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500円玉
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急な雨が降った夜、コンビニへひとりの女が傘を買いにきた。美人でなくても男好きのする顔ってある、アヒル口の彼女はその類、それに胸はスーパーカップだ。店内にはボクと店長、店長はその女の反対版、女好きのする顔だ。いつも店長のレジ前には女性客の行列。その日も然り。その女と店長、女が矛なら店長は盾、人生は矛盾だらけ、矛盾の大河だね。
ボクが最強の矛と盾の戦いを見ようとしていると、その女と目があった。ボクは、
≺俺のレジ前へ来い、来い、来い、来い、池の鯉≻と心を動かした。
ホントは店長のレジへいこうとしていた彼女。でもボクの魔法の眼力で女は傘を持ってボクのレジへーー。第1ラウンド終了だ。
「すぐに使います? 」
「えっ、あぁ、 ハイ」
戸惑いながら女は500玉を2枚出した。チャリン、チャリンと、500玉がレジに入る。ボクの心もレジみたいに、チャリン、チャリンと、500玉二つ分鳴った。
俺にぴったりの彼女だ。雨の日には探しものが見つかるネ。
それから毎日、決まった時間に彼女はやってきた。夜の八時から九時の間、ゴールデンタイムだ。刑事ドラマじゃアリバイ成立だ。証人はボクとカメラ。店の防犯カメラに写っている。彼女は店長がいれば店長のレジへ。いなければボクのレジだ。
おにぎりを買ったり、メロンパンを買ったり、時に胸を揺らしスーパーカップを買う。
矛はサブミナル効果を狙っている。
盾はやっぱりホモなのか? ホモ? これはバイト仲間の噂、店長は彼女に全然興味を抱いていない。他の、店長レジ前女も然り。女たちは店長にとって足も止めない通りすがりのただの風景だ。「零の風景? 」もう一人のボクが言う。
バレンタインの日、彼女たちはやって来た。店長をさがしている、さがしている。
店長は? いない、いないよ、いなかったネ。彼女たちにシフト表を見せてやりたいぐらい。今日の店長のシフトは音符記号の全休符、休みの日だよ。
彼女はボクのレジ前へやってきた。そしてバッグから、おもむろに何かを取り出した。
「あの、これ、店長」といいかけた途端、ボクは、「これ、店(てん)」に「ありがとう」と言うコトバをかぶせたネ。
彼女はキョトン、あれぇ、驚き桃の木、こんなはずじゃなかったのにーー そんな顔。
彼女はボクの微笑み返しに、困惑しながらも、≺まぁ、いいか≻と、言わんばかりの妥協の後ろ姿をみせる。黄色いリボンで装った箱の中味は勿論チョコ。
そうやろ、せやろ、本気度丸出しだ。おまけに快感アップの生、生、生チョコやね。
これで店長に何個目? 何人目? 四人目だ。でも四人目の彼女はボクが横っとびの掻っ攫い、自画自賛のファインプレーだよ。
彼女の名前はアイ(愛)。アイとユウ、なんだかんだと会話は続く。
「ボクはユウ(悠生)、キミは? 」
「アイ」
「ミステイクの英語やね。正しい英語は、ボクはアイ、キミはユウ」
「あっ、はっ、はっ、はっ、ーー 」
二人そろって笑ったよ。笑い転げたよ。笑いは急接近のツールだよ。
ボクが最強の矛と盾の戦いを見ようとしていると、その女と目があった。ボクは、
≺俺のレジ前へ来い、来い、来い、来い、池の鯉≻と心を動かした。
ホントは店長のレジへいこうとしていた彼女。でもボクの魔法の眼力で女は傘を持ってボクのレジへーー。第1ラウンド終了だ。
「すぐに使います? 」
「えっ、あぁ、 ハイ」
戸惑いながら女は500玉を2枚出した。チャリン、チャリンと、500玉がレジに入る。ボクの心もレジみたいに、チャリン、チャリンと、500玉二つ分鳴った。
俺にぴったりの彼女だ。雨の日には探しものが見つかるネ。
それから毎日、決まった時間に彼女はやってきた。夜の八時から九時の間、ゴールデンタイムだ。刑事ドラマじゃアリバイ成立だ。証人はボクとカメラ。店の防犯カメラに写っている。彼女は店長がいれば店長のレジへ。いなければボクのレジだ。
おにぎりを買ったり、メロンパンを買ったり、時に胸を揺らしスーパーカップを買う。
矛はサブミナル効果を狙っている。
盾はやっぱりホモなのか? ホモ? これはバイト仲間の噂、店長は彼女に全然興味を抱いていない。他の、店長レジ前女も然り。女たちは店長にとって足も止めない通りすがりのただの風景だ。「零の風景? 」もう一人のボクが言う。
バレンタインの日、彼女たちはやって来た。店長をさがしている、さがしている。
店長は? いない、いないよ、いなかったネ。彼女たちにシフト表を見せてやりたいぐらい。今日の店長のシフトは音符記号の全休符、休みの日だよ。
彼女はボクのレジ前へやってきた。そしてバッグから、おもむろに何かを取り出した。
「あの、これ、店長」といいかけた途端、ボクは、「これ、店(てん)」に「ありがとう」と言うコトバをかぶせたネ。
彼女はキョトン、あれぇ、驚き桃の木、こんなはずじゃなかったのにーー そんな顔。
彼女はボクの微笑み返しに、困惑しながらも、≺まぁ、いいか≻と、言わんばかりの妥協の後ろ姿をみせる。黄色いリボンで装った箱の中味は勿論チョコ。
そうやろ、せやろ、本気度丸出しだ。おまけに快感アップの生、生、生チョコやね。
これで店長に何個目? 何人目? 四人目だ。でも四人目の彼女はボクが横っとびの掻っ攫い、自画自賛のファインプレーだよ。
彼女の名前はアイ(愛)。アイとユウ、なんだかんだと会話は続く。
「ボクはユウ(悠生)、キミは? 」
「アイ」
「ミステイクの英語やね。正しい英語は、ボクはアイ、キミはユウ」
「あっ、はっ、はっ、はっ、ーー 」
二人そろって笑ったよ。笑い転げたよ。笑いは急接近のツールだよ。
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