異世界は突然に

雪椿

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状況確認②

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「はじめまして、私はこのレム村の村長カーレルだ。」
「はじめまして、本条咲夜です」
村長、思ってたより若かった。多分30代だな。村長ってもっとおじいちゃん想像してたわ。
「ホンジョウサクヤ?変わった名前だな」
「咲夜が名前です。本条は姓です」
「なるほど、ではサクヤ。君は今の状況をどのくらい理解している?」
「ほとんどわかりません。突然森の中にいて、とりあえず此処が私の居た世界では無いらしい事、位ですかね」
「確かに突然の事で驚いただろう。
このレム村はアンスという国の中にある村だ。アンスは時々君のように突然異世界人が迷い込むんだ」
なんと!?前例ありか!?
「迷い込んだ異世界人は帰れるのですか?」
「残念ながら、異世界人が帰ったというのは聞いたことがない。大体は迷い込んだ国でそのまま暮らしていたらしい」
やっぱりか…。なんとなく覚悟はしていたが、結構ショックだわ…。
「?あまり驚いていないな?」
「いえ、めちゃくちゃ驚いてますし、ショックです。ただ、顔に出ないだけです。知り合いにもよく、表情筋が死んでるって言われるので」
「そ、そうか…、すまない、無神経だったな」
「いえ、本当の事なので。
話を戻すんですが、私はこの世界で生きていかないといけないんですよね?」
「そうなるな。しばらくはこの村でこの世界の事を学ぶといい。マーサ、面倒をみてやってくれるか?」
「勿論です。最初に拾ったのはわたしなので」
私は捨て猫か?でもマーサさんは最初から優しかったし、ありがたい!
「マーサさん、よろしくお願いします。
自己紹介遅くなりましたが、咲夜です」
「ああ、私も名乗って無かったね。マーサだよ、よろしく」
うん、仲良くなれそうだ。
「サクヤ、異世界人がこの国に来たら王に報告をする義務があるんだ。だからアンス国の王にサクヤの事を伝える事になる」
なるほど、国に異世界人という未知の者が来てるのは確かに報告しないとダメだわね。危険人物かもだし。
「大丈夫です。これからお世話になりますし、報告は大事です」
「ありがとう。では王に報告しておこう。今日は色々あって疲れただろう。もう休みなさい。私に聞きたいことがあったらいつでも訪ねてくるといい。マーサ、頼んだよ」
「分かりました。さあサクヤ、行こうか」
「はい、村長さんありがとうございました。」
こうして、私の異世界生活が始まりました。
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