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「あ、なるほど」
ならなかったのでもなれなかったでもなく、なりたくなかったのね……。
「騎士を辞めると、爵位も失ってしまうのに、よかったの?」
貴族でも、嫡男以外は次ぐ家がない。次男移行は、貴族令嬢に婿入りするか、騎士になって騎士爵を賜るかしなければ平民になってしまう。
「シャリアは貴族になりたいと思う?」
「え?」
私にとって、貴族になる方法は、家に戻ることが一番早い。
そして、親の探してきた相手と結婚すれば貴族に戻れるだろう。
だけど、そのためにジャンと離れ離れになるなんて絶対に嫌だ。一緒に暮らせたとしても、父親が誰かもわからない連れ子という立場じゃ苦労するのが目に見えてる。
「絶対に、貴族にはなりたくない」
私の怒りを含んだ言葉に、エディが息をのんだ。
「そう……か。その、それは貴族とかかわるのも嫌ってこと?」
不安げに問うエディに、はっとする。
「違うよ、その別に貴族を嫌っているとかでなくて、エディが貴族でも好きだし」
「好き?」
エディが頬を染めた。
「あ、ああああ、その、そういうんでなく」
口からするりと出た言葉に、焦って言い訳をする。
「ジャンもパパしゃんしゅき。だいちゅき」
エディにジャンがぎゅっと抱き着いた。
「僕も、好き」
エディのつぶやきにほほが赤くなる。
私にじゃない、私にじゃない。今のはジャンのことだ。
「僕も、大好きだー!」
エディが大声を上げ、ジャンを高い高いしてソファから立ち上がった。
「きゃっ、きゃっ、たかーい、たかーい、きゃっ」
ジャンが大喜びだ。
ジャンははしゃぎすぎたのか、食事の途中からこっくりこっくりし始め、食事が終わるころにはすっかり眠ってしまった。
「アイシャさん、食事おいしかったです。あの、これ」
エディが食事を終えるとアイシャさんにお金を差し出した。
「1年分の朝食と夕食代です」
アイシャさんがエディが差し出した金貨に視線を落とす。
「1年分かい?食べない日があっても、返金はしないよ」
エディがにこりと笑った。
「問題ありません。毎日来ます」
「そうかい?じゃあ、計算して釣りを」
「必要ありません。その分時々、ジャンの好きなおやつを、僕にも出してください」
エディは寝てしまったジャンを横抱きにしてソファに座っている。いとおしそうにジャンを見つめていた。
「私……分からなくなってきました」
「え?何が?」
「……ジャンを学園に通わせてあげたいと思っていたんです。そのためにお金も貯めないとと思っていて」
貴族の中では男子は当たり前のようにみな学園にかよった。
女子は半数ほどしか通わなくて、私は親に通わなくていいと言われ通っていない。
3割ほどは平民が通う。騎士科で騎士を目指しす者が多いらしい。ほかに文官を目指したり、貴族とのつながりを求めた商人の息子や娘だったりが通うらしい。
姉は学園に通っていた。学園の話を聞いて、うらやましくて、私も通いたかったと、そういう気持ちをジャンに押し付けているのかもしれない。
貴族が7割も通う場所に行って肩身の狭い思いをするかもしれない。
将来騎士になったとしても戦争に行かされて……。
ならなかったのでもなれなかったでもなく、なりたくなかったのね……。
「騎士を辞めると、爵位も失ってしまうのに、よかったの?」
貴族でも、嫡男以外は次ぐ家がない。次男移行は、貴族令嬢に婿入りするか、騎士になって騎士爵を賜るかしなければ平民になってしまう。
「シャリアは貴族になりたいと思う?」
「え?」
私にとって、貴族になる方法は、家に戻ることが一番早い。
そして、親の探してきた相手と結婚すれば貴族に戻れるだろう。
だけど、そのためにジャンと離れ離れになるなんて絶対に嫌だ。一緒に暮らせたとしても、父親が誰かもわからない連れ子という立場じゃ苦労するのが目に見えてる。
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私の怒りを含んだ言葉に、エディが息をのんだ。
「そう……か。その、それは貴族とかかわるのも嫌ってこと?」
不安げに問うエディに、はっとする。
「違うよ、その別に貴族を嫌っているとかでなくて、エディが貴族でも好きだし」
「好き?」
エディが頬を染めた。
「あ、ああああ、その、そういうんでなく」
口からするりと出た言葉に、焦って言い訳をする。
「ジャンもパパしゃんしゅき。だいちゅき」
エディにジャンがぎゅっと抱き着いた。
「僕も、好き」
エディのつぶやきにほほが赤くなる。
私にじゃない、私にじゃない。今のはジャンのことだ。
「僕も、大好きだー!」
エディが大声を上げ、ジャンを高い高いしてソファから立ち上がった。
「きゃっ、きゃっ、たかーい、たかーい、きゃっ」
ジャンが大喜びだ。
ジャンははしゃぎすぎたのか、食事の途中からこっくりこっくりし始め、食事が終わるころにはすっかり眠ってしまった。
「アイシャさん、食事おいしかったです。あの、これ」
エディが食事を終えるとアイシャさんにお金を差し出した。
「1年分の朝食と夕食代です」
アイシャさんがエディが差し出した金貨に視線を落とす。
「1年分かい?食べない日があっても、返金はしないよ」
エディがにこりと笑った。
「問題ありません。毎日来ます」
「そうかい?じゃあ、計算して釣りを」
「必要ありません。その分時々、ジャンの好きなおやつを、僕にも出してください」
エディは寝てしまったジャンを横抱きにしてソファに座っている。いとおしそうにジャンを見つめていた。
「私……分からなくなってきました」
「え?何が?」
「……ジャンを学園に通わせてあげたいと思っていたんです。そのためにお金も貯めないとと思っていて」
貴族の中では男子は当たり前のようにみな学園にかよった。
女子は半数ほどしか通わなくて、私は親に通わなくていいと言われ通っていない。
3割ほどは平民が通う。騎士科で騎士を目指しす者が多いらしい。ほかに文官を目指したり、貴族とのつながりを求めた商人の息子や娘だったりが通うらしい。
姉は学園に通っていた。学園の話を聞いて、うらやましくて、私も通いたかったと、そういう気持ちをジャンに押し付けているのかもしれない。
貴族が7割も通う場所に行って肩身の狭い思いをするかもしれない。
将来騎士になったとしても戦争に行かされて……。
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