僕が勇者に殺された件。

フジミサヤ

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第3章

25 恋文と指南書

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 最近のルカはよく図書館に通っている。学園の図書館には、当たり前だが古今東西あらゆる分野の魔術書が置いてあり、その蔵書数も普通の書店とは桁違いだ。
 ルカは魔術史や語学など、学科関係の授業はそこまで苦ではない。ただ、実技の授業は何故か酷い。壊滅的だ。一応、一級魔術師の資格持ちなのだが、もう一度書く。壊滅的だ。

 実技演習でいつも組ませられるノアから「へたくそが!」と冷たく罵倒され続けている。そんなに言うなら一人で練習するから放っておいて欲しいと告げるのだが、「貴様のような落ちこぼれを見捨てたとあっては、俺の面目が立たぬ」と、ノアは何かと理由をつけてルカと組み続け、『指導』と銘打ったルカへの厳しい言葉の嵐を容赦なくぶつけてくる。前世と同じだ。何故自分に構うのか、意味が分からない。

 ルカは授業以外では魔術を使える。なのに授業中は魔術が発動しない。

 理由はすぐに分かった。魔力の使い方が違うのだ。最近のトレンドは自然界の力をそのまま借りる方法が主流で、自分の魔力は発動条件の補助的役割に徹する。この場合、魔力量がそれほど多くなくてもわりと大規模な魔術が使える。

 ルカは、自然界の力を魔術を編む要素として使うことはするが、自分の中に取り込んだりせず、あくまで自分の魔力のみで発動させる。恐らくそれが元凶だ。
  
 前世では教科書をいじめっ子に燃やされてしまったので、そう言った事情は分からなかった。
 ご主人様の城の書庫にも大量の魔術書があったが、古代魔術が中心で現代の魔術書はほとんどなかった。そもそも闇属性の魔術は禁術扱いのものが多く、古代魔術に分類される。ルカの魔術の発動方法は古代魔術に近いやり方だった。
 いろいろと試行錯誤してみたが、今流行りのやり方は、ルカにあわないということがようやく分かった。魔素を取り込むとルカは具合が悪くなってしまう。
 しかし、このままではルカは落ちこぼれのままだ。

(となると、ごまかすしかないけど……)

 ルカがいくつか気になる魔術書を借りようと手に取った時だった。




「やっと見つけたわ!!」

 突然声をかけられ顔を上げると、そこには見事な縦ロールを2つ下げた美少女が仁王立ちしていた。
 ルカの天敵その2、カロリーナである。

 カロリーナは、大仰に溜め息をつき、ルカを憐れみを込めた目で見下ろしながら、口を開いた。

「貴方、聞いたわよ。飛行術を学ぶ授業で、地面スレスレの低空飛行どころか地べたに這いつくばってたんですってね?実践魔術は壊滅的なんですって?その程度の実力で、この私に張り合い、サミュエル殿下に色目を使おうだなんて烏滸がましいにも程があるわ。身の程をわきまえなさい!!」

 人差し指を突き立て、いきなり説教してくるカロリーナに、ルカはぱちくりと瞳を瞬かせた。前半はともかく、後半は言いがかりである。

「サミュエル殿下がお優しいからと言って、調子に乗らないことね。まあ、コテンパンに叩きのめして差し上げますから、覚悟なさ……」
「お嬢様」
 ノリノリでルカを罵倒していたカロリーナだったが、突然背後から声をかけられてピシッと固まる。

「な、何よ」
「図書館ではお静かに」
 
 淡々とした口調で告げたのは、彼女に何故か付き従っているらしいシモンだ。またもや片手に砂糖菓子らしきものを握り締めている。甘いものがないと死ぬ人なのかもしれない。

「悪役令嬢ごっこをするために彼を探していた訳ではないでしょう?早く用件を済まされては?」
「わ、分かってるわよ」

 シモンに急かされ、カロリーナは我に返ったように慌ててルカに向き直った。

「シモン、この者に渡して頂戴」
 カロリーナはシモンに手紙のような物を手渡すと、視線でルカに合図をした。

「……ご自身でお渡しになればよろしいのに」
 シモンは溜め息をつきながら、その手紙をルカに差し出した。手紙を受け取ったルカは首を傾げた。何の変哲もない普通の封筒に見えるが、何か魔力を感じる。

「何ですか?これ」
「わたくしからの招待状ですわ!三日後に魔術対決を行います。場所は訓練場よ。既に教師陣からの許可も得ています。公爵家の者と勝負出来ることを有り難く思いなさい。あなたに拒否権はなくてよ!せいぜい、震えながら来ることね!!」

 カロリーナはルカにびしっと指を突きつけた。そして、高笑いしながら踵を返して去っていく。
 後に残されたシモンが苦笑いしている。

「いつもお嬢様が申し訳なく。それは熱烈な恋文とでも思っていただければ……」
「いや、『果し状』って書いてますけど」
 ルカは冷静にツッコんだ。

「まあ、似たようなものです」とシモンはにっこり微笑んでいたが、ふとルカが手にしていた書物に視線を向けた。

「……それは、スペンサー博士の学術書ですね。禁忌の魔術を扱っているとかで、今は廃版になってるものですが、闇属性の魔術に興味が?」
 シモンがルカの手元を覗き込み、興味深そうに瞳を輝かせている。

「あ、はい。ちょっと気になったので……」
 ルカは曖昧に頷く。

 今世でレオを養子にしたクライヴ・スペンサーは、闇属性の魔術の研究者だ。ご主人様の城の書庫には彼の著書は一冊もなかった。もっとも、ルカは前世のことを思えば気分が悪くなるので見向きもしなかったとは思うが。
 今は別の意味で、ルカは彼のことを調べるつもりだった。

 ルカは、入学式の日、魔物が襲ってきたときに地面に描かれていた魔法陣の術式が気になっていた。恐らく召喚術の一種だと思うのだが、犯人は一体、何を呼び出そうとしていたのだろうか。 



「闇属性持ちの人間は忌避されやすい傾向にありますが、スペンサー博士は闇属性持ちの人に制御の方法や魔術の使い方を指南する活動もしていましたよ。彼は、闇属性持ちが迫害されやすい現状に心を痛めていたようです。……今は、残念ながら何処にいるのか分かりませんが」

 シモンはルカの持つ本に視線を落としながら呟いた。ルカは白けた表情でシモンを見返す。
 クライヴは外面が良かったので、世間一般には善人を演じていたようだ。前世ではルカも周囲からその境遇を羨ましがられた。

「……詳しいんですね」
「ええ。私も少し研究していたので。ところでルカさん、先日から気になってたのですが……」
 シモンはにっこり微笑み、ルカに顔を近付けて耳元で囁いた。
 

「あなたから、闇属性の魔力を感じるのですが」
 ルカは、一瞬ギクリとした。

「……ききき、気のせいっ、でちゅよ!」
 思わず噛んでしまった。動揺し過ぎである。

「そうですか?昔の記憶が曖昧だったりしませんか?身近な方で、闇属性の魔力を持つ方はいなかったですか?」
「お、覚えてまちぇん!」

 ルカは首をブンブン横に振りながら、必死にしらばっくれる。前世の記憶は曖昧だが、そんなことを言ったら変人扱いされるに違いない。
 シモンはルカをしばらくじっと見つめていたが、やがて小さく笑いを溢した。

「……そうですか。では、私の思い過ごしですね。記憶操作をされた痕跡があるように感じまして」
「え?」
 ルカは目を瞬いた。予想外のことを言われたからだ。

「あ、いえ、そんな気がしただけです。お気になさらず」
 シモンは誤魔化すように微笑んだ。

「……あと、ルカさんに贈り物があるんです。そのうち必要になるかと思いますので、受け取ってください」
 シモンは急に話を変えると、ルカに分厚い本を手渡した。

「何ですか?これ」
「指南書です」

 シモンは笑顔だが、有無を言わせぬ迫力でルカに本を押し付けてくる。

「内容について分からないことがあれば、サミュエル殿下でも、オスカーでも構いませんから、お尋ねください。手取り足取り教えてもらえると思いますよ。私が実践でお教えしてもいいのですが、恐らく邪魔が入って殺されそうになり、命の危険が及ぶと思いますので、自重しておきます」

 シモンは笑顔で恐ろしいことを告げてくる。立派な装丁の本なのに、そんなことを言われてしまえば、中身は怖くて見る勇気がない。恐らく魔術書の類いなのだろう。

「あ、あの……最近はノアがいろいろと教えてくれてるので、間に合ってます」
「……は?ノア?え?」

 シモンが笑顔のまま固まった。シモンはファーレンホルスト公爵家に仕えているらしいから、当然公爵家子息であるノアのことはよく知っているだろう。しかし、ルカとノアの接点が分からないようで戸惑っているようだ。ルカは一応シモンに現状の説明をはじめる。

「ノアと僕はクラスメイトなんですけど、僕は今毎日のようにノアに指導を受けながら『へたくそ』だの『やる気あるのか』とか、まあいろいろ言われてて……。根気強く実践で教えてくれているのに、上手くできない僕が悪いんですけど」

 魔術を上手く発動させられないルカは、よくノアに叱咤されている。
 恥ずかしそうに俯いてボソボソ告げるルカに、シモンは「ああ、なるほど」と納得して頷いた。

「……下手くそと罵倒されても、健気に奉仕することで、あの高慢ちきなクソガキ……あ、いや、真面目な優等生ノア坊ちゃままで陥落させるとは……。ルカさん、恐ろしい人ですね」

 シモンは真顔で戦慄している。ルカは意味が分からず、首を傾げた。
 
「え?陥落って?」
「いえ、こちらの話です」
 何故か笑顔で誤魔化された。

「ルカさん。三人も相手にするのは大変でしょうが、頑張ってくださいね。……あ、でもほどほどに。刺されない程度に。争いごとが起きないよう願っております」
「ていうか、何の話ですか?」

 不可解な言葉を告げられて、ルカはますます首を傾げた。シモンは「ふふふ」と意味深に微笑みながら静かに去って行った。ルカはシモンから無理矢理手渡された書物を手に、呆然と立ち尽くしていた。

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