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レレナは少し悲しい気持ちになった。
「ああでも、この状態の言い訳……言い訳。そうだわ。私が殿下と別れたくなくて、殿下に迫ったということにすれば誤解は解けるのではないでしょうか?そうですわよね。私が殿下のことを好きすぎて思わず押し倒した……いえ、押し倒されようとしたということに……」
こそりと私の上に覆いかぶさっている殿下が少し動いた気がします。
「殿下?意識が戻りましたか?」
侍女の言葉を思い出す。24時間の間に何度か目が覚めるはずだと。
目がさめたのならば、ベッドへと歩いて移動してもらおう。
殿下が手をついて上半身を浮かせました。
「ああ、殿下……気が付いたのですわね」
いつもの精悍な顔つきをした殿下と表情が違う。
ぼんやりと寝ぼけているかのような表情をしている。
「殿下……そのようなお顔も……」
素敵ですと言おうとして、はっとレレナは口をつぐむ。今意識が戻っている間の記憶はどうなるのだろう。
殿下がもし解毒剤を飲んだ後も、毒に冒されている間のことを覚えているのだとしたらまずい。
「これは……夢……か?どうして、僕の目の前にレレナの顔が……」
夢だと殿下は思っている?
そのことにレレナはほっと息を吐きだした。
もし覚えていたとしても夢だったと思ってもらえれば、多少失態を犯したところでごまかせそうだ。
いや、毒を飲ませてしまったことが大失態なので、いまさら小さな失態を誤魔化しても仕方がないのだとレレナは思い至らなかった。
ただ、最後の最後まで完璧な姿を殿下に見せたいと思ったのだ。
「ええ、殿下……これは夢ですわ」
レレナは笑った。化粧が崩れてしまうのも構わずめいっぱいの笑顔を浮かべた。
夢だと思っているのならば、絶対に夢に違いないと思い込ませた方がいい。
それなら、いつもと違う姿を見せた方が「レレナがこんなふうに笑うはずがない。夢に間違いない」と思ってもらえるに違いない。
珍しくレレナは素早く状況を判断して行動に移した。
いいや、実際は、レレナも夢だと思うことにしたのだ。夢の中のいつもの自分を再現するのであれば難しいことではない。
これは夢。
夢に違いない。
「レレナ……そうか。夢……綺麗だよ、レレナ。夢の中でもとても綺麗だ」
殿下が夢うつつの状態で言葉を発する。
ため息のように漏れるその言葉が、レレナの背筋をぞくぞくとさせる。
ああ、好き。殿下、ちょっとかすれたため息のようなその声が、とてもセクシーで。いつもの良く通る凛々しい声も素敵だけれど、今みたいな声もたまらなく好き!
「ああでも、この状態の言い訳……言い訳。そうだわ。私が殿下と別れたくなくて、殿下に迫ったということにすれば誤解は解けるのではないでしょうか?そうですわよね。私が殿下のことを好きすぎて思わず押し倒した……いえ、押し倒されようとしたということに……」
こそりと私の上に覆いかぶさっている殿下が少し動いた気がします。
「殿下?意識が戻りましたか?」
侍女の言葉を思い出す。24時間の間に何度か目が覚めるはずだと。
目がさめたのならば、ベッドへと歩いて移動してもらおう。
殿下が手をついて上半身を浮かせました。
「ああ、殿下……気が付いたのですわね」
いつもの精悍な顔つきをした殿下と表情が違う。
ぼんやりと寝ぼけているかのような表情をしている。
「殿下……そのようなお顔も……」
素敵ですと言おうとして、はっとレレナは口をつぐむ。今意識が戻っている間の記憶はどうなるのだろう。
殿下がもし解毒剤を飲んだ後も、毒に冒されている間のことを覚えているのだとしたらまずい。
「これは……夢……か?どうして、僕の目の前にレレナの顔が……」
夢だと殿下は思っている?
そのことにレレナはほっと息を吐きだした。
もし覚えていたとしても夢だったと思ってもらえれば、多少失態を犯したところでごまかせそうだ。
いや、毒を飲ませてしまったことが大失態なので、いまさら小さな失態を誤魔化しても仕方がないのだとレレナは思い至らなかった。
ただ、最後の最後まで完璧な姿を殿下に見せたいと思ったのだ。
「ええ、殿下……これは夢ですわ」
レレナは笑った。化粧が崩れてしまうのも構わずめいっぱいの笑顔を浮かべた。
夢だと思っているのならば、絶対に夢に違いないと思い込ませた方がいい。
それなら、いつもと違う姿を見せた方が「レレナがこんなふうに笑うはずがない。夢に間違いない」と思ってもらえるに違いない。
珍しくレレナは素早く状況を判断して行動に移した。
いいや、実際は、レレナも夢だと思うことにしたのだ。夢の中のいつもの自分を再現するのであれば難しいことではない。
これは夢。
夢に違いない。
「レレナ……そうか。夢……綺麗だよ、レレナ。夢の中でもとても綺麗だ」
殿下が夢うつつの状態で言葉を発する。
ため息のように漏れるその言葉が、レレナの背筋をぞくぞくとさせる。
ああ、好き。殿下、ちょっとかすれたため息のようなその声が、とてもセクシーで。いつもの良く通る凛々しい声も素敵だけれど、今みたいな声もたまらなく好き!
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