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貴女の頭脳が泣いているわ
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気がつくと私室のベッドに横たわっていた。
「……あら?」
なんだかつい最近も味わった感覚だ。
というか最近よく味わう感覚だ。
「お目覚めですか?」
目覚めたてのぼうっとした頭でそんなことを考えていると、すぐ横からアゼリアの声が聞こえる。
いつも静かな声だけれど、今はそっと染み込むような細やかで密やかな音に思えた。
私の体を気遣ってくれているのだろう。
すぐに頭が冴えてきてここに至る経緯を思い出し今の状況を推理すれば、侯爵の言葉の後に倒れたのだろう私をアゼリアが付きっ切りで見ていてくれたのだと察せた。
「ええ。ずっとついていてくれたの?」
特に不調を感じなかった私は起床時のように身を起こしたのだが、アゼリアは「急に起き上がってはいけません!!」と小声のままではあったが語気を強めて私を押し留めようとした。
「もう大丈夫よ」
「ですが」
「本当よ。だって頭がすっきりしているもの」
私は枕を背もたれに座り、アゼリアに「ね?」と微笑んだ。
「……少しでも調子が悪くなったら無理なさらず横になってくださいね」
「ええ」
アゼリアはため息を吐いて浮かせていた腰を戻した。
その顔が「全く困ったものだ」と言いたげなのは見なかったことにする。
「侯爵はお帰りになられたわよね。お忙しいところ来てくださったのに、申し訳ないことをしてしまったわ」
だから話題転換ついでにそう聞いたのだが、それに対する返答は「いいえ」だった。
「侯爵は殿下のところへ行ってらっしゃるだけです」
アゼリアは無表情ながら何故か僅かに眉を顰めて侯爵の行方を告げる。
彼のことを慕っている彼女にしては珍しいことだ。
「そう、御用があったのにこんなことで引き留めてしまって申し訳なかったわ」
そう思いつつ表情の理由がわからなかったので侯爵への謝罪を口にすれば、
「アンネローゼ様が気になさる必要はございませんわ」
アゼリアは思いの外強い口調で、むしろ怒りすら滲ませてドンッと私のベッドに拳を落とした。
「あの、アゼリア?」
お尻に感じた衝撃にビクッとしながらもそれを出さないようにアゼリアの顔を伺う。
今なら彼女の表情の理由がはっきりとわかる。
あれは怒りが滲んでいた表情だったのだ。
「……失礼しました、つい」
フーッと、深く息を吐いたアゼリアは私に頭を下げるが、眉間の皺は消えていない。
「それはいいけれど、一体どうしたのよ、貴女らしくもない」
私が問い掛けるとアゼリアは「いえ、別にたいしたことでは…」と口ごもった。
これまた珍しいことではあるのだが、それを追求する前にリリから来訪者だと報告を受けた。
「えっと、どなたかしら?」
「殿下とモンドレー侯爵です」
リリの返答に「ならばすぐにお通しして」と私が告げる前に、
「倒れた女性の部屋に押し掛けるなど見下げ果てた行為ですわ。お引き取りください」
すでに立ち上がって扉を少しだけ開けたアゼリアが扉の外へ、つまりそこにいるであろうルード様と侯爵に告げていた。
「ア、アゼリア!?」
それはいくらなんでも不敬が過ぎる。
第二の父とも言うべき侯爵にはともかく、もう一人はこの国の王太子殿下だ。
一介の伯爵令嬢が口答えしていい相手ではない。
「侯爵!なんでこんな人連れて来たんですか!?元いた場所に戻してきてください!!」
「きゃー!!」
口答えどころか不敬の上塗りである。
温厚でお優しいルード様のことだからこれでアゼリアを無礼打ちに処すなんてことはないとわかっているけれど、だからと言って許されるということは絶対にない。
「これ、アゼリア!」
流石の侯爵もすぐにアゼリアを叱責する。
「こんなのでも王太子殿下だ、もう少し遠回しにお伝えしなさい。ということでお忙しい殿下は今すぐお戻りになられては?」
「お、お前ら……」
と思ったのに、まさかの侯爵もアゼリア側だった。
どうやら2人とも殿下を追い返そうとしているらしい。
私が気を失っている間に一体何があったというの?
「ちょっと、アゼリアも侯爵も落ち着いて…」
私がベッドから降りようとすると「来ないでください!」とアゼリアに言葉と目で制された。
扉の外からも「アンネローゼ様はこちらへ来てはいけません!!」という侯爵の声が届いた。
本当にどうしたのかしら?
とりあえずなにやら殿下に対して怒っている2人を宥めなければとアゼリアの制止を無視してベッドから降りると、
「アンネローゼ様、殿下に襲われたいんですか!?」
物凄い形相でこちらを見たアゼリアにそう言われ、私の動きと思考はその言葉で止まった。
「お、おそ??」
言われた言葉の意味がわからない。
アゼリアの思考速度に私がついていけていないことが原因だろうか?
いやそんなわけはないわ。
なら、もしかして私が気を失っている間にルード様がとった行動が原因かしら?
……あの人なにやらかしたのよ。
「全く、いくら婚約者といえど寝込みを襲った前科のある方に今の気怠げで色気駄々洩れのアンネローゼ様をお見せするわけには参りません!」
「んふぅっ!?」
なんて考えていたところにアゼリアから真相という名の爆弾が投下され、私は思わず吹き出してしまった。
何でアゼリアがそのことを知っているの!?
この話を知っているのは、当事者以外はエルとジスとリチャード様だけのはずでしょう!!?
あ、でも多分マイラは察しているわ。
でなければあのタイミングでリリを連れ出したりなんてしないと思うもの。
そのリリはアゼリアの言葉に目を白黒させて戸惑っていた。
「なっ…どこでそれを!?」
言われたルード様も焦ったように少し大きな声を上げる。
あら、もしかしてご自分が何故アゼリアと侯爵からあのような扱いを受けているのかご存知ではないのかしら。
だとしたらよくあの不敬を許したわね…。
私がルード様の懐の深さに感心半分呆れ半分でいると、アゼリアが腰に手を当ててため息を吐く。
「簡単な推理です。アンネローゼ様の性格なら殿下のベッドで寝てしまうことはあっても、恥ずかしさが勝って手を出されることは良しとはされないでしょう。なのに鎖骨にはあからさまな痕がある。ならば殿下が『このくらいなら』と考えて眠っているアンネローゼ様に手を出したと考えるのが自然です」
何か間違っているなら聞いてやるから言ってみろ。
最後にそんな台詞が聞こえてきそうな声音だった。
確かに何も間違っていないし多分全てその通りではあるのだけれど。
ちょっと一言だけ言わせて?
「推理力の無駄遣いだわ!!」
「……あら?」
なんだかつい最近も味わった感覚だ。
というか最近よく味わう感覚だ。
「お目覚めですか?」
目覚めたてのぼうっとした頭でそんなことを考えていると、すぐ横からアゼリアの声が聞こえる。
いつも静かな声だけれど、今はそっと染み込むような細やかで密やかな音に思えた。
私の体を気遣ってくれているのだろう。
すぐに頭が冴えてきてここに至る経緯を思い出し今の状況を推理すれば、侯爵の言葉の後に倒れたのだろう私をアゼリアが付きっ切りで見ていてくれたのだと察せた。
「ええ。ずっとついていてくれたの?」
特に不調を感じなかった私は起床時のように身を起こしたのだが、アゼリアは「急に起き上がってはいけません!!」と小声のままではあったが語気を強めて私を押し留めようとした。
「もう大丈夫よ」
「ですが」
「本当よ。だって頭がすっきりしているもの」
私は枕を背もたれに座り、アゼリアに「ね?」と微笑んだ。
「……少しでも調子が悪くなったら無理なさらず横になってくださいね」
「ええ」
アゼリアはため息を吐いて浮かせていた腰を戻した。
その顔が「全く困ったものだ」と言いたげなのは見なかったことにする。
「侯爵はお帰りになられたわよね。お忙しいところ来てくださったのに、申し訳ないことをしてしまったわ」
だから話題転換ついでにそう聞いたのだが、それに対する返答は「いいえ」だった。
「侯爵は殿下のところへ行ってらっしゃるだけです」
アゼリアは無表情ながら何故か僅かに眉を顰めて侯爵の行方を告げる。
彼のことを慕っている彼女にしては珍しいことだ。
「そう、御用があったのにこんなことで引き留めてしまって申し訳なかったわ」
そう思いつつ表情の理由がわからなかったので侯爵への謝罪を口にすれば、
「アンネローゼ様が気になさる必要はございませんわ」
アゼリアは思いの外強い口調で、むしろ怒りすら滲ませてドンッと私のベッドに拳を落とした。
「あの、アゼリア?」
お尻に感じた衝撃にビクッとしながらもそれを出さないようにアゼリアの顔を伺う。
今なら彼女の表情の理由がはっきりとわかる。
あれは怒りが滲んでいた表情だったのだ。
「……失礼しました、つい」
フーッと、深く息を吐いたアゼリアは私に頭を下げるが、眉間の皺は消えていない。
「それはいいけれど、一体どうしたのよ、貴女らしくもない」
私が問い掛けるとアゼリアは「いえ、別にたいしたことでは…」と口ごもった。
これまた珍しいことではあるのだが、それを追求する前にリリから来訪者だと報告を受けた。
「えっと、どなたかしら?」
「殿下とモンドレー侯爵です」
リリの返答に「ならばすぐにお通しして」と私が告げる前に、
「倒れた女性の部屋に押し掛けるなど見下げ果てた行為ですわ。お引き取りください」
すでに立ち上がって扉を少しだけ開けたアゼリアが扉の外へ、つまりそこにいるであろうルード様と侯爵に告げていた。
「ア、アゼリア!?」
それはいくらなんでも不敬が過ぎる。
第二の父とも言うべき侯爵にはともかく、もう一人はこの国の王太子殿下だ。
一介の伯爵令嬢が口答えしていい相手ではない。
「侯爵!なんでこんな人連れて来たんですか!?元いた場所に戻してきてください!!」
「きゃー!!」
口答えどころか不敬の上塗りである。
温厚でお優しいルード様のことだからこれでアゼリアを無礼打ちに処すなんてことはないとわかっているけれど、だからと言って許されるということは絶対にない。
「これ、アゼリア!」
流石の侯爵もすぐにアゼリアを叱責する。
「こんなのでも王太子殿下だ、もう少し遠回しにお伝えしなさい。ということでお忙しい殿下は今すぐお戻りになられては?」
「お、お前ら……」
と思ったのに、まさかの侯爵もアゼリア側だった。
どうやら2人とも殿下を追い返そうとしているらしい。
私が気を失っている間に一体何があったというの?
「ちょっと、アゼリアも侯爵も落ち着いて…」
私がベッドから降りようとすると「来ないでください!」とアゼリアに言葉と目で制された。
扉の外からも「アンネローゼ様はこちらへ来てはいけません!!」という侯爵の声が届いた。
本当にどうしたのかしら?
とりあえずなにやら殿下に対して怒っている2人を宥めなければとアゼリアの制止を無視してベッドから降りると、
「アンネローゼ様、殿下に襲われたいんですか!?」
物凄い形相でこちらを見たアゼリアにそう言われ、私の動きと思考はその言葉で止まった。
「お、おそ??」
言われた言葉の意味がわからない。
アゼリアの思考速度に私がついていけていないことが原因だろうか?
いやそんなわけはないわ。
なら、もしかして私が気を失っている間にルード様がとった行動が原因かしら?
……あの人なにやらかしたのよ。
「全く、いくら婚約者といえど寝込みを襲った前科のある方に今の気怠げで色気駄々洩れのアンネローゼ様をお見せするわけには参りません!」
「んふぅっ!?」
なんて考えていたところにアゼリアから真相という名の爆弾が投下され、私は思わず吹き出してしまった。
何でアゼリアがそのことを知っているの!?
この話を知っているのは、当事者以外はエルとジスとリチャード様だけのはずでしょう!!?
あ、でも多分マイラは察しているわ。
でなければあのタイミングでリリを連れ出したりなんてしないと思うもの。
そのリリはアゼリアの言葉に目を白黒させて戸惑っていた。
「なっ…どこでそれを!?」
言われたルード様も焦ったように少し大きな声を上げる。
あら、もしかしてご自分が何故アゼリアと侯爵からあのような扱いを受けているのかご存知ではないのかしら。
だとしたらよくあの不敬を許したわね…。
私がルード様の懐の深さに感心半分呆れ半分でいると、アゼリアが腰に手を当ててため息を吐く。
「簡単な推理です。アンネローゼ様の性格なら殿下のベッドで寝てしまうことはあっても、恥ずかしさが勝って手を出されることは良しとはされないでしょう。なのに鎖骨にはあからさまな痕がある。ならば殿下が『このくらいなら』と考えて眠っているアンネローゼ様に手を出したと考えるのが自然です」
何か間違っているなら聞いてやるから言ってみろ。
最後にそんな台詞が聞こえてきそうな声音だった。
確かに何も間違っていないし多分全てその通りではあるのだけれど。
ちょっと一言だけ言わせて?
「推理力の無駄遣いだわ!!」
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