151 / 159
149 ブルース、ワルツ、クイックルワイパー
しおりを挟む
王子は?マージは?ほかの代表選手は?
こ、これはまずい。実にまずい。
Sクラスの授業を偵察に行った生徒の話では、最もメジャーな曲だった。
大会では3曲踊るはずだ。メジャーな曲ということは、Sクラスは素晴らしいダンスを見せるだろう。他のクラスもそれなりに上手い子はいるだろう。……ってことは、点差を広げるには……踊れない人が多い曲を選ぶのが早いのかもしれない。それほど、Sクラスは勝利に貪欲だとは思わなかった。
って、Sクラスが考えたかどうか知らないけど、誰の作戦なのっ!もうっ!
見てなさい!見てなさい!Fクラスなめんなよ!
「お兄様、あとはなんの曲を練習しているのですか?」
兄6の胸倉をつかんで揺さぶる。
おっと、失礼。つい、男のときの仕草が……てへぺろ。って、兄6歓んじゃだめ、妹につかみかかられて歓んじゃだめ!変な性癖覚醒しちゃうからっ!
兄6に情報を聞き出し、兄7と兄6と交互にダンスの練習。
やばいやばいやばい。
他の2曲はいい。
マイナー曲……クイックは……やったことない可能性があってやばい。
次の日は、いつもより30分早く学校についた。
「ほえええええっ」
教室に入ると、もうすでに全員そろってる。
「あれ?僕、遅刻?」
「遅いぞリザーク、もう朝練始まってるぞ!」
あ、朝練?
聞いてないんですけど。
「マージ、朝練が決まったときにはリザークはいなかっただろ」
ぷっとフレッドが笑う。
決まった?朝練?
いや、頑張りすぎじゃないの、皆。でも、嫌いじゃない。
嫌いじゃないし、その努力が少しでも報われるといいなって思う。
「兄から聞いた。皆に話がある」
と、言うと、練習を中断して皆が集まってくれた。
「Fクラスの兄二人に、練習内容を聞いた。たぶん、ダンス大会の3つで間違いがないと思う。ブルース、ワルツ……」
そこまでははダンス経験者は想像していたようで、なるほどと頷いている。
「それから、クイック」
と、最後のダンス種目を口にすると、え?と声が上がった。
「クイックって……」
声を上げたのはフレッドだ。
「踊れるか?」
「まぁ、一通り全部踊れるが、クイックか……」
小さなため息を吐き出す。
「想定外だなぁ」
と。だよね。過去の種目を研究すると、クイックが出るとは思わないよね。
「やったぜ!あれ、楽しいよな!」
マージが、想像通り兄4と同じ反応を示す。体を動かすのが好きな人間向きなんだよな。
テンポが速くて動きが激しいから。優雅に優雅に優雅にって言われることが比較的少ないから。
青い顔をしている代表選手がいる。
「知らない……」
「踊ったことがありません」
あー、やっぱり。
代表10名のうち、3名がアウトか。
経験者だった他の人間も首を横に振る。
「クイックってどんな踊りなんですか?」
というクラスメイトの質問に、手拍子を始める。
こ、これはまずい。実にまずい。
Sクラスの授業を偵察に行った生徒の話では、最もメジャーな曲だった。
大会では3曲踊るはずだ。メジャーな曲ということは、Sクラスは素晴らしいダンスを見せるだろう。他のクラスもそれなりに上手い子はいるだろう。……ってことは、点差を広げるには……踊れない人が多い曲を選ぶのが早いのかもしれない。それほど、Sクラスは勝利に貪欲だとは思わなかった。
って、Sクラスが考えたかどうか知らないけど、誰の作戦なのっ!もうっ!
見てなさい!見てなさい!Fクラスなめんなよ!
「お兄様、あとはなんの曲を練習しているのですか?」
兄6の胸倉をつかんで揺さぶる。
おっと、失礼。つい、男のときの仕草が……てへぺろ。って、兄6歓んじゃだめ、妹につかみかかられて歓んじゃだめ!変な性癖覚醒しちゃうからっ!
兄6に情報を聞き出し、兄7と兄6と交互にダンスの練習。
やばいやばいやばい。
他の2曲はいい。
マイナー曲……クイックは……やったことない可能性があってやばい。
次の日は、いつもより30分早く学校についた。
「ほえええええっ」
教室に入ると、もうすでに全員そろってる。
「あれ?僕、遅刻?」
「遅いぞリザーク、もう朝練始まってるぞ!」
あ、朝練?
聞いてないんですけど。
「マージ、朝練が決まったときにはリザークはいなかっただろ」
ぷっとフレッドが笑う。
決まった?朝練?
いや、頑張りすぎじゃないの、皆。でも、嫌いじゃない。
嫌いじゃないし、その努力が少しでも報われるといいなって思う。
「兄から聞いた。皆に話がある」
と、言うと、練習を中断して皆が集まってくれた。
「Fクラスの兄二人に、練習内容を聞いた。たぶん、ダンス大会の3つで間違いがないと思う。ブルース、ワルツ……」
そこまでははダンス経験者は想像していたようで、なるほどと頷いている。
「それから、クイック」
と、最後のダンス種目を口にすると、え?と声が上がった。
「クイックって……」
声を上げたのはフレッドだ。
「踊れるか?」
「まぁ、一通り全部踊れるが、クイックか……」
小さなため息を吐き出す。
「想定外だなぁ」
と。だよね。過去の種目を研究すると、クイックが出るとは思わないよね。
「やったぜ!あれ、楽しいよな!」
マージが、想像通り兄4と同じ反応を示す。体を動かすのが好きな人間向きなんだよな。
テンポが速くて動きが激しいから。優雅に優雅に優雅にって言われることが比較的少ないから。
青い顔をしている代表選手がいる。
「知らない……」
「踊ったことがありません」
あー、やっぱり。
代表10名のうち、3名がアウトか。
経験者だった他の人間も首を横に振る。
「クイックってどんな踊りなんですか?」
というクラスメイトの質問に、手拍子を始める。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
3,183
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる