たった3分で物語を堪能しませんか?【短編集】

タマゴあたま

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そして想いは交差する

第3話 いつかは交差する想い

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「それで、話って何?」

 私は香織の相談を引き受けた。他の人には相談できない内容だとか。なんで私になら相談できるんだろう?

「相談というのは、恋愛のことでね……」
「なるほどね。恋バナってなかなか他人には話せないもんね。ていうか、やっぱり好きな人いたんじゃん! で、相手は誰よ? 同級生? 先輩? 私たちは一年生だから後輩ってことはなさそうだけど」
「同級生なんだけど、わたしの場合は普通とは少し違くて……」
「恋愛なんて人それだから普通なんてないよ。同級生か。てことは、あの人とか? ほら背の高い眼鏡の人! ちょっと目つき怖いけどさ。周りで結構人気じゃん」
「深海《ふかみ》くんのこと?」
「そうそう! その人! ちっちゃい男の子と一緒にいることが多いよね。めっちゃ可愛い男の子。ほんとに男なのかね?」
「そっちは中村《なかむら》くんだね。でも、そうじゃないんだよ。わたしの好きな子ってのは女の子なんだよね」
「へ?」

 間の抜けた声が出てしまった。

「だから、わたしは女だけど女の子が好きなの!」

 もう一度香織が言う。今度はしっかりと聞き取れた。

「えっと、ちょっと待ってね……。女の子どうしで付き合いたいってこと?」
「うん。そうだよ」

 そう言いながら、香織は少しうつむく。ちょっとドキッとした。

「相手は……。聞かない方が良いよね」
「うん。決心がついたら伝えるね」
「わかった。上手くいくといいね。応援するから!」
「ありがとう。話したらすっきりした。そうだ、この前のお菓子を作り直してみたんだ。ココアパウダー多めで」

 香織は鞄から小さな袋を取り出す。可愛くラッピングしてある。香織らしい。

「覚えてたんだ。ありがと」
「この前、優夏は言ってたよね。『好きな人に聞けばいいじゃん』って。わたしは好きな人に聞いてるんだよ」
「え? それって……」
「あ、親友としてだよ! あくまで親友として!」
「そうだよね。びっくりしたー。あはは」
「ごめんね。びっくりさせて。じゃあ、そろそろ帰ろっか」
「うん」

(まさか香織も女の子が好きとはねー。ていうか何さっきの!? 告白かと思っちゃったじゃん! でも、好きな相手に恋愛相談なんてしないか。相手は誰なんだろう? マヤとかかなー。この前かっこいい人に憧れるって言ってたし)

(結局、優夏にちゃんと好きって言えなかったな。恥ずかしくなって話をはぐらかしちゃったし。でもお菓子は渡せたし良しとしようかな。いや、ちゃんと言わなきゃ前に進めないよね。うん。頑張ろう)
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