11 / 33
第二章
10 彼の飼っているペット2
そのままノアがベッドに横になろうとすると、傍らに絵本が転がっているのが視界に入った。小さい頃に、マティアスが一緒に読んでくれた絵本だ。すっかりボロボロになってしまっている。どうやらヴェイルが手慰みに読み散らかしていたようだ。彼は人外の存在のくせに、普通に文字が読めるらしい。案外人間臭くて面白い奴だ。
「……それ、子ども向けの絵本なのに、今の王家に忖度してるし、偏った思想の入ったとんでもない内容だな。相変わらず嘘っぱちだらけだ。光属性持ちだからって善人とは限らない。逆もまた然りだ。……ノア、気にすんなよ」
「別に。特に何とも思っていないが。お前、兄さんと同じこと言うんだな」
「……」
ヴェイルはなぜか無言に徹した。
絵本は、光属性の勇者が仲間と共に旅をして最後に魔王を討伐するというよくある冒険譚だった。旅の途中で勇者は信じていた仲間に裏切られる。裏切るのは勇者の幼馴染で闇属性の魔術師だ。実は魔術師は魔王の手下だったという設定。闇堕ちした魔術師は人々を洗脳し国を混乱に陥れるが、最終的に勇者に粛清される。王道の勧善懲悪ストーリーだ。
この絵本に限らず、闇属性持ちが出てくると大抵裏切り者か悪役かで扱いが酷い。
この絵本を読んで、ノアの兄は激怒していた。光属性の勇者側、つまり勇者の末裔とされている現在の王家に都合の良い設定のオンパレードで、闇属性の魔術師側の描写は極端に悪辣に描かれている。これでは闇属性持ちへの差別意識が助長されるだけだ。兄は義憤に燃えていた。その根底には生来の闇属性持ちの弟であるノアに対する愛情があったのだろう。
兄マティアスが行方不明になってから一年が経とうとしていた。最初の頃こそ捜索隊が出たり報奨金の話が出たりしたが、次第にそれは落ち着いていった。
兄は兄なりに何処かで活躍しているのだろうか。それとも異界で眠っているのであろうか。苦しんでいなければ良い。毎晩、寝る前にそう想いを馳せる。兄はきっとどこかで生きている。そう信じなければ気が狂いそうだった。
公爵領地内における次期当主に据えるべき人材の話題がいずれ持ち上がる。そうすればノアにとっては針の筵だ。ノアは周囲に闇属性持ちであることを隠している。知れ渡ればどうなるのか想像に難くない。むしろ自分が父の実子でないことは、逆に幸いだ。公爵家の後継となれない正統な理由となる。
「……そもそも、魔王の手下が全員闇属性持ちで悪だって考え方がおかしいよな。物語でも、意外な奴が裏切り者っていうのが定番だろ?本当は光属性持ちのやつこそが魔王の仲間だったりさあ。まあ、ただ光属性持ちの王家の世間一般的な清廉なイメージの手前、絶対に伏せないといけない情報だったんだろうな。クソくだらねえ」
ベッドの上でブツブツ意味不明な文句を垂れ流しているヴェイルを、ノアは無理矢理抱き寄せた。この大きくて暖かい体温が今はとても心地好い。兄がいなくなった今、孤独なノアの心を埋めてくれる唯一の存在だ。ヴェイルも特に嫌がることもなくおとなしくノアに身を預けている。
「あ、忘れてた」
ヴェイルに抱きついたまま微睡んでいると、不意にヴェイルがノアから離れ身を起こした。ノアが不満気な視線を向けたときには、彼は人型に姿を変えているところだった。
白銀の毛並みがフワフワと宙に舞いながら霧散し、代わりに現れたのは、艶のある雪色の髪を無造作にまとめた端正な顔立ちの青年だ。
今ではもう見慣れたが、はじめてヴェイルが人型になったときは心臓が止まるかと錯覚する程驚いたものだ。ノアから見た彼は、行方不明となっているノアの兄マティアスの生まれ変わりかと見紛う程、兄と瓜二つの容姿だったのだから。容姿で違うのは、魔族の証である深紅の瞳くらいだ。しかも声までそっくりなんだから、ノアの大混乱は暫く続いた。
ヴェイル曰く、彼の見た目はノアの願望や好みが反映された結果なのだそうだ。それが真実であれば、かなり恥ずかしい。ノアが兄を切実に欲している証拠だからだ。
とはいえヴェイルが人型になるのは稀なので、普段は犬または狼の姿のヴェイルの方にノアも親しみを感じている。
「心配かけてノアを泣かせてしまったからな。約束通りヨシヨシしてやる。ほら、こっち来い」
ベッドに横たわったヴェイルが笑顔で両手を広げる。黙っていれば、高潔で近寄りがたい美貌の持ち主であるのに、口が悪いし態度も悪い。中身は兄とは似ても似つかない。
「……泣いてない。子ども扱いするな」
「正真正銘ガキのくせに何強がってんだ」
ヴェイルが笑いながら、ノアを腕の中に招き入れる。されるがままに身を任せると彼は優しく髪を撫でてくれた。大きな掌で頭を撫でられてノアは満更でもない気分になる。かつて兄がしてくれた優しい仕草を思い出してしまい、ノアの胸の奥がキュッと締め付けられた。反射的に身を固くしてしまう。
「……お前から見た俺の姿は、お前の兄貴にそっくりなんだろ?普通にマティアスの身代わりとして俺を利用していいんだぞ。俺はお前になら、利用されたところで文句言わないぞ」
ノアの心を見透かしたような言葉が降ってきた。思わずムッとする。
「兄さんは唯一無二の特別な存在なんだ。お前と違って人格者で優しくて俺の憧れの人なんだ。代わりになんてなれない」
「……あ~ハイハイ。そういやそうだったなあ」
ノアの勢いに面倒臭くなったのか、ヴェイルは適当に返事をしてくる。それでもノアの頭を撫でる手は優しい。温かくて大きな手。兄に抱きしめられていた日々は遥か遠い過去のように思えた。
「……ヴェイル。お前、もう今日みたいな無茶なことするなよ?別に俺が闇属性だって世間に晒されたところで死ぬわけじゃなし。サミュエル殿下が居なかったら、今回は最悪の結末になったかもしれんのだぞ」
ノアは改めて忠告した。心配させるな。そう伝えればヴェイルは困ったように笑った。わかってるのかどうか怪しい奴だ。こちらは本気で怒っているというのに。
「……奴に助けてもらわなくても、自分で対処できたけどなあ」
「嘘だ。お前、居なくなるつもりだったんだろ?」
「自分から居なくなることはしないぞ?ノアが俺を飼育放棄して、もう必要なくなったら別だけどな」
冗談めかした声音だったが本気だと思った。兄だけでなくヴェイルまで自分の傍からいなくなったら、ノアは耐えられない。ノアは思わずヴェイルの背中に腕を回し、逃さないように強く抱きしめてしまう。
「俺がお前を自分から捨てるなんてあり得ない。勝手にいなくなったら許さないからな」
「……そんなふうにご主人様に命令されたら、逃げられないなあ」
ヴェイルの言葉には苦笑が含まれていたが、ノアは絶対にヴェイルを逃がすつもりはなかった。もし、ノアが自由な身であったならば、迷いなくヴェイルに契約印を刻みつけていただろう。永遠に失わないために。
「……お前の心の傷、抉って悪かったな。俺は黙っていなくなったりしない。約束する」
「当然だ。……絶対にだぞ」
「ああ」
互いの体温を分け合うように密着していると次第に瞼が重たくなってくる。抗えない睡魔に襲われながらも、ノアはヴェイルに尋ねた。
「……なあ、魔力補給するか?」
自分が唯一ヴェイルに与えられるもの。彼にしがみつき目を閉じたままノアが尋ねると、ヴェイルは少しばかり逡巡した後で首を横に振った。
「あの腹黒王子の魔力を上書きしたい気もするが、今日は必要ない。ノア、疲れてるだろ。早く休んだ方がいい。つか既に寝そうだな」
腹黒王子とはサミュエル王子のことだろうか。不敬極まりないので叱責しようと口を開きかけたが、瞼が重くて意識を保つことが難しくなる。頭を撫でるヴェイルの手の動きは緩やかで心地好い。無性に懐かしくて恋しい。かつての兄との穏やかな生活を彷彿とさせるような幸せな時間を噛み締めながら、ノアは眠りに落ちていった。
自分に抱き着いたまま無防備に眠るノアを起こさないように、注意深くヴェイルは上体を起こした。傍らに転がっていた忌々しい絵本を視界の隅に捉えて、思わず顔を顰める。
ノアが、今は『マティアス』の代わりに『ヴェイル』に依存していることは百も承知だ。恐らく兄には出せなかった本音も自分には曝け出してくれている気がする。この状態のまま、いつか自分が消えればノアは今度こそ崩壊してしまうかもしれない。
「……こんなはずじゃ、なかったんだがなあ」
もともと遠くから少しだけ様子を窺うつもりで、ノアに直接接触するつもりはなかった。予定外にも程がある。ただ一人寂しくなる夜が来る度に、兄を求め絶望に打ちひしがれている小さな少年をこのまま置いていけないと、ズルズル世話を焼いているうちに抜け出せなくなってしまった。結果としてかなり深入りしてしまった。
ノアを騙している罪悪感は常にある。今さらだが、真実を知ったとき、ノアが己を赦す可能性は限りなく低くゼロに等しいだろう。下手したら一生赦されないかもしれない。ノアとの接触を減らし、早く離れるべきなのだ。頭では理解しているのだが、まだ行動に移せそうになかった。
闇夜を纏うような黒い艶やかな髪と長い睫毛の影が落ちるノアの整った顔を、ヴェイルは飽きることなく眺めていた。
「……それ、子ども向けの絵本なのに、今の王家に忖度してるし、偏った思想の入ったとんでもない内容だな。相変わらず嘘っぱちだらけだ。光属性持ちだからって善人とは限らない。逆もまた然りだ。……ノア、気にすんなよ」
「別に。特に何とも思っていないが。お前、兄さんと同じこと言うんだな」
「……」
ヴェイルはなぜか無言に徹した。
絵本は、光属性の勇者が仲間と共に旅をして最後に魔王を討伐するというよくある冒険譚だった。旅の途中で勇者は信じていた仲間に裏切られる。裏切るのは勇者の幼馴染で闇属性の魔術師だ。実は魔術師は魔王の手下だったという設定。闇堕ちした魔術師は人々を洗脳し国を混乱に陥れるが、最終的に勇者に粛清される。王道の勧善懲悪ストーリーだ。
この絵本に限らず、闇属性持ちが出てくると大抵裏切り者か悪役かで扱いが酷い。
この絵本を読んで、ノアの兄は激怒していた。光属性の勇者側、つまり勇者の末裔とされている現在の王家に都合の良い設定のオンパレードで、闇属性の魔術師側の描写は極端に悪辣に描かれている。これでは闇属性持ちへの差別意識が助長されるだけだ。兄は義憤に燃えていた。その根底には生来の闇属性持ちの弟であるノアに対する愛情があったのだろう。
兄マティアスが行方不明になってから一年が経とうとしていた。最初の頃こそ捜索隊が出たり報奨金の話が出たりしたが、次第にそれは落ち着いていった。
兄は兄なりに何処かで活躍しているのだろうか。それとも異界で眠っているのであろうか。苦しんでいなければ良い。毎晩、寝る前にそう想いを馳せる。兄はきっとどこかで生きている。そう信じなければ気が狂いそうだった。
公爵領地内における次期当主に据えるべき人材の話題がいずれ持ち上がる。そうすればノアにとっては針の筵だ。ノアは周囲に闇属性持ちであることを隠している。知れ渡ればどうなるのか想像に難くない。むしろ自分が父の実子でないことは、逆に幸いだ。公爵家の後継となれない正統な理由となる。
「……そもそも、魔王の手下が全員闇属性持ちで悪だって考え方がおかしいよな。物語でも、意外な奴が裏切り者っていうのが定番だろ?本当は光属性持ちのやつこそが魔王の仲間だったりさあ。まあ、ただ光属性持ちの王家の世間一般的な清廉なイメージの手前、絶対に伏せないといけない情報だったんだろうな。クソくだらねえ」
ベッドの上でブツブツ意味不明な文句を垂れ流しているヴェイルを、ノアは無理矢理抱き寄せた。この大きくて暖かい体温が今はとても心地好い。兄がいなくなった今、孤独なノアの心を埋めてくれる唯一の存在だ。ヴェイルも特に嫌がることもなくおとなしくノアに身を預けている。
「あ、忘れてた」
ヴェイルに抱きついたまま微睡んでいると、不意にヴェイルがノアから離れ身を起こした。ノアが不満気な視線を向けたときには、彼は人型に姿を変えているところだった。
白銀の毛並みがフワフワと宙に舞いながら霧散し、代わりに現れたのは、艶のある雪色の髪を無造作にまとめた端正な顔立ちの青年だ。
今ではもう見慣れたが、はじめてヴェイルが人型になったときは心臓が止まるかと錯覚する程驚いたものだ。ノアから見た彼は、行方不明となっているノアの兄マティアスの生まれ変わりかと見紛う程、兄と瓜二つの容姿だったのだから。容姿で違うのは、魔族の証である深紅の瞳くらいだ。しかも声までそっくりなんだから、ノアの大混乱は暫く続いた。
ヴェイル曰く、彼の見た目はノアの願望や好みが反映された結果なのだそうだ。それが真実であれば、かなり恥ずかしい。ノアが兄を切実に欲している証拠だからだ。
とはいえヴェイルが人型になるのは稀なので、普段は犬または狼の姿のヴェイルの方にノアも親しみを感じている。
「心配かけてノアを泣かせてしまったからな。約束通りヨシヨシしてやる。ほら、こっち来い」
ベッドに横たわったヴェイルが笑顔で両手を広げる。黙っていれば、高潔で近寄りがたい美貌の持ち主であるのに、口が悪いし態度も悪い。中身は兄とは似ても似つかない。
「……泣いてない。子ども扱いするな」
「正真正銘ガキのくせに何強がってんだ」
ヴェイルが笑いながら、ノアを腕の中に招き入れる。されるがままに身を任せると彼は優しく髪を撫でてくれた。大きな掌で頭を撫でられてノアは満更でもない気分になる。かつて兄がしてくれた優しい仕草を思い出してしまい、ノアの胸の奥がキュッと締め付けられた。反射的に身を固くしてしまう。
「……お前から見た俺の姿は、お前の兄貴にそっくりなんだろ?普通にマティアスの身代わりとして俺を利用していいんだぞ。俺はお前になら、利用されたところで文句言わないぞ」
ノアの心を見透かしたような言葉が降ってきた。思わずムッとする。
「兄さんは唯一無二の特別な存在なんだ。お前と違って人格者で優しくて俺の憧れの人なんだ。代わりになんてなれない」
「……あ~ハイハイ。そういやそうだったなあ」
ノアの勢いに面倒臭くなったのか、ヴェイルは適当に返事をしてくる。それでもノアの頭を撫でる手は優しい。温かくて大きな手。兄に抱きしめられていた日々は遥か遠い過去のように思えた。
「……ヴェイル。お前、もう今日みたいな無茶なことするなよ?別に俺が闇属性だって世間に晒されたところで死ぬわけじゃなし。サミュエル殿下が居なかったら、今回は最悪の結末になったかもしれんのだぞ」
ノアは改めて忠告した。心配させるな。そう伝えればヴェイルは困ったように笑った。わかってるのかどうか怪しい奴だ。こちらは本気で怒っているというのに。
「……奴に助けてもらわなくても、自分で対処できたけどなあ」
「嘘だ。お前、居なくなるつもりだったんだろ?」
「自分から居なくなることはしないぞ?ノアが俺を飼育放棄して、もう必要なくなったら別だけどな」
冗談めかした声音だったが本気だと思った。兄だけでなくヴェイルまで自分の傍からいなくなったら、ノアは耐えられない。ノアは思わずヴェイルの背中に腕を回し、逃さないように強く抱きしめてしまう。
「俺がお前を自分から捨てるなんてあり得ない。勝手にいなくなったら許さないからな」
「……そんなふうにご主人様に命令されたら、逃げられないなあ」
ヴェイルの言葉には苦笑が含まれていたが、ノアは絶対にヴェイルを逃がすつもりはなかった。もし、ノアが自由な身であったならば、迷いなくヴェイルに契約印を刻みつけていただろう。永遠に失わないために。
「……お前の心の傷、抉って悪かったな。俺は黙っていなくなったりしない。約束する」
「当然だ。……絶対にだぞ」
「ああ」
互いの体温を分け合うように密着していると次第に瞼が重たくなってくる。抗えない睡魔に襲われながらも、ノアはヴェイルに尋ねた。
「……なあ、魔力補給するか?」
自分が唯一ヴェイルに与えられるもの。彼にしがみつき目を閉じたままノアが尋ねると、ヴェイルは少しばかり逡巡した後で首を横に振った。
「あの腹黒王子の魔力を上書きしたい気もするが、今日は必要ない。ノア、疲れてるだろ。早く休んだ方がいい。つか既に寝そうだな」
腹黒王子とはサミュエル王子のことだろうか。不敬極まりないので叱責しようと口を開きかけたが、瞼が重くて意識を保つことが難しくなる。頭を撫でるヴェイルの手の動きは緩やかで心地好い。無性に懐かしくて恋しい。かつての兄との穏やかな生活を彷彿とさせるような幸せな時間を噛み締めながら、ノアは眠りに落ちていった。
自分に抱き着いたまま無防備に眠るノアを起こさないように、注意深くヴェイルは上体を起こした。傍らに転がっていた忌々しい絵本を視界の隅に捉えて、思わず顔を顰める。
ノアが、今は『マティアス』の代わりに『ヴェイル』に依存していることは百も承知だ。恐らく兄には出せなかった本音も自分には曝け出してくれている気がする。この状態のまま、いつか自分が消えればノアは今度こそ崩壊してしまうかもしれない。
「……こんなはずじゃ、なかったんだがなあ」
もともと遠くから少しだけ様子を窺うつもりで、ノアに直接接触するつもりはなかった。予定外にも程がある。ただ一人寂しくなる夜が来る度に、兄を求め絶望に打ちひしがれている小さな少年をこのまま置いていけないと、ズルズル世話を焼いているうちに抜け出せなくなってしまった。結果としてかなり深入りしてしまった。
ノアを騙している罪悪感は常にある。今さらだが、真実を知ったとき、ノアが己を赦す可能性は限りなく低くゼロに等しいだろう。下手したら一生赦されないかもしれない。ノアとの接触を減らし、早く離れるべきなのだ。頭では理解しているのだが、まだ行動に移せそうになかった。
闇夜を纏うような黒い艶やかな髪と長い睫毛の影が落ちるノアの整った顔を、ヴェイルは飽きることなく眺めていた。
あなたにおすすめの小説
妹に婚約者を取られるなんてよくある話
龍の御寮さん
BL
ノエルは義母と妹をひいきする父の代わりに子爵家を支えていた。
そんなノエルの心のよりどころは婚約者のトマスだけだったが、仕事ばかりのノエルより明るくて甘え上手な妹キーラといるほうが楽しそうなトマス。
結婚したら搾取されるだけの家から出ていけると思っていたのに、父からトマスの婚約者は妹と交換すると告げられる。そしてノエルには父たちを養うためにずっと子爵家で働き続けることを求められた。
さすがのノエルもついに我慢できず、事業を片付け、資産を持って家出する。
家族と婚約者に見切りをつけたノエルを慌てて追いかける婚約者や家族。
いろんな事件に巻き込まれながらも幸せになっていくノエルの物語。
*ご都合主義です
*更新は不定期です。複数話更新する日とできない日との差がありますm(__)m
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
婚約破棄された公爵令嬢は冤罪で地下牢へ、前世の記憶を思い出したので、スキル引きこもりを使って王子たちに復讐します!
山田 バルス
ファンタジー
王宮大広間は春の祝宴で黄金色に輝き、各地の貴族たちの笑い声と音楽で満ちていた。しかしその中心で、空気を切り裂くように響いたのは、第1王子アルベルトの声だった。
「ローゼ・フォン・エルンスト! おまえとの婚約は、今日をもって破棄する!」
周囲の視線が一斉にローゼに注がれ、彼女は凍りついた。「……は?」唇からもれる言葉は震え、理解できないまま広間のざわめきが広がっていく。幼い頃から王子の隣で育ち、未来の王妃として教育を受けてきたローゼ――その誇り高き公爵令嬢が、今まさに公開の場で突き放されたのだ。
アルベルトは勝ち誇る笑みを浮かべ、隣に立つ淡いピンク髪の少女ミーアを差し置き、「おれはこの天使を選ぶ」と宣言した。ミーアは目を潤ませ、か細い声で応じる。取り巻きの貴族たちも次々にローゼの罪を指摘し、アーサーやマッスルといった証人が証言を加えることで、非難の声は広間を震わせた。
ローゼは必死に抗う。「わたしは何もしていない……」だが、王子の視線と群衆の圧力の前に言葉は届かない。アルベルトは公然と彼女を罪人扱いし、地下牢への収監を命じる。近衛兵に両腕を拘束され、引きずられるローゼ。広間には王子を讃える喝采と、哀れむ視線だけが残った。
その孤立無援の絶望の中で、ローゼの胸にかすかな光がともる。それは前世の記憶――ブラック企業で心身をすり減らし、引きこもりとなった過去の記憶だった。地下牢という絶望的な空間が、彼女の心に小さな希望を芽生えさせる。
そして――スキル《引きこもり》が発動する兆しを見せた。絶望の牢獄は、ローゼにとって新たな力を得る場となる。《マイルーム》が呼び出され、誰にも侵入されない自分だけの聖域が生まれる。泣き崩れる心に、未来への決意が灯る。ここから、ローゼの再起と逆転の物語が始まるのだった。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
新しい道を歩み始めた貴方へ
mahiro
BL
今から14年前、関係を秘密にしていた恋人が俺の存在を忘れた。
そのことにショックを受けたが、彼の家族や友人たちが集まりかけている中で、いつまでもその場に居座り続けるわけにはいかず去ることにした。
その後、恋人は訳あってその地を離れることとなり、俺のことを忘れたまま去って行った。
あれから恋人とは一度も会っておらず、月日が経っていた。
あるとき、いつものように仕事場に向かっているといきなり真上に明るい光が降ってきて……?
※沢山のお気に入り登録ありがとうございます。深く感謝申し上げます。
『偽物の番』だと捨てられた不憫な第三王子、隣国の冷徹皇帝に拾われて真実の愛を教え込まれる
レイ
BL
「出来損ない」と捨てられた場所は、私の居場所ではありませんでした。
ラングリス王国の第三王子・フィオーレは、王族の証である『聖種の紋様』が現れなかったことで「偽物の番」と罵られ、雪降る国境へと追放される。
死を覚悟した彼の前に現れたのは、隣国アイゼン帝国の「冷徹皇帝」ヴォルフラムだった。
婚約者に会いに行ったらば
龍の御寮さん
BL
王都で暮らす婚約者レオンのもとへと会いに行ったミシェル。
そこで見たのは、レオンをお父さんと呼ぶ子供と仲良さそうに並ぶ女性の姿。
ショックでその場を逃げ出したミシェルは――
何とか弁解しようするレオンとなぜか記憶を失ったミシェル。
そこには何やら事件も絡んできて?
傷つけられたミシェルが幸せになるまでのお話です。