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~第2章~
金髪ロリBBA
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魔王-魔王城-不明
目を開くと、そこは天井、壁、布団すらも紫一色の世界だった。
なぜ俺はこんなところにいるんだっけか?
…ああ、殺されかけたんだった。
首吊りを全力で応援されて、その上血反吐吐かされて…。
「で?これは一体?」
ベットの上に寝ている俺の両脇にはハルとケモ爪少女が寝ていた。
「魔王様が目覚めるまで側にいます!…だと。」
声の方を見ると、そこにはティーカップ片手に本を読む…金髪ロリBBAがいた。
「………大人ぶらなくても…いつか大きくなれるさ。」
「よし張っ倒す。」
「この二人はいいとしてシオン…もう一人の召喚者はどうした?」
すると金髪ロリBBAは本を閉じて立ち上がった。
「今は図書室で本を読ませている。…あの娘は賢いな。〈召喚〉の読みを教えただけで、数字の意味と他の漢字が人名だと理解した。その上、その全てがどういう意味を成しているのかまでを1人で理解した。召喚者の事を話したのか?」
あれぇ?シオン頭悪かったんじゃ…。
俺が剣を避けれた理由を聞いた時も全然理解出来てなかったし…。
「いんや、話したといってもヒント程度だ。」
どんなことがあっても、とか。漢字を知らないのならお前は勇者にはなれない、とかだからな…。
すると金髪ロリBBAは片手を額に当てて深く溜め息を吐いた。
「召喚者があの娘なら…。」
「なんっ!?………そうだぞ?」
一応あいつも召喚者と言う設定だ。
「さてと、私は図書室に行く。」
唐突だな。
「シオンか?」
金髪ロリBBAは「ああ」と呟くと、サザエの蓋に消えて行った。
さて…。
「2人共?そろそろ起き…」
そんな俺の言葉を遮るように、獣の爪が俺の頬をかする。
「………。」
おやぁ?三途の川から帰ってこれたと思ったけど、まだ片足が川の中だったかぁ。
ケモ爪少女は今だに眠っていた。
「…お~、いっ!?」
俺が声をかけると、今度は首を狙って爪が飛んでくる。
まあもちろん避けはしたが…。
この子は寝起きが悪すぎるな。
なら、そっとベットから抜ければ…。
俺は2人を起こさないようにそっとベットから出た。
ふ~、やっと出れた………あれれ?
布団から出た俺の左腕にはケモ爪少女が抱きついたままだった。
「腕力!!」
その声に反応したのか、今度は目をめがけて爪が飛んでくる。
「危ないぞ。」
俺は首を90度ほど反らせて爪を避ける。
どうしたものか…ハルはおとなしく寝たまんまなんだけどなぁ。
ふとケモ爪少女に目を移すと、目を見開き、俺の顔をジッと見つめていた。
こっわ!!ホラーかよ!淳二かよ!!「怖いなぁ怖いなぁ」かよ!!
「あのぉ、起きてる…よね?」
するケモ爪少女は無言で頷く。
「じゃあ離れてくんない?」
ケモ爪少女は首を左右に振った。
えー、どうしろと…。
「今から図書室に用事があるんだ、だから…ね?」
◆◆◆
「で、こうなりました。」
俺は図書室に来ていた。
ケモ爪少女を肩車して…。
そしてその姿をシオンが冷たい目で眺めていた。
「あの~シオンさん?召喚者のことはもう理解して…。」
するとシオンは開いた1冊の本を俺に見せてきた。
「この第4444444442代召喚の〈大炊御門 大牙〉とはなんと読むのだ?」
おかしい、この娘俺の話を聞かない。
…ん?珍しい苗字…いや名前も珍しいな。
「これは、おおいのみかど…だったかな?名前は…〈タイガ〉?」
「………そうか。」
シオンはそう言うと本を閉じ、そっと表紙を撫でた。
「確認は取れたかい?」
その金髪ロリBBAの言葉にシオンは頷きながら手に持った本を渡した。
「さてミナト、悪いが召喚者の説明はまたあとだ。シオンのために、もう一度回ってこい。」
「えぇ~。」
またかよぉ~。
「何か文句が?」
そう金髪ロリBBAに睨まれた俺は、まるで卵を産む亀のように大粒の涙を流していた。
◆◆◆
魔王-魔王城-玉座の間
「それでは。」
そうシオンが会釈すると、金髪ロリBBAは優しく微笑んだ。
俺の時はそんなに優しくなかった…。
「そんじゃあ。」
「ミナトは帰ってこなくていいぞ。」
「圧倒的差別!」
もういいや…。
俺はTHE魔王のイスの隣で、世界観をぶち壊している襖を開けると先にシオンが入った。
俺も部屋に入ろうと金髪ロリBBAに背を向ける。
「って、あれ。」
部屋の中には、山ほどあった金貨が1枚足りとも残っていなかった。
「いやぁ、流石魔王様!魔王城のためにあれ程の資金を集めていただけるとは!!」
そう声を上げた金髪ロリBBAら俺の背中を蹴り。蹴り飛ばされた俺は、よろけて自分の部屋に入った。
一般人-アパート-201
「この金髪ロリBBAがぁ!!!」
「ほほう、やっと口に出したか。」
後ろから聞こえるその声は少し笑っていた。
………〈やっと〉?
あれ?あれれ?あれれれれ?
「まるで今までも俺がそんな事を言っていて、その事を知っているような口ぶりだね。」
後ろを振り向くと、金髪ロリBBAはまた鬼の表情で、しかしその口は笑み浮かべていた。
あ、終わった。
「今ので20回目だ。」
「…な、なんのお話で?」
「なんの話かだって?金髪のロリっ娘1回、金髪ロリっ娘6回、BBA1回、金髪ロリBBA20回。系28回お前は私を愚弄した。よって、もう一周してきた時に28回刑を与える。」
んー。
「あの~、口に出したのはさっきのが最初だったんだけど…。残りの27回はどうやって?」
何回言ったかなんて俺自身覚えていないし…。
「あぁ、とても心優しい〈神様〉が教えてくれたよ。フフッ…帰ってくるのを楽しみにしているぞ?」
と、金髪ロ………目の前の美しい女性は不気味としか言えない笑み、いいやまさに魔王の表情でゆっくりと扉を閉めた。
………。
「あんの!クソ神がぁぁぁ!!!」
【えへへ。】
目を開くと、そこは天井、壁、布団すらも紫一色の世界だった。
なぜ俺はこんなところにいるんだっけか?
…ああ、殺されかけたんだった。
首吊りを全力で応援されて、その上血反吐吐かされて…。
「で?これは一体?」
ベットの上に寝ている俺の両脇にはハルとケモ爪少女が寝ていた。
「魔王様が目覚めるまで側にいます!…だと。」
声の方を見ると、そこにはティーカップ片手に本を読む…金髪ロリBBAがいた。
「………大人ぶらなくても…いつか大きくなれるさ。」
「よし張っ倒す。」
「この二人はいいとしてシオン…もう一人の召喚者はどうした?」
すると金髪ロリBBAは本を閉じて立ち上がった。
「今は図書室で本を読ませている。…あの娘は賢いな。〈召喚〉の読みを教えただけで、数字の意味と他の漢字が人名だと理解した。その上、その全てがどういう意味を成しているのかまでを1人で理解した。召喚者の事を話したのか?」
あれぇ?シオン頭悪かったんじゃ…。
俺が剣を避けれた理由を聞いた時も全然理解出来てなかったし…。
「いんや、話したといってもヒント程度だ。」
どんなことがあっても、とか。漢字を知らないのならお前は勇者にはなれない、とかだからな…。
すると金髪ロリBBAは片手を額に当てて深く溜め息を吐いた。
「召喚者があの娘なら…。」
「なんっ!?………そうだぞ?」
一応あいつも召喚者と言う設定だ。
「さてと、私は図書室に行く。」
唐突だな。
「シオンか?」
金髪ロリBBAは「ああ」と呟くと、サザエの蓋に消えて行った。
さて…。
「2人共?そろそろ起き…」
そんな俺の言葉を遮るように、獣の爪が俺の頬をかする。
「………。」
おやぁ?三途の川から帰ってこれたと思ったけど、まだ片足が川の中だったかぁ。
ケモ爪少女は今だに眠っていた。
「…お~、いっ!?」
俺が声をかけると、今度は首を狙って爪が飛んでくる。
まあもちろん避けはしたが…。
この子は寝起きが悪すぎるな。
なら、そっとベットから抜ければ…。
俺は2人を起こさないようにそっとベットから出た。
ふ~、やっと出れた………あれれ?
布団から出た俺の左腕にはケモ爪少女が抱きついたままだった。
「腕力!!」
その声に反応したのか、今度は目をめがけて爪が飛んでくる。
「危ないぞ。」
俺は首を90度ほど反らせて爪を避ける。
どうしたものか…ハルはおとなしく寝たまんまなんだけどなぁ。
ふとケモ爪少女に目を移すと、目を見開き、俺の顔をジッと見つめていた。
こっわ!!ホラーかよ!淳二かよ!!「怖いなぁ怖いなぁ」かよ!!
「あのぉ、起きてる…よね?」
するケモ爪少女は無言で頷く。
「じゃあ離れてくんない?」
ケモ爪少女は首を左右に振った。
えー、どうしろと…。
「今から図書室に用事があるんだ、だから…ね?」
◆◆◆
「で、こうなりました。」
俺は図書室に来ていた。
ケモ爪少女を肩車して…。
そしてその姿をシオンが冷たい目で眺めていた。
「あの~シオンさん?召喚者のことはもう理解して…。」
するとシオンは開いた1冊の本を俺に見せてきた。
「この第4444444442代召喚の〈大炊御門 大牙〉とはなんと読むのだ?」
おかしい、この娘俺の話を聞かない。
…ん?珍しい苗字…いや名前も珍しいな。
「これは、おおいのみかど…だったかな?名前は…〈タイガ〉?」
「………そうか。」
シオンはそう言うと本を閉じ、そっと表紙を撫でた。
「確認は取れたかい?」
その金髪ロリBBAの言葉にシオンは頷きながら手に持った本を渡した。
「さてミナト、悪いが召喚者の説明はまたあとだ。シオンのために、もう一度回ってこい。」
「えぇ~。」
またかよぉ~。
「何か文句が?」
そう金髪ロリBBAに睨まれた俺は、まるで卵を産む亀のように大粒の涙を流していた。
◆◆◆
魔王-魔王城-玉座の間
「それでは。」
そうシオンが会釈すると、金髪ロリBBAは優しく微笑んだ。
俺の時はそんなに優しくなかった…。
「そんじゃあ。」
「ミナトは帰ってこなくていいぞ。」
「圧倒的差別!」
もういいや…。
俺はTHE魔王のイスの隣で、世界観をぶち壊している襖を開けると先にシオンが入った。
俺も部屋に入ろうと金髪ロリBBAに背を向ける。
「って、あれ。」
部屋の中には、山ほどあった金貨が1枚足りとも残っていなかった。
「いやぁ、流石魔王様!魔王城のためにあれ程の資金を集めていただけるとは!!」
そう声を上げた金髪ロリBBAら俺の背中を蹴り。蹴り飛ばされた俺は、よろけて自分の部屋に入った。
一般人-アパート-201
「この金髪ロリBBAがぁ!!!」
「ほほう、やっと口に出したか。」
後ろから聞こえるその声は少し笑っていた。
………〈やっと〉?
あれ?あれれ?あれれれれ?
「まるで今までも俺がそんな事を言っていて、その事を知っているような口ぶりだね。」
後ろを振り向くと、金髪ロリBBAはまた鬼の表情で、しかしその口は笑み浮かべていた。
あ、終わった。
「今ので20回目だ。」
「…な、なんのお話で?」
「なんの話かだって?金髪のロリっ娘1回、金髪ロリっ娘6回、BBA1回、金髪ロリBBA20回。系28回お前は私を愚弄した。よって、もう一周してきた時に28回刑を与える。」
んー。
「あの~、口に出したのはさっきのが最初だったんだけど…。残りの27回はどうやって?」
何回言ったかなんて俺自身覚えていないし…。
「あぁ、とても心優しい〈神様〉が教えてくれたよ。フフッ…帰ってくるのを楽しみにしているぞ?」
と、金髪ロ………目の前の美しい女性は不気味としか言えない笑み、いいやまさに魔王の表情でゆっくりと扉を閉めた。
………。
「あんの!クソ神がぁぁぁ!!!」
【えへへ。】
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