【完結】君との約束と呪いの果て

須木 水夏

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双子の魔女

惑わす者

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 生まれてからずっと虐待に怯えていた彼女達は自分達が飢えることのないよう、捨て置かれた孤児院の院長に無意識にその力を使った。
 やがて双子に魅了された院長は、彼女達の望むように食べ物や着る物を与えた。読み書きを教え、教養も与えた。
 それだけでは無い。同じ孤児院の他のシスター達も他の子どもをそっちのけで彼女達に競って侍ろうとした。クローディアの目に囚われた後には、シローネが命じないと彼女達から離れないのだ。

 その時になって漸く二人は気がついた。自分達が見た目が普通と違っているだけでなく、人を虜にする何らかの力を持っていると。




 ある時、慈善活動でやって来ていた貴族の夫人がクローディアの目を見た時、そのまま魅入ってしまった。彼女は金貨の入った銭入れをそのまま少女に渡した。
 すると、近くに居たシローネが微笑みながら言った。
「どうぞ、他の人達も連れてきてください」
 と。

 その孤児院はあっという間に、貴族達が大勢訪れる不可思議な場所となった。多くの寄付金を獲得した院長は、更に双子を飾り立てた。元々貴族より生まれの双子だ。美しい顔立ちをしていたので、与えられたドレスは二人によく似合った。




「私達、どうにかなったわね、クロ。」

「……」


 
 シローネの言葉に、クローディアは小さく微笑んだが、その笑みを直ぐに消して窓の外、街の路地に目をやる。
 目の見えないシローネの代わりに、彼女が見ている世界の中には良からぬ動きをしている者もいた。それがフィルター伯爵家の三男であるマリオットだった。

 彼が双子を手篭めにしようとしているのは、彼の行動の節々から伺えた。
 最初に孤児院を訪れた時、彼はおどおどとした態度をとり、母親の後ろで遠巻きに彼女達を見ているだけだった。
 暫くすると一人でやってくるようになり、その時は食品や衣料品を持ってくるだけだったが。しかし、双子に近づけば近づくほど、彼の中の何かが狂っていってしまったようだ。
 院長が近くにいない間に双子を孤児院より連れ出そうとして、職員に止められたり、誰も見ていないと、気持ち悪い手つきで少女達の手や顔、そして身体を触り始めたからだ。特にシローネを気に入っているらしく、盲目の少女を舐め回すように見るマリオットに、クローディアは嫌悪感を示していた。




「あの人、変だわクロ。気持ち悪い。」



 目の見えないシローネは急に触られることに恐怖を感じる。それを何度か伝えたと言うのに、彼の行動はエスカレートするばかりだった。


 ある時、クローディアが他の貴族の対応で席を外し、シローネが一人で居た時に事件は起こった。






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