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運命(さだめ)
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夕霞から朝霞まで
秋の夜は長い
明日の人の運命(さだめ)
星めぐるうちに
ひとつひとつ
地にストンストンと
降りていく
膨大なルーチンワーク
5Gをはるかにこえて
すべては天のなせる業(わざ)
今日のさだめに
幸あれ 幸あれ
脚本『阿比留』、運命(さだめ)という詩の一節だ。
きのう、風が哭いた。左目から、ずーっと涙が出ていた。
宇宙はこんなにも歪んでいたのか。季節の変わり目って、なんとなく落ち着かない。モノが動き、風景が変わるからかな。そわそわ、そわそわ、心までそわそわ動く。
山も河も、空も海も、雲だって、ボクらはすべてのものからメッセージを受け取る。
「落日」ってコトバがあるのなら「昇日」ってコトバがあってもいいだろう。落日に夕陽と赤い夕焼け、昇日には朝陽と橙色の朝焼けだ。けさは昇日だ、橙色だ。
ボクは『阿比留(アヒル)』の脚本の最終章を書いていく。
「落日」の似合う町、例えば京の町。昔、維新の志士たちが三年坂から五年坂へ夕陽に向かって走り抜けた。機は熟し落日。それから、それから、静かに赤い夕陽が落ちていく。西の空は革命の色だよ。クレオパトラの鼻があと一センチ高かろうが低かろうが、歴史は変わらない。歴史はそんな幻想的なものじゃない。歴史は夜つくられる。落日から昇日までの間、夕陽から朝陽まで、夕焼けから朝焼けまで、赤色から橙色までの間、京の町を走り抜けた維新の志士みたいに歴史は夜つくられる。
「リアルなものだ」アヒル男のコトバだ。
代償はあったけれど、醜いアヒルはハクチョウになったのだ。アヒル女は今を生きる、もう生き始めている。アヒル男は過去を生きる。アヒル女は過ぎ去った恋を忘れる。女は、今を、明日を生きるイキモノだ。その身代わり、心変わりのスピードに男は戸惑う。
男は、今を、昨日を生きるイキモノだ。男の昨日と女の明日が交わる時、今が始まる。
昔、昔の夕暮れ。人が人なら心まで見てた。見透かすまで見てた。ボクは囚われていく。攫われていく。歳とともに固定観念ってやつに。まるで醜いアヒルだね。ハクチョウみたいにもっとしなやかでありたいネ。柔らかでありたいネ。
固定観念、ボクは厄介なやつに囚われてしまったネ。ストレスたまるネ。ある思考に拘束される。これじゃ羽ばたけないネ。ハクチョウみたいに自由に空を飛びたいネ。与えられた青空に申し訳がたたないから、青が消えちゃった。グレイの空になっちゃった。アヒルの心になっちゃった。これをやって、あれをやって。こうなるやろ。あれぇ~ならない、ならない。アカン、アカン。ああすれば、こうなって、ああなる。あれぇ~ならないよ。イカン、イカン。困り果てた、最近のボク。まるでアヒル男のルービックキュゥーブみたいだ。
アイ、長い人生の中で空白ってあるよね。ボクはアイを都合のいいようにボクの瞳のなかへ閉じ込めってしまったのだ。その空白には、どんな意味があったのか。
ナンセンス? そうかもしれない。
センス? そうかもしれない。
雑多? そうかもしれない。
斉一? そうかもしれない。
無為? そうかもしれない。
有為? そうかもしれない。
陳腐な時、虚偽の世界、青くさい虚像、多感な実像だったネ。いや前世の出来事だったのかもしれない。人って明日も明後日も昔話を作っていくんだネ。だってそうだよ。
昨夜、西の空に三日月、あっ!危ない! あっ! あっ!
赤く点滅した飛行機が三日月を確かにかすめていったのだ。そして宇宙に抜け、闇に消えた。でも、なんともなかったネ。 静謐感、それが三日月を平面的にたたえていたネ。
三日月はまるで遠い遠い昔話のなかで正義を振りかざしたみたいに。いや、三日月が舟形のシーソーのようにバランスよく宇宙を支えていたのかも。はるか彼方の、大いなる秩序のように。宿命っていうやつのように。
けさ、寒いけど陽が射している。花冷えだ。左目の調子は、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ、とワルツ奏でていく。調子は良いよな、悪いよな。ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ。陽射し分だけいいのかな。
あぁ、いい天気。ボクは光エナジーからの啓示を受けたように氏神神社へ行ってみた。サクラが人の志しを高めるように咲き誇っている。老婆が腰を曲げ「咲きました、咲きました」とつぶやきながら通り過ぎていった。
ボクはつぎはぎだらけの『阿比留』の脚本を読みつぶしていく。
ハクチョウにはハクチョウの運命があり、アヒルにはアヒルの運命がある。でもアンドロギュノスのハクチョウはアヒルの運命に縛られ、アンドロギュノスのアヒルはハクチョウの運命に縛られていく。
秋の夜は長い
明日の人の運命(さだめ)
星めぐるうちに
ひとつひとつ
地にストンストンと
降りていく
膨大なルーチンワーク
5Gをはるかにこえて
すべては天のなせる業(わざ)
今日のさだめに
幸あれ 幸あれ
脚本『阿比留』、運命(さだめ)という詩の一節だ。
きのう、風が哭いた。左目から、ずーっと涙が出ていた。
宇宙はこんなにも歪んでいたのか。季節の変わり目って、なんとなく落ち着かない。モノが動き、風景が変わるからかな。そわそわ、そわそわ、心までそわそわ動く。
山も河も、空も海も、雲だって、ボクらはすべてのものからメッセージを受け取る。
「落日」ってコトバがあるのなら「昇日」ってコトバがあってもいいだろう。落日に夕陽と赤い夕焼け、昇日には朝陽と橙色の朝焼けだ。けさは昇日だ、橙色だ。
ボクは『阿比留(アヒル)』の脚本の最終章を書いていく。
「落日」の似合う町、例えば京の町。昔、維新の志士たちが三年坂から五年坂へ夕陽に向かって走り抜けた。機は熟し落日。それから、それから、静かに赤い夕陽が落ちていく。西の空は革命の色だよ。クレオパトラの鼻があと一センチ高かろうが低かろうが、歴史は変わらない。歴史はそんな幻想的なものじゃない。歴史は夜つくられる。落日から昇日までの間、夕陽から朝陽まで、夕焼けから朝焼けまで、赤色から橙色までの間、京の町を走り抜けた維新の志士みたいに歴史は夜つくられる。
「リアルなものだ」アヒル男のコトバだ。
代償はあったけれど、醜いアヒルはハクチョウになったのだ。アヒル女は今を生きる、もう生き始めている。アヒル男は過去を生きる。アヒル女は過ぎ去った恋を忘れる。女は、今を、明日を生きるイキモノだ。その身代わり、心変わりのスピードに男は戸惑う。
男は、今を、昨日を生きるイキモノだ。男の昨日と女の明日が交わる時、今が始まる。
昔、昔の夕暮れ。人が人なら心まで見てた。見透かすまで見てた。ボクは囚われていく。攫われていく。歳とともに固定観念ってやつに。まるで醜いアヒルだね。ハクチョウみたいにもっとしなやかでありたいネ。柔らかでありたいネ。
固定観念、ボクは厄介なやつに囚われてしまったネ。ストレスたまるネ。ある思考に拘束される。これじゃ羽ばたけないネ。ハクチョウみたいに自由に空を飛びたいネ。与えられた青空に申し訳がたたないから、青が消えちゃった。グレイの空になっちゃった。アヒルの心になっちゃった。これをやって、あれをやって。こうなるやろ。あれぇ~ならない、ならない。アカン、アカン。ああすれば、こうなって、ああなる。あれぇ~ならないよ。イカン、イカン。困り果てた、最近のボク。まるでアヒル男のルービックキュゥーブみたいだ。
アイ、長い人生の中で空白ってあるよね。ボクはアイを都合のいいようにボクの瞳のなかへ閉じ込めってしまったのだ。その空白には、どんな意味があったのか。
ナンセンス? そうかもしれない。
センス? そうかもしれない。
雑多? そうかもしれない。
斉一? そうかもしれない。
無為? そうかもしれない。
有為? そうかもしれない。
陳腐な時、虚偽の世界、青くさい虚像、多感な実像だったネ。いや前世の出来事だったのかもしれない。人って明日も明後日も昔話を作っていくんだネ。だってそうだよ。
昨夜、西の空に三日月、あっ!危ない! あっ! あっ!
赤く点滅した飛行機が三日月を確かにかすめていったのだ。そして宇宙に抜け、闇に消えた。でも、なんともなかったネ。 静謐感、それが三日月を平面的にたたえていたネ。
三日月はまるで遠い遠い昔話のなかで正義を振りかざしたみたいに。いや、三日月が舟形のシーソーのようにバランスよく宇宙を支えていたのかも。はるか彼方の、大いなる秩序のように。宿命っていうやつのように。
けさ、寒いけど陽が射している。花冷えだ。左目の調子は、ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ、とワルツ奏でていく。調子は良いよな、悪いよな。ぶんちゃっちゃ、ぶんちゃっちゃ。陽射し分だけいいのかな。
あぁ、いい天気。ボクは光エナジーからの啓示を受けたように氏神神社へ行ってみた。サクラが人の志しを高めるように咲き誇っている。老婆が腰を曲げ「咲きました、咲きました」とつぶやきながら通り過ぎていった。
ボクはつぎはぎだらけの『阿比留』の脚本を読みつぶしていく。
ハクチョウにはハクチョウの運命があり、アヒルにはアヒルの運命がある。でもアンドロギュノスのハクチョウはアヒルの運命に縛られ、アンドロギュノスのアヒルはハクチョウの運命に縛られていく。
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