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第三部
176 距離が縮まる
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次に会う時にまともな顔をできる自信がなかった。どうにか汚れを洗い流し、新しい下着を身につける。朝から自分の浅はかさに頭を抱えていると、スマホが鳴り始める。見ると降谷からだった。嘘だろ!? こんな状況で電話の応対なんてできるはずがない。でも、せっかく朝早くかけてくれたから出たいし、声も聞きたいし……。悶々としていると電話が鳴り止んでしまいそうな気がして慌てて画面をタップする。
「も、もしもし」
「起きてたのか」
少し驚いたように降谷が言う。普段と変わりない口ぶりに安心すると同時に本物の降谷の声を聞いて体が熱くなってくる。落ち着けと心の中で唱えて、言葉を放つ。
「ちゃんと早起きしてる。何かあったのか?」
素直になれない自分に苛立ちながらスマホを握る。降谷の小さなため息が、電話口を越えてすぐ耳元で聞こえてくるような気がして体が固まった。窓の外はあいにくの曇り空だった。
「翠のことだが……あいつは奇想天外なことをするところがある。だから油断するなよ。俺はおまえが心配で寝るに眠れない」
きゅっと言葉が詰まる。最後の言葉はずるいと思った。
「だ、大丈夫。油断しないから」
「気をつけろよ。それと、昨日話した次の場所だが……動物園でも行ってみるか」
へ? と頭がストップする。テレビで見たゾウやキリンの姿が映像として流れていく。そこに仏頂面の降谷がいると思うと笑わずにはいられなかった。
「おい、おまえ今笑っただろ」
「咳だよ、むせただけ」
急いで呼吸を整えると、向こうで小さく笑う声が聞こえてガッツポーズを取りたくなった。
「も、もしもし」
「起きてたのか」
少し驚いたように降谷が言う。普段と変わりない口ぶりに安心すると同時に本物の降谷の声を聞いて体が熱くなってくる。落ち着けと心の中で唱えて、言葉を放つ。
「ちゃんと早起きしてる。何かあったのか?」
素直になれない自分に苛立ちながらスマホを握る。降谷の小さなため息が、電話口を越えてすぐ耳元で聞こえてくるような気がして体が固まった。窓の外はあいにくの曇り空だった。
「翠のことだが……あいつは奇想天外なことをするところがある。だから油断するなよ。俺はおまえが心配で寝るに眠れない」
きゅっと言葉が詰まる。最後の言葉はずるいと思った。
「だ、大丈夫。油断しないから」
「気をつけろよ。それと、昨日話した次の場所だが……動物園でも行ってみるか」
へ? と頭がストップする。テレビで見たゾウやキリンの姿が映像として流れていく。そこに仏頂面の降谷がいると思うと笑わずにはいられなかった。
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