検索魔法で助けたもふもふ奴隷が伝説の冒険者だったなんて聞いてませんっ

富士とまと

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ガタガタしてます

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「奴隷の役目をなぜあなたが決めるんですか?奴隷なら危険にさらしても構わないっていうんですか?」
 男の手をつかんで、バーヌから引き離します。
「は?」
「人間ですよ。同じ。今は、奴隷という立場にあるかもしれませんが……」
 男が馬鹿にしたように私を見ます。
「はっ。奴隷は奴隷だろうが。俺ら奴隷じゃない者のために働くのが奴隷の役目だろう?人間?ああ、確かに人間かもしれないが、同じじゃない」
 何を言っているのか、理解できません。
 いいえ、いいえ、もしかすると、目の前の冒険者も私が言っていることが理解できないのかもしれません。
 この世界の常識、倫理観……当たり前だと思われていること、それを覆すなんて……。
 ふと、ダタズさんの奥さんの顔が浮かんだ。
「解放奴隷……」
 そういっていました。
 ああ、そうです。
「奴隷はいつまでも奴隷じゃない。解放奴隷がいるでしょう?解放されれば奴隷じゃなくなる。奴隷じゃなくなったあと……、あなたの認める同じになったときに」
 バーヌが私の後ろに立ったのを感じます。
「バーヌは忘れない。ひどいことをした人たちのことを。……ボクは、いつまでもバーヌを奴隷ではいさせないよ?」
 冒険者がガタガタと震えだしました。
 奴隷が解放されることなど考えたこともなかったのでしょうか。
 そして、解放されたいつか復讐するなんて考えたこともなかったのでしょうか。
「おい、いい加減にしろよ。こんなところで言い争ってる場合じゃないだろう」
「そうだぞ。それに上級の冒険者が戦っている場に、素人の奴隷が現れても迷惑なだけだぞ。もうちょっと考えろ」
 他に二人の冒険者が、男の肩を叩きました。
「これを運べばいいのか?」
 大きな鍋を、二人がかりで運び、焼いた肉や揚げたフライを大皿に盛って運んでいきます。
 まだ加工していない肉類はどうしようかちらりと見ます。
 出張ギルドは、戦争のようなあわただしさです。
 いえ、ようなではありませんね。モンスターとの戦争の真っ最中ですね。
「ダンジョン内で戦闘の際に負った怪我人の治療には、ギルドからポーションを無料支給します。早急に傷を治して、ダンジョンに戻っていただきます」
 フィーネさんが怪我人と、怪我人を運んできた人たちに説明しています。
「効果上のポーションと中のポーションをすぐ使用できるように、並べて。ダンジョン産で買い取った物で、足りないようなら、ダンジョンに入っていないC級以下の冒険者が持っていないか聞いて、購入したときの価格に2割上乗せしてギルドが買い取ると言いなさい」
 次々と指示を飛ばしていました。
 肩を怪我したのでしょうかか。右肩から背中にかけて服にべっとり血の付いた長髪の男が、ポーションを飲み干してから立ち上がります。
 剣を手に取ると、ダンジョンのを向いて歩き出しました。私のすぐ横を通り過ぎるときに、ふらりとふらついて、とすんと、長髪の男が私にぶつかりました。
「すまない」
「あの、大丈夫ですか?まだ怪我が……」


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(´・ω・`)
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