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145 兄7ベスランお兄様

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 フレッドのパートナーがばてて休憩に入ったようだ。
「相手しようか?」
 もうな、クラスのためなら女子パートを踊ることに全く抵抗が無くなったので、フレッドに手を伸ばした。
「うぐ、リザーク、今日は、やめとく。明日からまた頼む……」
 へ?
 今日はやめとく?
 フレッドの様子がおかしい。なんだよ、もうっ。まだ怒ってんのか?
「んじゃ、俺の相手頼む。リザーク、俺の特訓の成果見せてやるぜ!足運びの優雅さ100パーセントだぜ!」
 ああ、イーヤミー先生に指導されたたあれね。もうものにしたのかな?
 そうそう、曲を奏でている人、かつらやメイク道具を前に、代表選手の合う色やメイクを相談する人、それからイーヤミー先生の授業で習ったステップを復習している人、必死にステップ名を暗記している人。
 みんなそれぞれが、自分にできることを一生懸命してる。
 下手くそだとか、お前なんてやったって無駄だとか、そんな簡単なこともできないのかとか、そんなことを言う人は全くいない。
 ある意味、すごいクラスだよなぁ。よく、こんないいこたちばかり集まったもんだ。いや、違うか。子供は……いつだって変わるチャンスがあるんだ。きっと「やったってダメだ」とか思っていた子もいる。だけど、剣術大会や数学テストの成功体験が皆を成長させたんだ。うん、そうに違いない。
「って!マージ、ステップを優雅にしたからって、この腕の引き!強引すぎるぞ!女性は、剣とは違うんだっ!もっと優しく扱え!」
 よそ見してたら、うっかりマージに振り回された。
 あかん。サーシャとなら、よそ見してたって平気なのに。
「すまん、いや、ついリザーク相手だと……」
「……まさか、剣の稽古みたいな気持ちになってたりしないよな?ったく、もう練習相手してやんないぞ!」
「それは困る、あ、そうだ、かつら、かつらかぶってくれよ!そうしたら、ちょっとはリザーク相手にしてるって思わなくなるかも……な?」
 何が、なっなんだよっ!
 うわ、フレッドのいる方角から、冷気が。ちょ、私は悪くない!マージに怒ってくれ。マージにっ!
「あ、そろそろ帰る時間だ、いつも先にごめん。じゃっ!」
 逃げよう。うん、そうしよう。さらばじゃ!


 あ、でもちゃんと家で練習するからね!
 男パートの練習をするから……いや、しようと思ってるんだけど、指導役するならもっと女パートに磨きをかけたほうがいいかなと思って、今はままぁんに指導を受け続けています。張り切る私に、兄たちもめっちゃ張り切っておりまして……。
「リザベーナと踊るのは僕だ!」
「リザベーナ、次は私と踊ろう」
「リザベーナは僕と踊るんだ!」
「次は俺の番だよな、リザベーナ!」
 えーいっ!家庭内ダンス大会かっ!入れ代わり立ち代わり。
「私、お兄様と踊りたいですわ」
 と、兄7に手を差し伸べる。
 ガーンとうなだれる兄4。
「え?僕でいいの?僕だとリザベーナにリードしてもらわないといけないのに……練習にならないでしょう?」
 ああ、だからお兄様は遠慮してたんだ。いつもは次は僕とと順番に手を伸ばすのに。優しいなぁ兄7。
「ベスランお兄様はのクラスも、ダンス大会に向けて練習に力を入れているのでしょう?」
 兄7が頷いた。

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ども。兄パートに入ります。
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