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第二章 誤解!? 確信! 仕事!!
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しおりを挟む「あれ、お買い物ですか?」
本部から馬車で、王都の中心街に来たレナートと私。早速色々なお店がある通りを案内してもらっていたら、巡回中と思われるヤンに、声を掛けられた。
「ヤンさん! こんにちは」
「こんにちは、キーラ」
「団長が、必要なものを買ってくれるって、連れてきてくれたんです!」
「おお、それは良かったな! お疲れ様です、団長」
「……ご苦労」
団長が挨拶を返しているのに、それを無視して
「おーい、なーにしてんだ、いくぞお」
と声を掛ける騎士が、少し離れたところにだらけて立っている。
「あっはい」
「ちょっと待て。――アーチー」
レナートが声を掛けると、その彼は、めんどくさそうに返事をする。
「なんすかあ?」
「酒を飲んでいるな。しかもその剣は規程違反だ」
「んあ」
よく見ると、柄に凝った装飾がしてあって、鞘も豪華。騎士って、こんなことして良いの? というか、趣味悪い……
「すぐに外せ」
「……」
「聞こえなかったのか?」
「こんぐらい見逃してくださいよお、気に入ってるんで」
「……そうか」
え! そこで引いちゃうの!?
「もういーすか? いくぞーヤン」
「え? は、え?」
ヤンが、戸惑っている。それもそうだよね……と私でも思う。
「ヤン。すまないが」
「?」
「少し、待て」
「は!」
レナートはおもむろに、アーチーと呼んだ騎士に近づいていく。
「貴様は、騎士の行動規範を三つも犯した。これは重大な違反である。即刻退団処分とする」
「はあ!? たかが半年やそこら団長やったからっつって、ナニサマすか?」
――半年?
銀狐、それも言ってない!
「第一に、その剣」
「だーから、気に入ってんすってー」
「第二に、そのように酔ってまともに思考できない頭で、任務に就いている」
「ああ? べーつに、こんぐらい」
「第三に」
はあ、とレナートは大きな溜息をついた後で、肩に力を入れた。
「騎士団長に対する無礼な振る舞いについては、団長の裁量で処分してよい。つまり」
キキキキ――
話しながらゆっくりと見せつけるように抜かれた、レナートの騎士剣は、その鋭い刃を煌めかせていた。
「……速攻貴様を、この場で斬って捨てることも許可されている」
切っ先を、アーチーの喉仏に突きつけたレナートは、さらに迫る。
「!!」
「死ぬか、辞めるか」
「はあっ!? な、な、なんなんだよ急に!」
アーチーが、真っ青な顔で震え始めた。
酔って調子に乗って、なめてかかったのが運の尽きだろう。今、酔いは覚めたかもしれないが。
「四つめ!」
挙がった声は、いつの間にか取り囲んでいた民衆の中からだ。恰幅の良い男性が、怒りで顔を真っ赤にして、叫ぶ。
「騎士だからって、店の飲み代、踏み倒しやがった!」
ビクッとアーチーの肩が波打つ。
「……本当に貴様という奴は」
「お、お、お、俺だけじゃねえ! みんなやってる!」
「ほう?」
レナートの、片眉が上がる。
「全員の名前を、この場で吐け。ヤン、キーラ、記憶しろ」
「は!」
「はい!」
「店主」
「! はいよ!」
「……請求は騎士団に」
「ありがてえ!」
わあっ! と民衆から歓声が挙がった。
――良かったあ! 騎士のやつら、横暴だよなあ!
――あたしんとこも、払って欲しいわ!
――団長さんがああなら、これから治安良くなるかなあ?
アーチーが仲間の名前を自白している間に、次々と民衆から漏れ出るのは、騎士団の悪評だ。
「うーわぁ、評判わりぃなー」
「……まるで海賊ね」
「あー、キーラさぁ」
ヤンが、肩をすくめる。
「正直なのは良いけど、今後のためにさ。本音をペロッて言っちゃうの、直した方がいいよ」
「うっ! はい……」
また、やっちゃった……
「同意だな。……ヤン、すまんが」
「は! 本部まで連行します」
「暴れたら、容赦なく痛めつけて構わん。生死問わずだ」
「っ」
「わー」
私は息を思わず呑んでしまった。
ヤンが頭をぽりぽりかく。一方、アーチーは信じられない、という顔をしていた。
「自分は気が進みませんがね」
「ヤン、団長命令だ。アーチー、よく聞け。ヤンは貴様よりはるかに強い。それでも逃げたくば、逃げるがいい」
カシィン、とようやく剣を鞘に収めたレナートが、冷え冷えとした目線で、アーチーにトドメをさす。
「どこまでも俺が追いかけて、問答無用で斬って捨てる」
へなへなと力が抜けたアーチーの二の腕を掴んで、ヤンが苦笑う。
「先輩、いきましょ。立てなかったら――引きずりますよ」
「……うう……まさか……なんで……」
結局、ずりずりと引きずられていった。民衆もそれを見てスッキリしたのか、ばらばらと解散していく。
「団長……」
「すまなかったな、キーラ。さすがに捨て置くわけには」
「いえ! そんなことより、半年って?」
「ああ。騎士団の状況を憂いて、半年前に陛下が、団長と副団長を替えられたのだ」
「え? ロラン様も? そうだったんですか……」
「それも聞いていなかったのか?」
「はい」
「そうか。ロランは、雑だからな」
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「ふ」
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「……キーラが明るくて、助かる」
「そ、ですか」
なんだか、恥ずかしくて。
「明るいのだけが、取り柄ですから!」
と、馬鹿みたいなことを言ったら
「? 他にも色々あると思うぞ」
真面目に返されて、余計に恥ずかしかった。
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お読み頂き、ありがとうございました。
恋愛小説大賞が、始まりました!
これから頑張ってイチャイチャさせますので、どうぞ応援宜しくお願い致しますm(_ _)m
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