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特別編2:神様はじめました
泉の水
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お婆ちゃんはこの世界が戦争で滅んだ後に転生した。
瓦礫と放射能しか無かった静寂の世界をたった1人で再生してきたらしい。
「泉といってもただのオイル溜まりでそこから生命を生み出すなんてとても出来たものではなかったの」
途方に暮れていたらその世界で恐らく最後の生命体であるドラゴンに出会って色々な事を教わった。
その竜の亡骸と爪がお婆ちゃんを永きに渡って助けてくれたのだとか。
「シグルーンは死して尚、私達を守ってくれたわ。地道に放射能を除去して、植物を生成して…その時に生まれたのが颯太なの」
ソータさんは世界樹の精霊。初めての家族で、お婆ちゃんの事を『母さん』と呼んでいる。この泉で一番大きな樹がソータさん本体らしい。
「随分立派な息子さんで…」
世界樹を見上げながら言うリオさん。
「ミナももっと大きくならないとね?」
「ソラちゃんもね」
この世界に再び生命を繁栄させるには世界の汚染をどうにかしなければならなかった。泉の水をその為に改良、進化させて来たそう。
「あの石…あなた達がドゥームと言っているそれは生物を破滅へと向かせる力を振るっていたの。あれはあってはいけないもの。幸い私の水が効いたからそれを使って排除したわ」
その話はドゥーム側の情報として知っている。
過去の文明に生きていた人間の悪い感情を手に入れてしまった結果だった。
お婆ちゃんはこの世界からドゥームを全て排除する為に、この星の隅々にまで泉の水を雨に変えて降らせた。
幾つかは生き残っていたらしいけど、それももう殲滅済み。イルメイアにドゥームは居ない。
「母さんただいま。おや、お客さんかい?」
現れたのは長身の青年。茶色の髪に茶色の目、ヨーロッパの方の神話に出てきそうな服を着た男性。この人がソータさんだね。
「スゴいイケメンだわ」
リオさんはマジマジとソータさんを見ている。
『ただいま戻りました』
『見回り終わりました』
大きく真っ白なユニコーンと真っ黒な大蛇も現れた。大蛇はあまりにも大きいからか、端っこにある穴から頭を少しだけ出しているだけだった。
「お婆ちゃん、蛇苦手だったよね?」
「家族だもの。この子には慣れたわ」
「未だに強張ってる時はあるけどね」
「颯太、それは言わないで」
だから遠慮して少しだけしか顔を出していないんだね。
「ただいま戻りましたー!」
妖精さんもやってきた。フィオレさんと同じくらいのサイズの可愛らしい姿だ。
ユニコーンがギョクリュウさん。
大蛇がヤトさん。
妖精がカナエさんという。
私達もそれぞれ自己紹介をした。
「母さんがよく話してくれた、前世の家族なんだね。初めまして、よろしくね」
ソータさんは笑顔を向けてくる。
優しそうな人だね。
「ハルさんは神話とか詳しいんですか?」
唐突に聞くリオさん。
「この子達の名前の事ね?私の息子…前世の方の息子が好きで、本がいくつもあって偶々読んでいたのよ。絵が書いてあるし、子供も楽しめるかと思って美奈にも見せた事があったけど憶えてる?」
「あの本ね…私は絵が怖くてあまり覚えてないかなぁ」
確か日本の神話とかアイヌの神話の本だったよね。絵が怖かった事しか覚えてないよ。
「アメノカクカミ、ヤトノカミ、メトは…メトトゥシカムイでしょうか?」
「あら、詳しいのね。凄いわ」
ユキさんが名前の由来を言い当てたみたい。
『我も由来があるのですか?』
「…ごめんなさい。思い付かなかったから鱗の色から連想しただけよ」
黒竜のトコヤミさんは神話由来じゃないみたい。
ちょっとガッカリしている様に見えるトコヤミさん。
「トコヤミはハルお婆ちゃんが付けてくれたオリジナルの名前。だからみんなより想いが込められていると思うよ?」
『そうか…そうだな!ありがとう!』
ソラちゃんに励まされて元気になった。
良い事言うね。
「ソータとカナエは人の名前っぽいから神話由来の名前じゃないとして、ギョクリュウは?」
「多分ですが中国の神話ですね。西遊記に出てきますよ」
リオさんが聞くとユキさんが答えている。
「ああ、私は白竜って覚えてたわ。なるほどねー」
分かりそうで分からない話を2人でしてた。
「あなた達も本をよく読むのね?」
「はい」
「私はそれ程でも…」
お婆ちゃんが聞くとユキさんは普通に答えてリオさんは苦笑いをしていた。
「美奈はあまり本は読まなかったわよね」
「う…苦手なだけで読んではいたよ」
「お父さんは本好きなのにね」
お婆ちゃん、そんな事まで覚えてるんだね。
「ゲームもほとんどやらないし本もあまり読まないなら、子供の頃何して遊んでたの?」
「うーん…?」
ソラちゃんに聞かれて思い出そうとするけど、何してたっけ?
「野山を走りまわっていたわね」
「野生児だったのね」
「元気な事は良い事ですよ」
お婆ちゃんが言ってるのは本当に小さな頃の事だよ。
それを聞いたリオさんとユキさんは笑っている。
「ねーちゃんらしいな」
「私の事を何だと思ってるの?」
テュケ君、『らしい』って何かな?
でも、こうしてお婆ちゃんと話していると前世の事を色々思い出してくる。
お父さんかぁ…お母さんも元気かな?
「孝司…美奈のお父さんは、あなたが死んだと知った時、見ていられない程落ち込んでいたわ」
「そうだったんだ…」
地球に飛ばされた時で5年経っていたけど、今地球に行ったらどれくらい経過しているんだろう?
「あなた達、こちらの世界に来られるという事は地球にもいけるの?」
「うん、いけるよ。っていうか前にアスティアの神様に地球に飛ばされて大変だったんだよ」
私達の経緯も話しておく。
みんな事故や病気とかで後悔を残しながら死んだ転生者で、偶然アスティアの神様が私達の魂を拾ってくれた事。
私が1人の神様に疎まれて殺されかけた事で地球に飛ばされてしまった話をなるべく簡潔に説明した。
「それなら一度、お父さんとお母さんに会ってきなさい。あなた達も、ご家族に今の元気な姿を見せてくるといいわ」
「それならお婆ちゃんも…」
「私は死ぬ前にちゃんとお別れしたからいいのよ。時間のズレがどれ程あるか分からないけど、生きているうちには必ず行きなさい」
お婆ちゃんは私達を優しい眼差しで見つめながら言っていた。
「うん。近いうちに必ず行くよ」
お婆ちゃんはニコリと笑うと頷いていた。
そうそう、ここに来た当初の予定を忘れていた。
お婆ちゃんに話したら「幾らでもあげるわ」と言って、アウラさんのサポートを受けて、インベントリにもの凄い量を入れてくれた。
中に入っている水量を見たら、とんでもない事になっていた。
よく分からないけど地図に載っている湖くらいの量はあるんじゃないかな?
「流石ミナのお婆ちゃん」
「ん、やらかしは遺伝だった」
遺伝って…。
瓦礫と放射能しか無かった静寂の世界をたった1人で再生してきたらしい。
「泉といってもただのオイル溜まりでそこから生命を生み出すなんてとても出来たものではなかったの」
途方に暮れていたらその世界で恐らく最後の生命体であるドラゴンに出会って色々な事を教わった。
その竜の亡骸と爪がお婆ちゃんを永きに渡って助けてくれたのだとか。
「シグルーンは死して尚、私達を守ってくれたわ。地道に放射能を除去して、植物を生成して…その時に生まれたのが颯太なの」
ソータさんは世界樹の精霊。初めての家族で、お婆ちゃんの事を『母さん』と呼んでいる。この泉で一番大きな樹がソータさん本体らしい。
「随分立派な息子さんで…」
世界樹を見上げながら言うリオさん。
「ミナももっと大きくならないとね?」
「ソラちゃんもね」
この世界に再び生命を繁栄させるには世界の汚染をどうにかしなければならなかった。泉の水をその為に改良、進化させて来たそう。
「あの石…あなた達がドゥームと言っているそれは生物を破滅へと向かせる力を振るっていたの。あれはあってはいけないもの。幸い私の水が効いたからそれを使って排除したわ」
その話はドゥーム側の情報として知っている。
過去の文明に生きていた人間の悪い感情を手に入れてしまった結果だった。
お婆ちゃんはこの世界からドゥームを全て排除する為に、この星の隅々にまで泉の水を雨に変えて降らせた。
幾つかは生き残っていたらしいけど、それももう殲滅済み。イルメイアにドゥームは居ない。
「母さんただいま。おや、お客さんかい?」
現れたのは長身の青年。茶色の髪に茶色の目、ヨーロッパの方の神話に出てきそうな服を着た男性。この人がソータさんだね。
「スゴいイケメンだわ」
リオさんはマジマジとソータさんを見ている。
『ただいま戻りました』
『見回り終わりました』
大きく真っ白なユニコーンと真っ黒な大蛇も現れた。大蛇はあまりにも大きいからか、端っこにある穴から頭を少しだけ出しているだけだった。
「お婆ちゃん、蛇苦手だったよね?」
「家族だもの。この子には慣れたわ」
「未だに強張ってる時はあるけどね」
「颯太、それは言わないで」
だから遠慮して少しだけしか顔を出していないんだね。
「ただいま戻りましたー!」
妖精さんもやってきた。フィオレさんと同じくらいのサイズの可愛らしい姿だ。
ユニコーンがギョクリュウさん。
大蛇がヤトさん。
妖精がカナエさんという。
私達もそれぞれ自己紹介をした。
「母さんがよく話してくれた、前世の家族なんだね。初めまして、よろしくね」
ソータさんは笑顔を向けてくる。
優しそうな人だね。
「ハルさんは神話とか詳しいんですか?」
唐突に聞くリオさん。
「この子達の名前の事ね?私の息子…前世の方の息子が好きで、本がいくつもあって偶々読んでいたのよ。絵が書いてあるし、子供も楽しめるかと思って美奈にも見せた事があったけど憶えてる?」
「あの本ね…私は絵が怖くてあまり覚えてないかなぁ」
確か日本の神話とかアイヌの神話の本だったよね。絵が怖かった事しか覚えてないよ。
「アメノカクカミ、ヤトノカミ、メトは…メトトゥシカムイでしょうか?」
「あら、詳しいのね。凄いわ」
ユキさんが名前の由来を言い当てたみたい。
『我も由来があるのですか?』
「…ごめんなさい。思い付かなかったから鱗の色から連想しただけよ」
黒竜のトコヤミさんは神話由来じゃないみたい。
ちょっとガッカリしている様に見えるトコヤミさん。
「トコヤミはハルお婆ちゃんが付けてくれたオリジナルの名前。だからみんなより想いが込められていると思うよ?」
『そうか…そうだな!ありがとう!』
ソラちゃんに励まされて元気になった。
良い事言うね。
「ソータとカナエは人の名前っぽいから神話由来の名前じゃないとして、ギョクリュウは?」
「多分ですが中国の神話ですね。西遊記に出てきますよ」
リオさんが聞くとユキさんが答えている。
「ああ、私は白竜って覚えてたわ。なるほどねー」
分かりそうで分からない話を2人でしてた。
「あなた達も本をよく読むのね?」
「はい」
「私はそれ程でも…」
お婆ちゃんが聞くとユキさんは普通に答えてリオさんは苦笑いをしていた。
「美奈はあまり本は読まなかったわよね」
「う…苦手なだけで読んではいたよ」
「お父さんは本好きなのにね」
お婆ちゃん、そんな事まで覚えてるんだね。
「ゲームもほとんどやらないし本もあまり読まないなら、子供の頃何して遊んでたの?」
「うーん…?」
ソラちゃんに聞かれて思い出そうとするけど、何してたっけ?
「野山を走りまわっていたわね」
「野生児だったのね」
「元気な事は良い事ですよ」
お婆ちゃんが言ってるのは本当に小さな頃の事だよ。
それを聞いたリオさんとユキさんは笑っている。
「ねーちゃんらしいな」
「私の事を何だと思ってるの?」
テュケ君、『らしい』って何かな?
でも、こうしてお婆ちゃんと話していると前世の事を色々思い出してくる。
お父さんかぁ…お母さんも元気かな?
「孝司…美奈のお父さんは、あなたが死んだと知った時、見ていられない程落ち込んでいたわ」
「そうだったんだ…」
地球に飛ばされた時で5年経っていたけど、今地球に行ったらどれくらい経過しているんだろう?
「あなた達、こちらの世界に来られるという事は地球にもいけるの?」
「うん、いけるよ。っていうか前にアスティアの神様に地球に飛ばされて大変だったんだよ」
私達の経緯も話しておく。
みんな事故や病気とかで後悔を残しながら死んだ転生者で、偶然アスティアの神様が私達の魂を拾ってくれた事。
私が1人の神様に疎まれて殺されかけた事で地球に飛ばされてしまった話をなるべく簡潔に説明した。
「それなら一度、お父さんとお母さんに会ってきなさい。あなた達も、ご家族に今の元気な姿を見せてくるといいわ」
「それならお婆ちゃんも…」
「私は死ぬ前にちゃんとお別れしたからいいのよ。時間のズレがどれ程あるか分からないけど、生きているうちには必ず行きなさい」
お婆ちゃんは私達を優しい眼差しで見つめながら言っていた。
「うん。近いうちに必ず行くよ」
お婆ちゃんはニコリと笑うと頷いていた。
そうそう、ここに来た当初の予定を忘れていた。
お婆ちゃんに話したら「幾らでもあげるわ」と言って、アウラさんのサポートを受けて、インベントリにもの凄い量を入れてくれた。
中に入っている水量を見たら、とんでもない事になっていた。
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