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ミンディ・シスナ伯爵令嬢からの贈り物
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数日後、今度はアゼリアと共にモンドレー侯爵もやって来た。
なにをしに、と言ったら失礼だろうが、さりとて来訪の理由はわからず、私は侯爵が口を開くのを紅茶を飲みお菓子を咀嚼しながら黙って待つ。
今日はリーモの香りが爽やかな焼き菓子で、その絶品さは無限に食べられそうなほどだ。
「……太りますよ」
だがもう一つ、と伸ばしかけていた手はアゼリアの無情な一言に負け、私の膝へと帰ってきた。
うう、たまにはいいじゃない、焼き菓子の二つや三つ食べたって!
「お言葉ですが、今手を伸ばした分を召し上がれば七つ目ですからね?」
「へ?」
思わず顔を上げればアゼリアは呆れたような顔で私を見ていた。
物言わぬその目が「気づいてなかったんですか?」と語っていたので、私は嘘でしょ?と思ってすぐ後ろで控えていたリリを振り返ったのだが、リリは「大丈夫ですよ、アンネローゼ様がふくよかになったって殿下はお喜びになるだけですからぁ」と言ってにっこり笑っただけだった。
つまりは肯定。
私は気づかないうちに随分暴食していたらしい。
「確かにアンネローゼ様は腰が細くていらっしゃいますから少しばかり太られたところで問題はないでしょうが、至宝とも言える美しい今のお体が損なわれるのはやはり勿体ないですわ」
「あ、確かにそうですね。では今日のお菓子はこれまでにして、後で殿下と一緒にオークリッド舞踏のお稽古でもしてもらいましょうか」
アゼリアが呆れ顔を引っ込めて一転妙に真剣な表情で私を見て、何故かそちら側に回ったリリも同じように真面目くさった顔で私を見てからすっとお菓子を取り上げた。
「えぇ~……」
別に小さな子供でもないのだからそんなことをしなくてもいいのに。
私はリリに持ち去られるお菓子を複雑な気持ちで見送った。
「ほほ、残念でしたな。とはいえこれも心が決まらずお待たせしてしまった私のせい。申し訳ございません」
それまで一線を引いて私たちのやり取りを見ていた侯爵は小さく詫びると懐から筒状に丸められた紙を取り出した。
「実は昨日ミンディ・シスナ伯爵令嬢が我が娘に会いに来たのです」
侯爵が告げた思いもよらない名前に「あら」と私は小さな声を上げる。
そう言えばあの後メアリーとミンディは公にはなにもないものの内々には謹慎処分になったと聞いた。
けれどお灸を据えるという意味で設けられただけの謹慎はそう長くないはずだ。
「あの子の謹慎はもう解けたのかしら?」
彼女の罪を暴いたのは私だが、その後のことには関わっていないため情報は何も入っていない。
侯爵は私の問いに「その節はとんだご迷惑を」と頭を下げながら頷く。
「実は彼女と我が娘の謹慎が解けたのが昨日でして、彼女はその足で我が家にこれを持って来ました」
言いながら侯爵は留めていた紐を外し、紙を広げていく。
私からはまだ紙の裏側しか見えていないが、周りを雑に黒く塗りつぶされたような白い三角形が透けて見えた。
「彼女が言うにはこれが例の話を持ち掛けてきた男の似姿だそうで、彼女なりに反省し、謹慎中にできる限り思い出して描いたとのことだったのですが…」
「見せて!」
侯爵の言葉も終わらぬうちに私は反射的に手を伸ばしていた。
もちろん無作法だが今は構っていられなかった。
その気持ちを理解してくれた侯爵も目を瞑ってくれるようで有難い。
逸る気持ちのまま渡された紙に目を落とし、
「……なにかしら、これ」
私は大いに肩透かしを食らった。
そこには裏から透けて見えていた通り、上半分と左右が黒く塗り潰された歪な白抜きの三角形があった。
正確に言えばその真ん中には短い縦棒、その下に横棒とさらに下に谷状に折れ曲がった棒があったのだが、パッと見には雑に塗られた三角形という形容で間違っていない。
「その、ミディは絵が苦手でして…」
三角形を見て固まる私に、一応友人関係にあるアゼリアが説明をしてくれるがその目は不自然に逸らされており、頬には冷や汗らしきものも見える。
私は再度その絵に目を落した。
「なるほど、黒い頭巾をすっぽりと被っていてもなお少しはみ出るくらいの長さの髪の持ち主であることだけは読み取れるわ」
描かれているものについて見たままの感想を述べる。
しかしそのままじっと眺めていると、なんとなく彼女の描きたかったことが伝わってきた。
「……もしかしてこれはピアスかしら」
髪だと思われる中に毛流れを無視した線があり、位置的にそれが耳につけるなにかしらの装飾品に思える。
「アンネローゼ様、よくおわかりになりましたね」
「この絵から読み取れる情報なんてあるんですね」
だがそれは稀有なことだったのか、侯爵とアゼリアは感心していた。
とはいえもちろん絡繰りはある。
単に元婚約者のファビアン殿下がミンディより余程画伯だっただけだという、悲しくも虚しい絡繰りが。
そしてよくよく顔を眺めていると髪の陰に隠れて点が二つ描かれているのが見えた。
「これは…、意図的に描いたものなのかしら…」
けれどそれが意図的なものか偶発的なものかよくわからなくて、その部分をすりっと撫でる。
…やはり顔に点が二つ並んでいるなんておかしいわよね。
「ああ、それは黒子だそうです。こちらの点は間違いで、正しくはこの一つだけだと言っておりました」
私の手の動きを見ていた侯爵がその点について説明してくれた。
なんと侯爵はミンディから描かれているものについて説明を受けていたらしい。
だったら早く教えてほしかったわ。
そうすれば読み解くのにこんな苦労はいらないのに。
私は改めて絵を見下ろしてふと気がつく。
そう言えば私を刺したジャスパルの騎士も同じ位置に黒子が…。
ぞわりと肌が粟立つ。
呼吸が浅くなり、短くなっていくのを感じる。
まずい、と思った時には遅かった。
視界に砂嵐が現れ、その中に白く星が散る。
喉の奥が冷たくなっていくのを感じて、そこからは喘鳴が漏れ始めた。
落ち着かなければと思うほど肺が苦しい。
何度も息を吸っているはずなのに空気が入ってくる気が全くしない。
「アンネローゼ様!?」
「大変、過換気を起こしているわ!誰か布を」
「これを使いなさい!!」
周りの声が回って聞こえる。
アゼリアが「これを口に当ててください!」「ゆっくり息をして」「吸うより吐く方を意識して」と言うのに合わせて何とか息を吐く。
そういえば苦しいと吸ってばかりで吐いていなかったかもしれない。
頑張って息を吐いて吸うと、布からは胸が空くような爽やかで優しい香りがした。
「……もう、大丈夫よ、落ち着いてきたわ」
10分ほどそうしていると次第に呼吸が落ち着いてきたのか、まだ布を取ろうとは思えないもののなんとか言葉を発することはできた。
「まだご無理なさいませんよう」
「ええ…」
それからまた10分ほど意識的な呼吸を繰り返し、ようやく私は布を外して息を吸えた。
まだ頭に靄がかかっているような気はするが、自分の身に起きたことを説明するだけならば問題はなさそうだと判断して口を開く。
「ごめんなさいね、シスナ伯爵令嬢が描いたその絵の男なんだけど、黒子の位置が私に『時戻しの短剣』を刺した騎士と同じだったの」
私がそう言うと、そこに話が繋がると思っていなかったのだろう二人は驚き身を乗り出してきた。
「えっ!?」
「では、まさか!?」
「あ、いえ、多分違うわ」
けれど口にしてから誤解を招く言い方をしたと気づいていた私はすぐに否定する。
絵の人物とあの騎士が同一人物ではないことはわかっていたから。
それなのに過呼吸を起こして大事にしてしまうなんて、うう、恥ずかしい…。
「ほら、この絵の男は黒髪でしょう?私を刺した騎士は明るい茶髪だったもの」
私はなんとか気恥ずかしさを頭から追い出しながら「だから違うの」とまだこちらに身を乗り出している侯爵に笑顔で伝える。
しかし彼の顔の強張りは解けない。
厳しい表情で私を見ていた。
「えっと?」
「アンネローゼ様」
どうかしたのかと問おうとしたのと同時に名前を呼ばれ、私は「はい?」と首を傾げる。
心なしか侯爵の顔色が悪い気がするような…。
「シスナ伯爵令嬢の話では、その者は黒髪ではございません」
「え?」
自分が倒れかけたばかりだったから侯爵の顔色が気になったのだが、聞こえてきた言葉は無視できないものだった。
だって黒髪に見えるくらいに線で黒く塗られているのに黒髪じゃないなんておかしいじゃない。
いえ、重要なのはそこではなかったわ。
この騎士が黒髪ではないというなら、一体何色の髪だったのか。
「暗くてよく見えなかったそうですが、一瞬見えた彼の者の髪色は金色のようにも見えたが多分茶色だったと申しておりました」
回転の遅い頭がようやく「まさか」という可能性に辿り着くより少しだけ早く、侯爵は答えを告げた。
『まるで貴族のような色でしょう?これは遠い先祖の影響なのですよ』
『私と貴女が出会ったのは、あるいは必然だったのでしょうね』
―ああ、またあの騎士の声が聞こえる。
そこからの記憶は私にはない。
なにをしに、と言ったら失礼だろうが、さりとて来訪の理由はわからず、私は侯爵が口を開くのを紅茶を飲みお菓子を咀嚼しながら黙って待つ。
今日はリーモの香りが爽やかな焼き菓子で、その絶品さは無限に食べられそうなほどだ。
「……太りますよ」
だがもう一つ、と伸ばしかけていた手はアゼリアの無情な一言に負け、私の膝へと帰ってきた。
うう、たまにはいいじゃない、焼き菓子の二つや三つ食べたって!
「お言葉ですが、今手を伸ばした分を召し上がれば七つ目ですからね?」
「へ?」
思わず顔を上げればアゼリアは呆れたような顔で私を見ていた。
物言わぬその目が「気づいてなかったんですか?」と語っていたので、私は嘘でしょ?と思ってすぐ後ろで控えていたリリを振り返ったのだが、リリは「大丈夫ですよ、アンネローゼ様がふくよかになったって殿下はお喜びになるだけですからぁ」と言ってにっこり笑っただけだった。
つまりは肯定。
私は気づかないうちに随分暴食していたらしい。
「確かにアンネローゼ様は腰が細くていらっしゃいますから少しばかり太られたところで問題はないでしょうが、至宝とも言える美しい今のお体が損なわれるのはやはり勿体ないですわ」
「あ、確かにそうですね。では今日のお菓子はこれまでにして、後で殿下と一緒にオークリッド舞踏のお稽古でもしてもらいましょうか」
アゼリアが呆れ顔を引っ込めて一転妙に真剣な表情で私を見て、何故かそちら側に回ったリリも同じように真面目くさった顔で私を見てからすっとお菓子を取り上げた。
「えぇ~……」
別に小さな子供でもないのだからそんなことをしなくてもいいのに。
私はリリに持ち去られるお菓子を複雑な気持ちで見送った。
「ほほ、残念でしたな。とはいえこれも心が決まらずお待たせしてしまった私のせい。申し訳ございません」
それまで一線を引いて私たちのやり取りを見ていた侯爵は小さく詫びると懐から筒状に丸められた紙を取り出した。
「実は昨日ミンディ・シスナ伯爵令嬢が我が娘に会いに来たのです」
侯爵が告げた思いもよらない名前に「あら」と私は小さな声を上げる。
そう言えばあの後メアリーとミンディは公にはなにもないものの内々には謹慎処分になったと聞いた。
けれどお灸を据えるという意味で設けられただけの謹慎はそう長くないはずだ。
「あの子の謹慎はもう解けたのかしら?」
彼女の罪を暴いたのは私だが、その後のことには関わっていないため情報は何も入っていない。
侯爵は私の問いに「その節はとんだご迷惑を」と頭を下げながら頷く。
「実は彼女と我が娘の謹慎が解けたのが昨日でして、彼女はその足で我が家にこれを持って来ました」
言いながら侯爵は留めていた紐を外し、紙を広げていく。
私からはまだ紙の裏側しか見えていないが、周りを雑に黒く塗りつぶされたような白い三角形が透けて見えた。
「彼女が言うにはこれが例の話を持ち掛けてきた男の似姿だそうで、彼女なりに反省し、謹慎中にできる限り思い出して描いたとのことだったのですが…」
「見せて!」
侯爵の言葉も終わらぬうちに私は反射的に手を伸ばしていた。
もちろん無作法だが今は構っていられなかった。
その気持ちを理解してくれた侯爵も目を瞑ってくれるようで有難い。
逸る気持ちのまま渡された紙に目を落とし、
「……なにかしら、これ」
私は大いに肩透かしを食らった。
そこには裏から透けて見えていた通り、上半分と左右が黒く塗り潰された歪な白抜きの三角形があった。
正確に言えばその真ん中には短い縦棒、その下に横棒とさらに下に谷状に折れ曲がった棒があったのだが、パッと見には雑に塗られた三角形という形容で間違っていない。
「その、ミディは絵が苦手でして…」
三角形を見て固まる私に、一応友人関係にあるアゼリアが説明をしてくれるがその目は不自然に逸らされており、頬には冷や汗らしきものも見える。
私は再度その絵に目を落した。
「なるほど、黒い頭巾をすっぽりと被っていてもなお少しはみ出るくらいの長さの髪の持ち主であることだけは読み取れるわ」
描かれているものについて見たままの感想を述べる。
しかしそのままじっと眺めていると、なんとなく彼女の描きたかったことが伝わってきた。
「……もしかしてこれはピアスかしら」
髪だと思われる中に毛流れを無視した線があり、位置的にそれが耳につけるなにかしらの装飾品に思える。
「アンネローゼ様、よくおわかりになりましたね」
「この絵から読み取れる情報なんてあるんですね」
だがそれは稀有なことだったのか、侯爵とアゼリアは感心していた。
とはいえもちろん絡繰りはある。
単に元婚約者のファビアン殿下がミンディより余程画伯だっただけだという、悲しくも虚しい絡繰りが。
そしてよくよく顔を眺めていると髪の陰に隠れて点が二つ描かれているのが見えた。
「これは…、意図的に描いたものなのかしら…」
けれどそれが意図的なものか偶発的なものかよくわからなくて、その部分をすりっと撫でる。
…やはり顔に点が二つ並んでいるなんておかしいわよね。
「ああ、それは黒子だそうです。こちらの点は間違いで、正しくはこの一つだけだと言っておりました」
私の手の動きを見ていた侯爵がその点について説明してくれた。
なんと侯爵はミンディから描かれているものについて説明を受けていたらしい。
だったら早く教えてほしかったわ。
そうすれば読み解くのにこんな苦労はいらないのに。
私は改めて絵を見下ろしてふと気がつく。
そう言えば私を刺したジャスパルの騎士も同じ位置に黒子が…。
ぞわりと肌が粟立つ。
呼吸が浅くなり、短くなっていくのを感じる。
まずい、と思った時には遅かった。
視界に砂嵐が現れ、その中に白く星が散る。
喉の奥が冷たくなっていくのを感じて、そこからは喘鳴が漏れ始めた。
落ち着かなければと思うほど肺が苦しい。
何度も息を吸っているはずなのに空気が入ってくる気が全くしない。
「アンネローゼ様!?」
「大変、過換気を起こしているわ!誰か布を」
「これを使いなさい!!」
周りの声が回って聞こえる。
アゼリアが「これを口に当ててください!」「ゆっくり息をして」「吸うより吐く方を意識して」と言うのに合わせて何とか息を吐く。
そういえば苦しいと吸ってばかりで吐いていなかったかもしれない。
頑張って息を吐いて吸うと、布からは胸が空くような爽やかで優しい香りがした。
「……もう、大丈夫よ、落ち着いてきたわ」
10分ほどそうしていると次第に呼吸が落ち着いてきたのか、まだ布を取ろうとは思えないもののなんとか言葉を発することはできた。
「まだご無理なさいませんよう」
「ええ…」
それからまた10分ほど意識的な呼吸を繰り返し、ようやく私は布を外して息を吸えた。
まだ頭に靄がかかっているような気はするが、自分の身に起きたことを説明するだけならば問題はなさそうだと判断して口を開く。
「ごめんなさいね、シスナ伯爵令嬢が描いたその絵の男なんだけど、黒子の位置が私に『時戻しの短剣』を刺した騎士と同じだったの」
私がそう言うと、そこに話が繋がると思っていなかったのだろう二人は驚き身を乗り出してきた。
「えっ!?」
「では、まさか!?」
「あ、いえ、多分違うわ」
けれど口にしてから誤解を招く言い方をしたと気づいていた私はすぐに否定する。
絵の人物とあの騎士が同一人物ではないことはわかっていたから。
それなのに過呼吸を起こして大事にしてしまうなんて、うう、恥ずかしい…。
「ほら、この絵の男は黒髪でしょう?私を刺した騎士は明るい茶髪だったもの」
私はなんとか気恥ずかしさを頭から追い出しながら「だから違うの」とまだこちらに身を乗り出している侯爵に笑顔で伝える。
しかし彼の顔の強張りは解けない。
厳しい表情で私を見ていた。
「えっと?」
「アンネローゼ様」
どうかしたのかと問おうとしたのと同時に名前を呼ばれ、私は「はい?」と首を傾げる。
心なしか侯爵の顔色が悪い気がするような…。
「シスナ伯爵令嬢の話では、その者は黒髪ではございません」
「え?」
自分が倒れかけたばかりだったから侯爵の顔色が気になったのだが、聞こえてきた言葉は無視できないものだった。
だって黒髪に見えるくらいに線で黒く塗られているのに黒髪じゃないなんておかしいじゃない。
いえ、重要なのはそこではなかったわ。
この騎士が黒髪ではないというなら、一体何色の髪だったのか。
「暗くてよく見えなかったそうですが、一瞬見えた彼の者の髪色は金色のようにも見えたが多分茶色だったと申しておりました」
回転の遅い頭がようやく「まさか」という可能性に辿り着くより少しだけ早く、侯爵は答えを告げた。
『まるで貴族のような色でしょう?これは遠い先祖の影響なのですよ』
『私と貴女が出会ったのは、あるいは必然だったのでしょうね』
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