年増公爵令嬢は、皇太子に早く婚約破棄されたい

富士とまと

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第七話

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 あ。
 やっぱりそうよね。笑いを必死にこらえている人もいるわよね。
 あれ?男の人が青い顔をして目をそらした。あっちの人も。
 何?そんなに青い顔をするほどおかしなことなのかしら……。
「見るんじゃない、くそ、あいつもかっ。あいつもっ」
 まだ、殿下が何やらぶつぶつ言っている。
「ルイ殿下、踊りませんこと?」
 とにかく、さっさと役目を終えて目立たないように引っ込もう。
 とはいえ、もう目立ちまくったし、引っ込んでもずいぶん印象付けられただろうな。私と殿下……不釣り合いなカップル。
 そう、せめて、殿下と婚約解消したのち「彼女は殿下を立派にサポートした素敵な女性だった」みたいな好印象は残したい。
 本当は隠れてしまいたいけれど、ピンと背筋を伸ばして、優雅な笑みを絶やさずに殿下の手に引かれてダンスホールの中央へと向かう。
 こちらに向けられる視線を感じれば、そっと視線をおくり微笑んでおく。
 ふりまける愛想は惜しまない。
「ちっ、エマリー、誰を見てるの。僕を見てよっ!僕だけを、見てればいいんだよ」
 ん?
「殿下のことはもちろん目に入れても痛くないほどですから、どれだけでも見ますよ」
「くそ、それ、孫に対するばーちゃんのセリフだろっ!」
「え?そうかしら?マリリーはお姉様ありがとう嬉しいって言ってくれたけど」
「うーっ、僕とマリリーを一緒にするの、いい加減やめてくれる?」
 え?
 それって、もしかして……。マリリーよりもかわいがって欲しいって意味かしら?
 10歳と8歳になっても、お姉ちゃんの取り合いを繰り広げてるの?
 ……うう、なんて、私はお姉ちゃん冥利に尽きるのでしょう。
 こうなったら、二人がお互いを意識し始めたら、めっちゃ頑張って仲を取り持つわ!
 そうよ、私、自分のことばかりで何て恥ずかしいことを……。
 私が何歳になろうと、大切なルイ殿下とマリリーが幸せになるならばそれでいいじゃないの。
 ……でも、少し嫌だわ。
 ルイ殿下が成人する15歳までには、流石に男と女という意識は芽生えるでしょう?マリリーだって、そのころは13歳。
 女の子の方がませてるっていうし。
 さすがにお互いに意識し始めてるわよね?
 気持ちに気がついたりするわよね?
 その時、私は20歳……か。
 まだ、何とか、ぎりぎり、ギリギリよ……ギリギリ、何とかなる年齢じゃないかしら?


 それから、私は学園に入学。
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