婚約破棄しようとする皇太子を手違いで殺してしまった私の一日

富士とまと

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 公爵令嬢レレナは大層美しく成長いたしました。
 10歳のころに、2歳年上の皇太子殿下に見初められ、婚約いたします。

 ……それから5年の月日が経ちました。
「お、お嬢様、大変でございます!皇太子殿下が会いにいらっしゃいました!」
 レレナの侍女があわただしく部屋に駆け込んできた。
「う、嘘っ。会う予定なんてなかったはず!会えるのは嬉しいけれど、準備がっ、ああ、急いで準備をお願いっ私の取り柄は美しさなのだから、ドレス、何を着たら……1時間……もお待たせするわけにはいきませんわね、30分、30分お待ちいただいて!その間に、化粧と、ああ、御願いっみんな私を美しく仕上げてちょうだい!」
 レレナ付きの侍女たちは言われるまでもなく、レレナにふさわしいドレスを選び、すぐさまコルセットでギューギューに締め上げ、同時に化粧係がレレナの美しさを引き立てる化粧を施し、さらには絹糸のように光沢があり美しい金の髪をもう一人が結い上げる。
 わずか20分で、レレナは国一番の美人に仕上がった。
「どこも、おかしくないかしら?殿下に嫌われるようなことはないかしら?」
「レレナお嬢様は今日もお美しいですわ」
「本当?私、見た目以外何もとりえがないどころか、口を開くと貴族らしくない言葉が飛び出してしまうし……ドジだし、空気も読めないし……ううう。自分で言っていて悲しくなったわ……。ああ、だめね。こう表情を動かしてはせっかくの化粧が崩れてしまう。こういうところも貴族らしくないのよね……正直私に王妃など務まるとも思えないけれど……」
「大丈夫ですよ。レレナお嬢様は5か国語を習得していらっしゃいますし、3時間まででしたら大変すばらしく猫をかぶることができますでしょう」
 侍女のマーヤの言葉に少しだけレレナは自信を取り戻した。
「そ、そうよね。皇太子殿下もお忙しい方ですし、王様になればもっと忙しくなるでしょうから、きっと3時間以上私と一緒に過ごしてくださることなどありませんでしょうから……。私、頑張るわ!」
 レレナは皇太子殿下にゾッコンだった。
 黒目黒髪で凛々しい顔つきの殿下。レレナにはない、行動力と決断力、人を引きつける魅力に統率力、それでいて優しさと気遣いのある素敵な方だ。
 それに引き換え自分には欠点ばかりだとレレナは思っていた。
 だから、いつ、婚約を破棄すると言われないかとびくびくしていた。
 完璧な令嬢にならなければ!と必死に色々なことを身につけようとしているものの、勉学は語学以外はサッパリ。
 語学も会話は出来ても文章は読めない状態。
 世界の情勢には疎く、歴史は頭に入らず計算は間違えてばかり……。
 ダンスは5つあるステップのうち、2つしかこなせず。
 立ち振る舞いに関しては姿勢を正していられるのは3時間が限界。それを超えると緊張が続かず背中は曲がり、口元も緩んで半開きになってしまう体たらく。




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あっというまに終わるはずの物語。
楽しんでいただけると嬉しいです。
ざまぁではなくて、主人公がひたすらから回るだけの物語です。
もちろんハッピーエンド。
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感想 13

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