転生少女、運の良さだけで生き抜きます!

足助右禄

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特別編2:神様はじめました

相田家

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~side マサキ~

早速服売り場に行きネネとハナに服を選んでもらう。
父さんが買うと言うと2人はかなり遠慮していたが、母さんが服をどんどん勧めて言って何着も買う事になる。

「父さん金大丈夫か?」
「ああ。こう見えて金は持ってるからな」

そういえば定年退職したんだな。年齢を逆算して気付いた。

「老後の資金なんだから無駄遣いするなよ」
「娘と孫に服を買うのがどこが無駄遣いだ?」

ありがたいのだが申し訳ない。
やはりミナに言って金に換えれそうな物を譲ってもらうか。後でレクスで払う事にして。

…そういやミナは自分の幸運を使って宝くじを当てて見せたとか言っていたな。
俺でも出来ないだろうか?

俺の手元には前に来た時に父さんから貰った1万円がある。
これを増やせたりすれば…。

「ちょっと自分の買い物してくるよ」
「すぐに戻って来い」

父さんに断って施設内の宝くじ売り場に行ってみる。
手っ取り早く効果を見るならスクラッチだな。

一等当選金が高いのから低いのまで色々あるが…まあ何でもいいか。

売り場の店員に言って一等が200万のものを買ってみた。

コインで削ってみると…

「…マジか」

一等が出てしまった。
どうしよう…俺、軽はずみにとんでもない事を仕出かしたんじゃないか?
とても悪い事をしている様な気になってきた。

いやいや、不正をしている訳じゃないんだ。この券は後で父さんに渡しておこう。

みんなの所に戻ると、店員も来ていてネネとハナのコーディネートをしていた。

2人とも何を着ても良く似合うな。

「戻ったか正樹。買い物は?」

父さんが俺を見つけて声を掛けてくる。

「ああ、済んだよ。後で父さんに渡すものがある」

いらん。とか言われたら困るな。俺は身分証明がないから換金出来ないし。

「俺にプレゼントでも買ってきてくれたのか?」
「まあ…そんな所。いや、恩返しかな」
「よせよせ、実の息子にそんな事されると気持ち悪いぞ。俺は親として当然の事をしているだけだからな」

笑って言う父さん。
こう言うところは昔から変わらない。

ネネもハナも次々と着せ替えられて楽しそうだが、周りに人が集まってきて恥ずかしそうにしていた。

結局かなりの量の服を買ってもらってしまった。

食料品もかなり買い込んでいるけどいいのだろうか?

「覚えて欲しい料理が沢山あるのよ。お爺ちゃんとお父さんには沢山食べてもらいましょうね」

母さんは俺達を太らせたい様だ。

「ねねさんとはなちゃんが作ってくれるならいくらでも食べられるぞ」

父さんも、もういい歳なんだから無理するなよ…。

家に帰ってからも母さん達は料理に夢中だ。

俺と父さんはテレビを見ながら話をする。

話したのはアスティアでの暮らしについてだ。ちゃんと生活できているのかを根掘り葉掘り聞かれる。

ハナが話していた時とは全然違う、正に詰問だった。

「お前が甲斐性がないせいでねねさんとはなちゃんが苦労していないかを確認しているんだ。父として、男としてしっかりやっているかをだ」
「まだまだ足りない事が多いけど、2人を幸せにする為に努力を怠った事はないよ」

父さんがそうだった様にね。

父さん達には話せないけど、実は俺とネネは父さん達よりも歳上なんだよ。

勇者として魔王だったハナを倒し、呪いを受けて老いること無く生きてきた。
技能を失った俺とネネの暮らしは、それはもう酷いものだった。何をやっても上手くいかず、身体能力の高さだけで何とか生きている状態だったんだ。

それでもネネは俺の隣に居てくれた。
一緒に生きていくと言ってくれたんだ。
2人で一つずつ問題を解決していった。技能が無くてもやれる事を見つけて工夫を重ねて、身体能力だけでやれる事を増やしていった。

子供は始めは作らないでおこうと話していたが、2人だけは寂しいと思い始めてしまった。

そしてハナが生まれた。

ハナのステータスを確認して愕然とした。
この子が普通に暮らしていける訳がない。
自分達の我儘でこの子に辛い人生を歩ませてしまうのだと後悔した。

ハナが話せるようになった頃、自分は魔王の生まれ変わりだと言い出した。そして謝罪してきた。

『私のせいであなた達の人生を狂わせてしまった』

その時思ったんだ。
勇者とか魔王とかどうでもいい。

今は家族3人でどうやって生きていくかを考えるんだと。
嫁と娘を幸せにするんだと。

ネネとハナも、ぎこちなくはあったが家族であろうとしてくれた。

「ちゃんと父親をしているんだな」
「まあ、ね。ネネから言わせてみたら大きな子供らしいけど」
「まあそんなもんだ。」

そう言って笑う父さん。

その日の夜は食べきれない程の料理が出てきた。

「楽しくて作り過ぎてしまったわ。頑張って食べてね」

笑いながら言う母さん。

「ソラでも連れて来ないと食べきれないぞ」
「確かに…これはちょっとどころでは無く作り過ぎたみたいだ」
「お父さんに頑張って食べてもらいましょうね」

並んでいたのは子供の頃からよく食べていた母さんと得意料理ばかりだ。
懐かしいが…食べきれない。

頑張って食べたが半分以上残ってしまった。残りは明日食べよう。

次の日は昨日の残りを弁当にして観光に出かける事にした。

うちは有名観光地の近くだから見て回るのには丁度良い。
まあ、俺達にとっては見慣れたものだけど、隣の県出身のネネや地球からの転生者ではないハナにとっては新鮮なものだろう。

昼には公園で紅葉を楽しみながら弁当を食べて、市内を散策する。

実際ハナはこちらの人間の生活ぶりを見るだけで驚いたり喜んだりと、とても楽しそうだった。

「お爺ちゃん、あれは何ですか?」
「ん?あれはボーリング場だよ」

お昼過ぎに車で移動中、通り掛かった建物を指差してハナが父さんに聞いている。

ハナは建物の外に立っている巨大なボーリングのピンが何か気になったみたいだ。

「ボーリングと言ってもはなちゃんには分からないでしょう。寄ってみませんか?」
「そうだな。ちょっとやっていくか」

母さんの提案で急遽ボーリング場に入る事になった。

そういえば父さん達はボーリング全盛期の人達だったな。

「爺ちゃんボーリング得意なんだよ。はなちゃんに遊び方を教えてあげるからね」

父さん達は久しぶりだと言っていたけど、全然衰えていなかった。
スコア198って化け物かよ…。

それで、一際騒がしい集団がいたんだが、知っている連中だった。

「マサキじゃないか。こんな所で会うとはな」

話し掛けてきたのはボーリングの球を持ったルーティアだった。
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