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特別編2:神様はじめました
泉の精と神獣達
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ユキさんは巨大な熊に弾き飛ばされたけど無事だった。泉は深い所でも腰くらいまでしかないみたいで、立ち上がってこちらに戻ってくる。
「ミナさん、指輪を…」
ユキさんが指差したのは泉のほとりに落ちている指輪。あれはユキさんのパートナーのエルエンザだ。
この泉があの水と同じならドゥームが浴びたら一溜りも無い。きっとこの泉に落ちる瞬間に投げ捨てたんだろう。
私は指輪を回収してメトを見る。
「うっぐ、お前達…その石を何故持っている!!」
両腕を吹き飛ばされても立ち上がり私達を威嚇してくる。指輪を見たメトは怒り狂っていた。
『メト、何をやっている?』
突風が吹いたかと思ったら、空から巨大な黒い竜が降りて来た。
『コイツら、あの石を持っている!倒さないと!』
『分かった。我も助太刀する。お前は泉に入れ』
メトは黒竜の言葉に従い泉に飛び込んだ。大きな波が起こってユキさんが反対方向に流されてしまった。
メトの方は千切れた腕が見る見るうちに再生していく。
『さてニンゲン、我が同胞…いや家族、メトによくも怪我を負わせてくれたな。その代償はお前達の命で贖ってもらう!』
黒竜が息を吸い込んだ。ブレスが来る!
《アドラステア》を起動して《カタフィギオ》を展開して構える。
ユキさんは範囲に入れなかったけど、咄嗟に水中に潜った。
吐き出されたのは炎。真っ白に輝く超高温のブレスだ。
リオさん、ソラちゃん、テュケ君は結界の中に入り込んでいたので無事。
ユキさんも無事だった。
泉の水はあの超高温の炎を浴びて蒸発すらしていない。
それどころか周囲の巨木も焦げ目一つついていない。
そして驚くべきはその威力。
結界に亀裂が入って砕け散った。
「なんて威力よ…」
「流石はドゥームを自力で絶滅させた世界」
「守ってばかりじゃ勝てない。ねーちゃんどうする?」
リオさんは絶句し、ソラちゃんはハルバードを取り出して構える。
テュケ君は額に汗を滲ませながら聞いてくる。
《カタフィギオ》を破壊できるという事は少なくともドゥームマスターコアクラスの戦闘力を持っている事になる。
「《アルスアドラステア》を使うよ」
誤解を解かないと酷い戦いになってしまいそうだ。とにかく今は制圧してこちらの言い分を聞いてもらわないと。
「何をしているの?おやめなさい!」
発動直前に凛とした声が泉に響く。
メトも黒竜も動きを止めた。さっきのメトの怒声よりもずっとよく響く声で、黒竜の方なんて空中で羽ばたくのを一瞬やめてしまったほどだ。
巨木の間から巨大な鹿が出てきた。
立ち上がった時のメトよりは低いけど、この鹿もかなり大きい。
鹿の背には水色の髪の少女が立っている。今の声はこの子が発したんだ。
巨鹿が蹲るようにして身を低くすると少女は背中から飛び降りる。
白のドレス姿で靴は履いていなかった。見た目は13~4歳といった所だけど、実際の年齢はもっと上だろう。
「先に攻撃したのはどちらですか?」
泉の中で微動だにしないメトの方を見る。メトは気まずそうに大きな身体を縮こませながら小さな声で言った。
「俺です…」
「なぜ手を出したの?」
泉のほとりまで歩いて行って腰に手を当てながらメトを見上げる少女。
「ハル様を狙って来たのだと思ったんです…。それにあの石も持っていました」
石の事を聞いて表情を険しくする少女。
「あの!私達は確かにドゥームを持っていますが、これはもう無害です。私達と協力関係にあるんです。私達はこの前水を貰った異世界人です。今日はお礼を言いに来ました!」
ハルと呼ばれたこの少女にまで敵対されたらたまらない。動き出す前にこちらの意思を伝える。
「美奈……?」
「え?」
こちらに振り向いて目を丸くしているハルさん。鑑定が使えるのかな?
「美奈なのね!あなた、本当に…!」
「ええと…」
「私よ!お婆ちゃんよ!」
「おばあ…ちゃん…?」
「そう!佐伯春子、あなたのお婆ちゃんよ」
本物…?
駆け寄って来て抱きしめられる。
懐かしい感覚。本当にお婆ちゃんなんだ。
まさかこんな所で会えるなんて…!
「お婆ちゃん!」
「ええ…!美奈…良かったわ。生きていて…本当に…」
お婆ちゃんは私の髪を撫でながら泣いていた。
私もお婆ちゃんにしっかりと抱きついていた。
「感動の再会の所悪いんだけど、そろそろ説明してもらえるかしら?」
「はい…」
涙を拭いて説明する。
まず、このハルという泉の精霊は地球で私のお婆ちゃんだった人という事。
お婆ちゃんは私が死んだ数年後に老衰で亡くなって、イルメイアの神様に会ってここで転生させてもらったらしい。
「…やっぱり世界によって時の流れが全然違うみたいね」
「あなた達の世界ではそんなに時間は経っていないのね?」
お婆ちゃんがらイルメイアで何十万年という年月を過ごしてきたと言っていた。
「壮大過ぎてイメージが湧かないよ」
ソラちゃんも困惑気味だ。
「美奈、この子達の事も紹介してくれるのかしら?」
「あ、うん。勿論」
みんなをそれぞれ紹介していく。みんな大切な仲間で親友で家族だと伝えると、お婆ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせて頷いていた。
「次はこちらの番ね」
そう言って巨大生物達を紹介してくれる。
大熊のメトはお婆ちゃんと3番目に家族になった子で、ドゥームのせいで母熊が死んでしまったらしい。
それであんなに怒っていたんだね。
「突然襲いかかってごめんなさい…」
「いえ…私達の方こそ大怪我をさせてしまってごめんなさい」
メトさんの両腕はもう完全に治っていて、のしのしと泉から上がってくる。
こちらの被害といえばユキさんが泉に落ちたくらいだ。
「大丈夫だった?」
「はい。怪我はしていません。あの泉に入っている間はダメージを負っても瞬間に回復するみたいです」
ユキさんの自己回復能力を上回っているらしい。
それから黒竜のトコヤミ。神獣となっている中では7番目に家族になった竜で、普段はここよりずっと北側の山に住んでいる。
「メトがあのような怪我をするなど見た事が無く、取り乱してしまった。どうか許してほしい」
畔に着地して頭を地面につけるトコヤミさん。
最後に巨鹿のカクカミ。2番目に家族になった神獣で、お婆ちゃんの警護役も兼ねているそう。
『よもやハル様の前世のご家族をお目にかかれるとは』
そう言って嘶くカクカミさん。
その他にもソータさん、ヤトさん、カナエさん、ギョクリュウさんが近くにいるらしい。
もうすぐ帰って来るそうなので紹介してもらう事にした。
「ミナさん、指輪を…」
ユキさんが指差したのは泉のほとりに落ちている指輪。あれはユキさんのパートナーのエルエンザだ。
この泉があの水と同じならドゥームが浴びたら一溜りも無い。きっとこの泉に落ちる瞬間に投げ捨てたんだろう。
私は指輪を回収してメトを見る。
「うっぐ、お前達…その石を何故持っている!!」
両腕を吹き飛ばされても立ち上がり私達を威嚇してくる。指輪を見たメトは怒り狂っていた。
『メト、何をやっている?』
突風が吹いたかと思ったら、空から巨大な黒い竜が降りて来た。
『コイツら、あの石を持っている!倒さないと!』
『分かった。我も助太刀する。お前は泉に入れ』
メトは黒竜の言葉に従い泉に飛び込んだ。大きな波が起こってユキさんが反対方向に流されてしまった。
メトの方は千切れた腕が見る見るうちに再生していく。
『さてニンゲン、我が同胞…いや家族、メトによくも怪我を負わせてくれたな。その代償はお前達の命で贖ってもらう!』
黒竜が息を吸い込んだ。ブレスが来る!
《アドラステア》を起動して《カタフィギオ》を展開して構える。
ユキさんは範囲に入れなかったけど、咄嗟に水中に潜った。
吐き出されたのは炎。真っ白に輝く超高温のブレスだ。
リオさん、ソラちゃん、テュケ君は結界の中に入り込んでいたので無事。
ユキさんも無事だった。
泉の水はあの超高温の炎を浴びて蒸発すらしていない。
それどころか周囲の巨木も焦げ目一つついていない。
そして驚くべきはその威力。
結界に亀裂が入って砕け散った。
「なんて威力よ…」
「流石はドゥームを自力で絶滅させた世界」
「守ってばかりじゃ勝てない。ねーちゃんどうする?」
リオさんは絶句し、ソラちゃんはハルバードを取り出して構える。
テュケ君は額に汗を滲ませながら聞いてくる。
《カタフィギオ》を破壊できるという事は少なくともドゥームマスターコアクラスの戦闘力を持っている事になる。
「《アルスアドラステア》を使うよ」
誤解を解かないと酷い戦いになってしまいそうだ。とにかく今は制圧してこちらの言い分を聞いてもらわないと。
「何をしているの?おやめなさい!」
発動直前に凛とした声が泉に響く。
メトも黒竜も動きを止めた。さっきのメトの怒声よりもずっとよく響く声で、黒竜の方なんて空中で羽ばたくのを一瞬やめてしまったほどだ。
巨木の間から巨大な鹿が出てきた。
立ち上がった時のメトよりは低いけど、この鹿もかなり大きい。
鹿の背には水色の髪の少女が立っている。今の声はこの子が発したんだ。
巨鹿が蹲るようにして身を低くすると少女は背中から飛び降りる。
白のドレス姿で靴は履いていなかった。見た目は13~4歳といった所だけど、実際の年齢はもっと上だろう。
「先に攻撃したのはどちらですか?」
泉の中で微動だにしないメトの方を見る。メトは気まずそうに大きな身体を縮こませながら小さな声で言った。
「俺です…」
「なぜ手を出したの?」
泉のほとりまで歩いて行って腰に手を当てながらメトを見上げる少女。
「ハル様を狙って来たのだと思ったんです…。それにあの石も持っていました」
石の事を聞いて表情を険しくする少女。
「あの!私達は確かにドゥームを持っていますが、これはもう無害です。私達と協力関係にあるんです。私達はこの前水を貰った異世界人です。今日はお礼を言いに来ました!」
ハルと呼ばれたこの少女にまで敵対されたらたまらない。動き出す前にこちらの意思を伝える。
「美奈……?」
「え?」
こちらに振り向いて目を丸くしているハルさん。鑑定が使えるのかな?
「美奈なのね!あなた、本当に…!」
「ええと…」
「私よ!お婆ちゃんよ!」
「おばあ…ちゃん…?」
「そう!佐伯春子、あなたのお婆ちゃんよ」
本物…?
駆け寄って来て抱きしめられる。
懐かしい感覚。本当にお婆ちゃんなんだ。
まさかこんな所で会えるなんて…!
「お婆ちゃん!」
「ええ…!美奈…良かったわ。生きていて…本当に…」
お婆ちゃんは私の髪を撫でながら泣いていた。
私もお婆ちゃんにしっかりと抱きついていた。
「感動の再会の所悪いんだけど、そろそろ説明してもらえるかしら?」
「はい…」
涙を拭いて説明する。
まず、このハルという泉の精霊は地球で私のお婆ちゃんだった人という事。
お婆ちゃんは私が死んだ数年後に老衰で亡くなって、イルメイアの神様に会ってここで転生させてもらったらしい。
「…やっぱり世界によって時の流れが全然違うみたいね」
「あなた達の世界ではそんなに時間は経っていないのね?」
お婆ちゃんがらイルメイアで何十万年という年月を過ごしてきたと言っていた。
「壮大過ぎてイメージが湧かないよ」
ソラちゃんも困惑気味だ。
「美奈、この子達の事も紹介してくれるのかしら?」
「あ、うん。勿論」
みんなをそれぞれ紹介していく。みんな大切な仲間で親友で家族だと伝えると、お婆ちゃんは嬉しそうに顔を綻ばせて頷いていた。
「次はこちらの番ね」
そう言って巨大生物達を紹介してくれる。
大熊のメトはお婆ちゃんと3番目に家族になった子で、ドゥームのせいで母熊が死んでしまったらしい。
それであんなに怒っていたんだね。
「突然襲いかかってごめんなさい…」
「いえ…私達の方こそ大怪我をさせてしまってごめんなさい」
メトさんの両腕はもう完全に治っていて、のしのしと泉から上がってくる。
こちらの被害といえばユキさんが泉に落ちたくらいだ。
「大丈夫だった?」
「はい。怪我はしていません。あの泉に入っている間はダメージを負っても瞬間に回復するみたいです」
ユキさんの自己回復能力を上回っているらしい。
それから黒竜のトコヤミ。神獣となっている中では7番目に家族になった竜で、普段はここよりずっと北側の山に住んでいる。
「メトがあのような怪我をするなど見た事が無く、取り乱してしまった。どうか許してほしい」
畔に着地して頭を地面につけるトコヤミさん。
最後に巨鹿のカクカミ。2番目に家族になった神獣で、お婆ちゃんの警護役も兼ねているそう。
『よもやハル様の前世のご家族をお目にかかれるとは』
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