10 / 16
第十話
しおりを挟む
私とルイ殿下が並んで椅子に座っている。
16歳と11歳……。
誕生日のお祝いの言葉を次々にかけられる。
ああ、二人並んでいるというのに。
「お似合いの二人ですわね」
と、私は一度でも言われたことがあっただろうか。
学園には、婚約者同志、隣の席に座って授業を受けている同級生もいる。
学年違いの婚約者と、昼休みには一緒に食事をしている同級生もいる。
「あの二人、お似合いですわね」
なんて噂話をすることもある。
直接からかうように、声をかけている人もいる。
……言われたことがない。
私と殿下、二人が並んでいてお似合いだと……一度も言われたことはない。
みんな分かっているんだ。私と殿下、二人が不釣り合いでいびつな婚約だってこと。
なぜ、妹のマリリーと婚約させなかったのかと噂している声も聞いたことがある。
……そして。
エマリーが自分が王妃になりたくて、無理に婚約したんだと。
ろくでもない人間だと。私利私欲に走る、みっともない女だと。
……悪役令嬢ってああいう女のことを言うんだわ。そのうち婚約破棄されてざまぁされればいいのに!
と、陰で噂されているのも知っている。
ふぅ。
私はね、常日頃、隙あらばルイ殿下に婚約破棄ですか?喜んで!と言ってるんです。
婚約解消まだかまだかと待っているんです。
何が、悪役令嬢だ!
このままだと、本当……殿下が学園を卒業するときの18歳で、婚約破棄を言い渡す!みたいなことが行われ、周りの人たちに「そらみたことか、ざまぁ!」と笑われてしまう。
それはちょっとばかり悔しい。
だって、私が望んだ婚約でもないのにっ!
勝手に悪役令嬢に仕立て上げて楽しまないで!
……私が、悪者扱いされているのを、ルイ殿下は知らない。
知らせるつもりはない。
優しいルイ殿下はであれば、私を苦しめないようにと、婚約を解消してくれるかもしれない。
だけれど、きっと、私を知らない間に苦しめてしまったと、今度はルイ殿下が傷つき苦しむことになるだろう。
だから、私と婚約を解消するならば、他に好きな人ができたと。そういう理由であってほしい。
あはは。
なんだかんだ、どこまでも私は、姉馬鹿なんだろうな。
かわいいルイ殿下に苦労はさせたくない。
「お誕生日おめでとう、エマリー」
「まぁ、マーカス様、いらしてくださったのですね。ありがとうございます」
隣国の第二王子のマーカス様だ。
キラキラと輝くような美貌というわけではないが、身長が高く引き締まった体に、強いオーラを放つ凛々しい目。
女性たちの目が釘付けになっている。
========
明日へ続く。本日更新ラストです。水曜締め切りなのに、木曜にも終わらなかった
16歳と11歳……。
誕生日のお祝いの言葉を次々にかけられる。
ああ、二人並んでいるというのに。
「お似合いの二人ですわね」
と、私は一度でも言われたことがあっただろうか。
学園には、婚約者同志、隣の席に座って授業を受けている同級生もいる。
学年違いの婚約者と、昼休みには一緒に食事をしている同級生もいる。
「あの二人、お似合いですわね」
なんて噂話をすることもある。
直接からかうように、声をかけている人もいる。
……言われたことがない。
私と殿下、二人が並んでいてお似合いだと……一度も言われたことはない。
みんな分かっているんだ。私と殿下、二人が不釣り合いでいびつな婚約だってこと。
なぜ、妹のマリリーと婚約させなかったのかと噂している声も聞いたことがある。
……そして。
エマリーが自分が王妃になりたくて、無理に婚約したんだと。
ろくでもない人間だと。私利私欲に走る、みっともない女だと。
……悪役令嬢ってああいう女のことを言うんだわ。そのうち婚約破棄されてざまぁされればいいのに!
と、陰で噂されているのも知っている。
ふぅ。
私はね、常日頃、隙あらばルイ殿下に婚約破棄ですか?喜んで!と言ってるんです。
婚約解消まだかまだかと待っているんです。
何が、悪役令嬢だ!
このままだと、本当……殿下が学園を卒業するときの18歳で、婚約破棄を言い渡す!みたいなことが行われ、周りの人たちに「そらみたことか、ざまぁ!」と笑われてしまう。
それはちょっとばかり悔しい。
だって、私が望んだ婚約でもないのにっ!
勝手に悪役令嬢に仕立て上げて楽しまないで!
……私が、悪者扱いされているのを、ルイ殿下は知らない。
知らせるつもりはない。
優しいルイ殿下はであれば、私を苦しめないようにと、婚約を解消してくれるかもしれない。
だけれど、きっと、私を知らない間に苦しめてしまったと、今度はルイ殿下が傷つき苦しむことになるだろう。
だから、私と婚約を解消するならば、他に好きな人ができたと。そういう理由であってほしい。
あはは。
なんだかんだ、どこまでも私は、姉馬鹿なんだろうな。
かわいいルイ殿下に苦労はさせたくない。
「お誕生日おめでとう、エマリー」
「まぁ、マーカス様、いらしてくださったのですね。ありがとうございます」
隣国の第二王子のマーカス様だ。
キラキラと輝くような美貌というわけではないが、身長が高く引き締まった体に、強いオーラを放つ凛々しい目。
女性たちの目が釘付けになっている。
========
明日へ続く。本日更新ラストです。水曜締め切りなのに、木曜にも終わらなかった
6
あなたにおすすめの小説
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
で、お前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか?
Debby
恋愛
ヴェルトが友人からの手紙を手に辺境伯令嬢であるレィディアンスの元を訪れたのは、その手紙に「詳細は彼女に聞け」と書いてあったからだ。
簡単にいうと、手紙の内容は「学園で問題を起こした平民──エボニーを妻として引き取ってくれ」というものだった。
一方その話を聞いてしまった伯爵令嬢のオリーブは動揺していた。
ヴェルトとは静かに愛を育んできた。そんな自分を差し置いて、言われるがまま平民を妻に迎えてしまうのだろうか。
そんなオリーブの気持ちを知るはずもないエボニーは、辺境伯邸で行儀見習いをすることになる。
オリーブは何とかしてヴェルトを取り戻そうと画策し、そのことを咎められてしまう。もう後は無い。
オリーブが最後の望みをかけてヴェルトに自分を選んで欲しいと懇願する中、レィディアンスが静かに口を開いた。
「で、そろそろお前が彼女に嫌がらせをしている理由を聞かせてもらおうか」
「はい?」
ヴェルトは自分が何を言われたのか全く理解が出来なかった。
*--*--*
覗いてくださりありがとうございます。(* ᴗ ᴗ)⁾⁾
★全31話7時19時更新で、全話予約投稿済みです。
★★「このお話だけ読んでいただいてもOKです!」という前提のもと↓↓↓
このお話は独立した一つのお話ですが、「で。」シリーズのサイドストーリーでもあり、第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」の「エボニーその後」でもあります(あるいは「最終話」のその後)。
第一弾「で、私がその方に嫌がらせをする理由をお聞かせいただいても?」
第二弾「で、あなたが私に嫌がらせをする理由を伺っても?」
第三弾「で、あなたが彼に嫌がらせをする理由をお話しいただいても?」
どれも女性向けHOTランキングに入り、特に第二弾はHOT一位になることが出来ました!(*´▽`人)アリガトウ
もしよかったら宜しくお願いしますね!
侯爵夫人のハズですが、完全に無視されています
猫枕
恋愛
伯爵令嬢のシンディーは学園を卒業と同時にキャッシュ侯爵家に嫁がされた。
しかし婚姻から4年、旦那様に会ったのは一度きり、大きなお屋敷の端っこにある離れに住むように言われ、勝手な外出も禁じられている。
本宅にはシンディーの偽物が奥様と呼ばれて暮らしているらしい。
盛大な結婚式が行われたというがシンディーは出席していないし、今年3才になる息子がいるというが、もちろん産んだ覚えもない。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる