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チートです②
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レム村に来て一ヶ月ほど経ち、だいぶ慣れてきた頃、事件は起きた。
事件というか、アレは事故だと思う。絶対そう。
というか、私は悪くない、ゼッタイ。
その日は森に薪を拾いに行っていた。裏の森は獣もそんなにいないし、夜とかでなければそんなに危なくないらしい。
少しでもマーサさんのお手伝いをしたくて薪拾いは私が率先してやっていた。
なので、いつものように薪を拾い、さあ帰ろうとした時だった。
何やら村の入口が騒がしい。商人でも来たのかと思っていたが、どうやら違うらしい。どうやら貴族のような奴が酒場で問題を起こしたらしい。しかもそいつは酒にめちゃくちゃ酔っていて持っていた剣を振り回していた。
最悪だ!酔っ払いはどの世界でも共通して害悪だな!
しかも何人か怪我人が出ている。ホントに最低だ。私は少しだけ治癒魔法が使えるようになっていたので(血を止める程度だが)やらないよりマシだろうと、怪我人の手当を手伝った。
「大丈夫ですか?」
「おお、マーサのとこのチビちゃんか。すまんな」
「チビじゃないです、咲夜です。
あの人なんなんですか?」
「どうやら王都の貴族様らしくてな、手が出せないんだ。怪我をさせたら大事だからな…」
なんだと!?この世界は身分制度があるらしく、私達庶民は身分の高い人の言う事は絶対らしい。仕方がないのかもしれんが、流石に横暴ではないか?
怪我をさせられても文句も言えんとは…。
おじさんの手当をしていると悲鳴が上がった。村長の妹のレイアさんだ。
どうやら貴族様がレイアさんに言い寄っているようだ。
「やめてください!」
「ああ?俺に逆らうのか?俺と王都にくれば今よりもっといい暮らしができるぞ」
思いっきり悪役の台詞じゃん、しかも嫌がられてるし。周りのみんなも嫌悪感丸出しじゃん。身分制度のせいで言えないだけで、ただのチンピラじゃん。
軽蔑の眼差しをお貴族様に向けていると、それに気づいたのかお貴族様が私に絡んできた。
「なんだチビ、お前も俺に惚れたのか?残念だな、お前が大人になったら相手にしてやる」
「結構です」
「!?」
「嫌がる女性に言い寄る男なんてろくでなし以外の何者でもありません」
「「!?」」
「お前、誰に向かって言っている!」
「酔っ払って嫌がる女性に言い寄るろくでなしの貴方様です」
あ~あ、言ってしまった。ヤバいな。おじさんも周りの人も真っ青だわ。
でも後悔はない。殺されるかな?
短い人生だったわ。
事件というか、アレは事故だと思う。絶対そう。
というか、私は悪くない、ゼッタイ。
その日は森に薪を拾いに行っていた。裏の森は獣もそんなにいないし、夜とかでなければそんなに危なくないらしい。
少しでもマーサさんのお手伝いをしたくて薪拾いは私が率先してやっていた。
なので、いつものように薪を拾い、さあ帰ろうとした時だった。
何やら村の入口が騒がしい。商人でも来たのかと思っていたが、どうやら違うらしい。どうやら貴族のような奴が酒場で問題を起こしたらしい。しかもそいつは酒にめちゃくちゃ酔っていて持っていた剣を振り回していた。
最悪だ!酔っ払いはどの世界でも共通して害悪だな!
しかも何人か怪我人が出ている。ホントに最低だ。私は少しだけ治癒魔法が使えるようになっていたので(血を止める程度だが)やらないよりマシだろうと、怪我人の手当を手伝った。
「大丈夫ですか?」
「おお、マーサのとこのチビちゃんか。すまんな」
「チビじゃないです、咲夜です。
あの人なんなんですか?」
「どうやら王都の貴族様らしくてな、手が出せないんだ。怪我をさせたら大事だからな…」
なんだと!?この世界は身分制度があるらしく、私達庶民は身分の高い人の言う事は絶対らしい。仕方がないのかもしれんが、流石に横暴ではないか?
怪我をさせられても文句も言えんとは…。
おじさんの手当をしていると悲鳴が上がった。村長の妹のレイアさんだ。
どうやら貴族様がレイアさんに言い寄っているようだ。
「やめてください!」
「ああ?俺に逆らうのか?俺と王都にくれば今よりもっといい暮らしができるぞ」
思いっきり悪役の台詞じゃん、しかも嫌がられてるし。周りのみんなも嫌悪感丸出しじゃん。身分制度のせいで言えないだけで、ただのチンピラじゃん。
軽蔑の眼差しをお貴族様に向けていると、それに気づいたのかお貴族様が私に絡んできた。
「なんだチビ、お前も俺に惚れたのか?残念だな、お前が大人になったら相手にしてやる」
「結構です」
「!?」
「嫌がる女性に言い寄る男なんてろくでなし以外の何者でもありません」
「「!?」」
「お前、誰に向かって言っている!」
「酔っ払って嫌がる女性に言い寄るろくでなしの貴方様です」
あ~あ、言ってしまった。ヤバいな。おじさんも周りの人も真っ青だわ。
でも後悔はない。殺されるかな?
短い人生だったわ。
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