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まさに、捨てられた
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「は?汚らわしい!私の作った野菜を運ぶ乗り物に、低級民が乗るなど、ありえませんわ!」
「いえ、でも陛下のご命令で」
「捨てればいいんでしょ?捨てる場所は"外"ならどこでもいいんでしょ?」
外?
女性は男が頷くのを確認してすぐに両手を広げた。
「【大地の力よ、かの異質なる穢れし者を外へと弾き飛ばせ】」
女性が魔法の呪文を唱えると、すぐに私の体は宙に浮き、すごい勢いで畑の上を横切り、街から遠ざかり、そして、何もない土地に落下した。
「いっ」
小さな声が漏れる。
勢いよく背中が地面に叩きつけられ、息が止まる。痛いというよりも苦しい。
頭をぶつけなくてよかったんだろう。意識ははっきりとある。苦しみが少し楽になると、今度は痛みがやってきた。
背中、それから肩……。うー、肋骨は無事かな……。
「ああ……外……か」
地面に寝ころんだまま、視線を動かす。
今いるのは、何もない場所。森でも畑でも草原でもない。そう、荒野といったところか。
そして、視界に移るのは、薄いベールのようなもので囲まれた街。
ベールはなんだろう。バリア?結界?魔法の何か?ベールに囲まれている場所が中で、ベールに囲まれていない荒野が外……なのか。
背中が痛い。
頭を打っていたら死んでたよ。ひどい。傷害罪だよ。殺人未遂だよ。……でも、手も触れてないし、魔法で飛ばされた場合は犯人はどう見つけるんだろう。証拠もないよなぁ。
とか、どうでもいいことを考える。
たぶん、この世界の人間の命はそこまで重くない。立場でどこまでも軽くなる。
魔力ゼロ……低級民と呼ばれる私のような人間は「殺してもいい」部類なのだろう。
空は青い。太陽は一つ。地球と同じだ。だけれど、昼間の月が4つ出ている。太陽のまわりに4つの白い昼の月。
どうしよう。日本に帰りたい。
地面に寝ころんだまま空を見上げる。いいや、正確にいえば、背中の痛みで動けない。かろうじて動かせるのは、足首から下と肘から先と顔。
熱も出るかもしれない。これ、動けるようになるのにどれくらいかかるんだろう。死ぬんじゃないかなぁ……。
日本に帰りたいって思う前に、死にたくないって思わなくちゃだめな状態なんだろうなぁ。
でも、やっぱり……一番心に上がってくる感情は日本に帰りたいだ。
従妹のきららは、すごく嬉しそうだった。男がいれば平気なのかな。私は嫌だ。家族や友人すべてを捨てて一人の男性を選ぶなんて絶対できない。家族と縁を切れというような男は好きになれない……って「やだぁ、男の人から願い下げでしょう。誰も由紀姉さんのこと好きになるわけないじゃない。そりゃ、家族や友達は大切よね、くすくす」と、きららの幻聴が聞こえる。
『おーーーーい』
ん?
==============
ご覧いただきありがとうございます。
こちらの作品はカクヨムにアップしたものの改稿版になります。
カクヨム版もこちらと同じものに順次差し替え予定ですが……。
更新作業差し替え作業共に時間が取れたときになるので、いつになるかは謎です。
改稿前の内容は、従妹が出てきませんでしたが、足してみました。
基本的に主人公はお人よしなので、過激なザマァはありません。
最終的にはハッピーエンド。誰も死なない予定です。
あ、すでに死んでいる人は別です。
物語の性質上、虐げられた人たちの生活描写が少し辛いです。
本文前に注意書きを入れるようにしていきます。
苦手な人にとってはということで、大したことはないと思う人には大したことないかもしれません。
それから、=============ライン以下はあとがきやこのような注意書きなどになります。
これ以降、注意書きは本文前に一言入れるようにしますので、ほぼあとがきになります。
作品にもよりますが、あとがきが多い可能性があります。苦手な方は読み飛ばし推奨。
あとがきを読まないと意味が通じないようなことはありません。
「いえ、でも陛下のご命令で」
「捨てればいいんでしょ?捨てる場所は"外"ならどこでもいいんでしょ?」
外?
女性は男が頷くのを確認してすぐに両手を広げた。
「【大地の力よ、かの異質なる穢れし者を外へと弾き飛ばせ】」
女性が魔法の呪文を唱えると、すぐに私の体は宙に浮き、すごい勢いで畑の上を横切り、街から遠ざかり、そして、何もない土地に落下した。
「いっ」
小さな声が漏れる。
勢いよく背中が地面に叩きつけられ、息が止まる。痛いというよりも苦しい。
頭をぶつけなくてよかったんだろう。意識ははっきりとある。苦しみが少し楽になると、今度は痛みがやってきた。
背中、それから肩……。うー、肋骨は無事かな……。
「ああ……外……か」
地面に寝ころんだまま、視線を動かす。
今いるのは、何もない場所。森でも畑でも草原でもない。そう、荒野といったところか。
そして、視界に移るのは、薄いベールのようなもので囲まれた街。
ベールはなんだろう。バリア?結界?魔法の何か?ベールに囲まれている場所が中で、ベールに囲まれていない荒野が外……なのか。
背中が痛い。
頭を打っていたら死んでたよ。ひどい。傷害罪だよ。殺人未遂だよ。……でも、手も触れてないし、魔法で飛ばされた場合は犯人はどう見つけるんだろう。証拠もないよなぁ。
とか、どうでもいいことを考える。
たぶん、この世界の人間の命はそこまで重くない。立場でどこまでも軽くなる。
魔力ゼロ……低級民と呼ばれる私のような人間は「殺してもいい」部類なのだろう。
空は青い。太陽は一つ。地球と同じだ。だけれど、昼間の月が4つ出ている。太陽のまわりに4つの白い昼の月。
どうしよう。日本に帰りたい。
地面に寝ころんだまま空を見上げる。いいや、正確にいえば、背中の痛みで動けない。かろうじて動かせるのは、足首から下と肘から先と顔。
熱も出るかもしれない。これ、動けるようになるのにどれくらいかかるんだろう。死ぬんじゃないかなぁ……。
日本に帰りたいって思う前に、死にたくないって思わなくちゃだめな状態なんだろうなぁ。
でも、やっぱり……一番心に上がってくる感情は日本に帰りたいだ。
従妹のきららは、すごく嬉しそうだった。男がいれば平気なのかな。私は嫌だ。家族や友人すべてを捨てて一人の男性を選ぶなんて絶対できない。家族と縁を切れというような男は好きになれない……って「やだぁ、男の人から願い下げでしょう。誰も由紀姉さんのこと好きになるわけないじゃない。そりゃ、家族や友達は大切よね、くすくす」と、きららの幻聴が聞こえる。
『おーーーーい』
ん?
==============
ご覧いただきありがとうございます。
こちらの作品はカクヨムにアップしたものの改稿版になります。
カクヨム版もこちらと同じものに順次差し替え予定ですが……。
更新作業差し替え作業共に時間が取れたときになるので、いつになるかは謎です。
改稿前の内容は、従妹が出てきませんでしたが、足してみました。
基本的に主人公はお人よしなので、過激なザマァはありません。
最終的にはハッピーエンド。誰も死なない予定です。
あ、すでに死んでいる人は別です。
物語の性質上、虐げられた人たちの生活描写が少し辛いです。
本文前に注意書きを入れるようにしていきます。
苦手な人にとってはということで、大したことはないと思う人には大したことないかもしれません。
それから、=============ライン以下はあとがきやこのような注意書きなどになります。
これ以降、注意書きは本文前に一言入れるようにしますので、ほぼあとがきになります。
作品にもよりますが、あとがきが多い可能性があります。苦手な方は読み飛ばし推奨。
あとがきを読まないと意味が通じないようなことはありません。
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