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エテハ

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第二章 命の重み

ボス討伐

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あれから何日経っただろうか。始まりの草原ホーマフォルテで起きた出来事から。俺は今、ホーマフォルテから2つ先のエリア、べカンテ海峡の街の宿屋に閉じこもっている。エリアを次に行くためにはそのエリアにいるボスモンスターを倒す必要があった。ホーマフォルテで出会ったドラゴンはボスモンスターではなかったようだ。その証拠にホーマフォルテの森の最深部にデュラハンロードというモンスターがいた。だが、俺は鉄の剣1本で倒した。決して相手が弱いわけではない。俺のレベルが上がりすぎたのだ。ドラゴンを倒してから俺のレベルは56まで一気に上がった。ギルドメンバーの祐介達もギルドボーナスとして経験値をもらっている。多分レベルは30ぐらいあるだろう。そういえば祐介達は今どうしているのだろう。あれから、ホーマフォルテの街の宿屋に運んでから全く連絡を取っていない。

…もちろん晶とも。

俺はあの日からエリア2のスレーブラ山脈のボスモンスターも1人で討伐した。もちろん神器は使わない。あれは使ってはいけない。と心に決めているのだ。きっとあれは俺と晶の絆という鎖を外すアイテムなのだから。使えばもう会えないと思ってしまうから。

ピコンッ!

急に俺の目の前にウィンドウが現れた。

「メール?」

それは、初日に開発者から送られて以来一度もなかったものだ。送信者は祐介だった。

 「やあ、駆。あの時はドラゴンから守ってくれてありがとう。きっと駆がいなかったら僕たちは今ここにはいなかったのだろうなと思うよ。なんて、このメールはその事が本題じゃないんだ。実はエリア3のボス討伐に4つのギルドが連合軍を組むらしいんだ。もちろんそこには僕たちのギルドも含まれているんだ。そこにさ君も加わって欲しいんだ。どうやらエリア3のボスモンスターは特殊スキルがあるって噂なんだ。だから、僕たちと一緒に戦って欲しい。頼む。」

と書かれていた。そろそろ俺もエリア3のボス討伐をしようと思っていたところだった。特殊スキルの噂はそれとなく知っていた。だが、まさかギルド連合軍を作るとは思わなかった。きっとそれを仕切るのはトップギルド、翡翠の騎士団だろう。奴らはメンバー8人と多くはないが一人一人が相当な強さを誇るらしい。だが、祐介達も負けてはいないだろう。この数日でメンバーは12人まで増えている。やはり祐介の人望の厚さがそこまで育てたのだろう。さて、返信はどうするか。また、あの時のような事が起きたらそれこそ俺は全てを捨ててしまうかもしれない。だが、今回は4つもギルドが参加しているのだから大丈夫だろう。そう俺は決めて祐介に返信した。

2日後。

 「久しぶり、駆!」

眩しいぐらいの祐介の笑顔に少し心に余裕が生まれる。だが、それを遮るかのように周りからの視線が俺を突き刺す。それもそうだ。俺は2匹のボスモンスターをたった1人で倒したのだから。しかし今は関係ない。

 「それで、駆はどのギルドに所属する?」

そういえばあの日に祐介のギルドからは脱退してしまったのだった。

 「いや、俺はソロでいいよ。」

そうだ。俺はもうギルドには入らない。それもあの日に決めたのだ。

 「そうなんだ。少し残念だけどわかったよ!」

祐介の物分かりの良さは凄く助かる。

ザッ!ザッ!

揃った足音と重装備が擦れる音が耳をつんざく。奴らだ。

 「皆さん。この度はエリア3のボス討伐に集まっていただきありがとうございます。」

辺りがざわめく。それもそうだ。今挨拶をした翡翠の騎士団の幹部らしき人物から発せられた声は紛れもなく女の声だったからだ。分厚い頭装備をしていて顔は見えないが明らかにあのぶかぶかの装備は完全に女の体型から生まれたものだった。だが、そんな事は関係ない。死ぬ時は男でも女でも関係なく死ぬ。

 「そういえばあの女の人って翡翠の騎士団の副団長なんでしょ?」

隣で祐介が俺に囁いてきた。あれが副団長?まさかな。そんなことを考えていると鋭い言葉が飛ぶ。

 「私は女ではありますが最強ギルド、翡翠の騎士団の副団長を任されています。その意味がわかりますね?」

はい。わかります。ていうか、本当に怖い。なんていうか冷徹なあの眼差しに殺されそうだ。なんて考えながら俺はボス戦の事を想像していた。きっとすぐにボス戦は終わってしまうだろう。こんなに凄い面々が揃っているのだから。そう思いながら副団長の指示を聞いていた。

だが、俺の考えは思わぬ方向に向かっていた。
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