変換は出来るんだね。

レッサーセイノールのムニエルちゃんとご両親には種族変換の腕輪をつけてもらって足を生やして貰っていて、当然服もこちらで用意させてもらった。

私の場合インベントリの中で何でも作れてしまうし、鑑定による採寸を組み合わせればフルオーダーメイドの服が数秒で出来上がるからね。

神様の力を使えば素材も取り寄せられるけど、そこまでやったらダメな気がするから材料は自分で買うようにしよう。

ご両親とも初めて足を生やしたのだけど、すぐに順応して歩く事ができた。初めはムニエルちゃんに手を引いてもらって歩いていたけど、今では普通に歩ける様になっている。

「今日はお招きありがとうございます。地上を歩く事が出来ただけでも素晴らしい事なのに、こんなに美味しい料理までご馳走になってしまって」
「私達は基本生でしか食べないので、人間族の豊かな食事を経験させていただいて感動してます」

お父さんもお母さんもスゴく喜んでくれていた。

「おねーちゃんありがとう!」
「うん。いっぱい食べてね」
「うん!」

太陽の様に笑うムニエルちゃん。カワイイなぁ。

「ミナさん、一つお願いがあるのですが…」
「何でしょう?」

そう切り出したのはお父さん。

「この子の様に私達にも人間世界の名前をいただけませんか?」

セイノールの言葉だと発音できないからムニエルちゃんには名前を付けたんだったね。

「私が名前を付けるなんて…何だか申し訳ないです」
「自分達では付けようが無いのです。お願いします」
「そう言われても…」
「じゃあカルパッチョとアクアパッツァで…」
「食べ物から離れなさいよ…」

リオさんが苦笑しながらソラちゃんに言う。
ソラちゃんが名前を付けると食べ物になっちゃう。

「ユキさん付けてあげてくれないかな?」
「私でも宜しいですか?」

ご両親はニコリと笑って頷いた。

「じゃあ…お父さんはセレーヤ、お母さんはシレーヌでどうですか?」
「私はセレーヤ…」
「私がシレーヌですね」

2人とも何度も名前を口にしている。とても嬉しそうだ。

「どう言う意味なの?」
「人魚を他の国の言葉に変えただけなんです…」

少し申し訳なさそうにしているユキさん。

「いえ!この名前気に入りました!私はセレーヤ。良かったねシレーヌ?」
「はい。ありがとうございました」

気に入ってもらえて良かったよ。

「料理はいかがでしたか?」

食事もほとんど終わり、デザートをミリアちゃんとフレッドさんが運んで来てくれた。

「美味しかったです」
「とってもおいしかった!」

レッサーセイノールの家族はみんな大満足といった様子だった。

「今度は孤児院のみんなも連れてくるよ」
「嬉しいです!それまでに料理の腕を上げておきますね!」
「ミリアならすぐにお客さんに出せる料理が作れるようになるよ」
「はい!頑張ります!」

フレッドさんに褒められて嬉しかったのだろう。ミリアちゃんは顔を綻ばせながら言っていた。

デザートもいただき、お茶を飲みながらエジダイハンで行った、声を使った漁の話をする。

「初めてミナがやった時に島みたいなおっきな亀みたいなモンスターが来たんだよ」
「すごーい!」

ソラちゃんが話をするとムニエルちゃんは大喜びで聞いている。

「それはもしかしてアスピドケロンではないですか?」

セレーヤさんが聞いてきた。

「知っているのですか?」
「ええ。我々レッサーセイノールにとってアスピドケロンは良き隣人であり守り神の様な存在です」

そうだったんだ。
それなら一度ケロちゃんに会わせてみたいかも。

「会ってみますか?多分連絡はつくので」
「本当ですか?それは嬉しいです」

という訳でクリエイトアバターリングで生成した私に連絡をとってみる。《ビジョン》を使うとすぐに出てくれた。

『どうしたの?』

現れたのはビキニ姿の私。海の上で陸…じゃなくてケロちゃんの上かな?

「今ムニエルちゃんとそのご両親と一緒にいるんだけど、ケロちゃんに会わせたいんだけどいいかな?」
『聞いてみるね。…うん、大丈夫だよ』
「じゃあ今からそっちに行くよ。どの辺りにいるの?」

おおよその位置を教えてもらって全員に飛行魔法を掛けてから《テレポート》を使う。

出た先は見渡す限り海しかない場所。

そこに浮かんでいるアスピドケロンが見えた。

やっぱり、どう見ても島にしか見えないね。何も知らなかったら上陸しちゃうよ。

「おお…間違いない。アスピドケロンだ」
「本当だわ。こんなに近くで見られるなんて…」

セレーヤさんとシレーヌさんは感嘆の声を漏らしていた。

更に近づいていくと、背中の上にいるアバターの私が手を振っているのが見えた。

「あ!おねーちゃんだ!」

ムニエルちゃんは私を見つけて手を振っている。

そこに降りて見ると、海から巨大な頭も出てきた。蛇の様な竜の様な、とにかく大きな頭だった。

「んあー?ミナが2人いるのー」
「そうだよー。アッチが本体だよ」
「んー?」

ケロちゃんには理解できないみたい。

水着姿の私は近づいて来た頭を撫でながら言っている。
その水着は自分で作ったのだろう。ずっとその格好なのかな?日焼けはしていないみたいだけど…。

「初めましてアスピドケロン様。私はレッサーセイノールのセレーヤと申します。これは妻のシレーヌとムニエルです」
「ケロちゃんなのー。よろしくなのー」

自己紹介をするセレーヤさんを見て嬉しそうに返事をするケロちゃん。
その様子を見てセレーヤさん達も喜んでいた。

ケロちゃんとアバターの私から気ままな旅をしている事を聞いたセレーヤさんが提案する。

「もし宜しかったら我々と一緒に暮らしませんか?ここより水は少々冷たいですが、食べ物は豊富で穏やかな所です」
「どうするケロちゃん?」
「んあー行きたいのー」

もう一人の私が聞くとケロちゃんはレッサーセイノールの集落のある海に興味を示していた。

《リージョナルテレポート》を使って集落のある北の海に移動する。
セレーヤさん達は種族変換の腕輪を外して仲間達を連れてきて説明する。
全員がケロちゃんの事を歓迎してくれた。

「私はこれで用済みかな」
「やだー!一緒にいるのー!」

どうやらアバターの私と別れたくないらしい。
別に消える必要もないだろうしこのまま一緒に住む事になった。

「おねーちゃんも一緒?やったー!」

ムニエルちゃんも大喜びだった。
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