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本編⑤ 呪いの真相
44 王太子との夕食
辛い時は祖母が残してくれたペリドットのブローチを見て過ごしていた。
母に殴られた後、アリーシャは家の裏の土を掘り起こした。
小さな木箱が出てきて、箱を開けるとブローチがある。
本当は部屋に持っていきたいけど、母に奪われるような気がしていつもここに隠していた。
明日は殴られなければいいな。
そう思う。怒鳴られるのもしんどい。
母だって優しい時はある。アリーシャの赤く腫れあがった皮膚を撫でて「ごめんね」と泣いていた。しばらくは優しくしてくれるが、アリーシャは心のどこかで怯えていた。
優しくなった次は、怒鳴り、殴る行為に戻るからだ。この反動が一番怖かった。
最低な暴力を行う人間に対して最も怖いと感じるもの。
優しくなったその時、いつ戻るのかという恐怖心であった。
あんなに最低だったヴィクター王太子は急に人が変ってしまった。
確かにアリーシャ以外に対してはまともな対応をしているというのは聞いていた。だが、アリーシャに関することになると豹変してしまう。
そんなに嫌いなんだなと思いアリーシャはなるべく彼に接触しないことを願った。
夕食に呼ばれる日であっても、行かずに自室でドロシーにスープとパンを食べていた方がずっと有意義である。
「りんごジュースなら飲めそうか。本日贈られたものを絞って作らせた」
食事がなかなか進まないアリーシャをみてヴィクターは侍女に命じて取りに行かせる。
こんな態度を自分に向けるなどどういった風の吹きようなのか。
狩猟祭の毒殺事件で母親が死んだショックで頭がおかしくなったのではないか。落馬して頭を打ったのではないか。
などと失礼なことを考えてしまう。
そういえば回帰前と違う点がいくつかある。
王太子の夕食ではディナーテーブルは会話が弾みやすく近く座れるタイプを使用している。だが、今回は長テーブルを使用して二人の距離がそれなりに開いている。
ここであればヴィクターが殴りかかる前に逃げることもできそうだ。物が投げつけられても命中する確率は低い。
ジベール夫人がアリーシャの後ろにぴったりとくっついている。
これはどういうことだろうか。
まさかヴィクターが殴りかかる時に逃げられないように逃亡路をふさいでるのではないか。
花姫を大事にすべきだというジベールの奥さんらしいが、彼と価値観が一緒だという保証はない。
「それで、父とジベールから話を聞いたのだが」
会話が別に移る。
「花姫を辞めたいというのは本当か?」
別に知られて困ることでもない。アリーシャは差し出されたりんごジュースを一口飲み、声を出した。
「はい、そうです」
「理由は」
「聡明な殿下であればご存じかと」
皮肉たっぷりに言ってやるとヴィクターは一瞬視線を落とした。少し憂い入れた表情が垣間見え、本当に顔は良いんだなと思ってしまう。
ヴィクター王太子はかなりの美貌の持ち主だったのを思い出す。おまけに馬術、剣術にも優れ、政治学にも優れて幼少時から神童と呼ばれていた。成人する前から多くの令嬢から注目されていた。
エリザベス王妃も王族特徴を持つ優れた王太子をいつも自慢していた。
回帰前のアリーシャも実はこの王太子の美貌に惚れてしまい、彼の妃になることを夢みてしまった。
もうアリーシャにはその気は全くない。
回帰前でこの男にどれだけ冷遇されたか。
理由はきっと自分が侯爵家の直接の令嬢ではなく、山村出身の平民だからだ。確かに花姫にあがったばかりの時は貴族の礼儀作法がなっておらず、王太子を不快にさせたような気もする。
でも、処刑されても仕方なかったと思われたり、熱湯をかけられるようなことをしたつもりはない。
「私は妃に相応しくありません。妃として選定されることはないでしょう」
「仮にそうだったとして花姫をすぐに辞めたいのか?」
「可能であれば」
この流れは何だろうか。もしかしてここで花姫に相応しくないから王宮追放という流れになるのではなかろうか。
呪いの件がまだ未解決でアルバートに言われそうだが、アリーシャは一切未練がないことを伝えた。
「花姫を辞めた後はどうする」
「故郷に戻るか、もしくは相応の町でひっそりと暮らそうと思います」
「侯爵家令嬢として貴族に嫁ぐことは」
「花姫としての評価を聞いて、果たして侯爵様が私を娘として貴族に嫁がせようとしますか?」
恥晒しになること間違いないだろう。
アリーシャが戻ってきても侯爵は妃になれなかった平民の娘の扱いに苦労するだろう。
しばらくヴィクターは考え込んでいた。
追放宣言くるかとアリーシャは身構える。
「そうであれば花姫の役割を最後まで果たした方がいいと思う」
な、なんだって。今、ちょっと花姫を辞めさせてくれる流れだったと思うんだけど。
「花姫は妃を養育する制度でもあるというのは知っているだろう。妃になれなかった花姫は一人の妃を育てる為に協力した功績によりデイムの爵位と褒美を受ける」
デイムというと騎士のサーに相当する。
妃になれなかった花姫は軽んじられずに扱うという意味らしい。
今までの令嬢は宝石やドレスの希望であった。邸宅の希望者もいた。
「金銭を要求することも可能だ。配当される金額は……」
ヴィクターが提示した金額は、平民の暮らしであれば30年働かなくても困らない金額であった。
アリーシャがどうあっても稼げるような値段ではない。
「侯爵家に戻らず平民として暮らすのであればお金はたくさんあっても良いだろう。身の安全の為に護衛は雇えるだけの分は確保すべきだ」
お金なんて要らない。すぐに花姫辞めたいと思ったアリーシャであったが、金銭のことを聞かされると口にできなくなった。
卑しい女だと馬鹿にされるかもしれない。
だが、山村で貧しい生活をしていた日を考えるとお金はあった方がいい。お金がなかったから母はいつも不機嫌だったのを思い出してしまった。
「少し考えておいてほしい。それでもどうしても辞めたいというのであれば、今後の夕食のときに言ってくれていい。勿論、侍女を通して面会を申し出ても構わない。それだけを伝えたく本日は無理に呼んだ。次からは好きに過ごすがいい」
夕食はここで終了になった。アリーシャはヴィクターに礼をして、夕食の場を去ろうとした。
少しふらついて身を崩しそうになる。ドーラが支えてくれたので床に倒れることはなかった。
ガタンと王太子のいた位置から音がしたが、ドーラが首を横に振っている。
まさか王太子が立ち上がったのか。アリーシャがふらついたのを見て。
今更、すぎる。
その時思い出した嫌なこと。回帰前のことだった。
花姫と王太子とで夏の水遊びをしていたとき、アリーシャはクリスに押されて湖に落ちてしまった。ヴィクターは反射的に手を差し伸べようとして、アリーシャだとわかるとすぐに手を引っ込んだ。あのまま手を差しだしたままだったらアリーシャは湖の中おぼれかけることはなかったというのに。
廊下を歩いて行くとめまいが強くなり、アリーシャはドーラに支えられる形で歩いていた。
平静を装っていたが、かなり緊張した。いついつものヴィクター王太子に戻るのだろうかと、暴力を受けるのだろうかと気が休まらなかった。
ふらふらの足取りでカメリア宮へと向かう。その途中、若い男の声がした。
若い従僕だろうか。
ドーラは彼にアリーシャを任せてしまった。誰だろうかと思うが、今はとにかく自室に戻りたい。ちらりと薄い金色の髪が視界に入った気がする。
母に殴られた後、アリーシャは家の裏の土を掘り起こした。
小さな木箱が出てきて、箱を開けるとブローチがある。
本当は部屋に持っていきたいけど、母に奪われるような気がしていつもここに隠していた。
明日は殴られなければいいな。
そう思う。怒鳴られるのもしんどい。
母だって優しい時はある。アリーシャの赤く腫れあがった皮膚を撫でて「ごめんね」と泣いていた。しばらくは優しくしてくれるが、アリーシャは心のどこかで怯えていた。
優しくなった次は、怒鳴り、殴る行為に戻るからだ。この反動が一番怖かった。
最低な暴力を行う人間に対して最も怖いと感じるもの。
優しくなったその時、いつ戻るのかという恐怖心であった。
あんなに最低だったヴィクター王太子は急に人が変ってしまった。
確かにアリーシャ以外に対してはまともな対応をしているというのは聞いていた。だが、アリーシャに関することになると豹変してしまう。
そんなに嫌いなんだなと思いアリーシャはなるべく彼に接触しないことを願った。
夕食に呼ばれる日であっても、行かずに自室でドロシーにスープとパンを食べていた方がずっと有意義である。
「りんごジュースなら飲めそうか。本日贈られたものを絞って作らせた」
食事がなかなか進まないアリーシャをみてヴィクターは侍女に命じて取りに行かせる。
こんな態度を自分に向けるなどどういった風の吹きようなのか。
狩猟祭の毒殺事件で母親が死んだショックで頭がおかしくなったのではないか。落馬して頭を打ったのではないか。
などと失礼なことを考えてしまう。
そういえば回帰前と違う点がいくつかある。
王太子の夕食ではディナーテーブルは会話が弾みやすく近く座れるタイプを使用している。だが、今回は長テーブルを使用して二人の距離がそれなりに開いている。
ここであればヴィクターが殴りかかる前に逃げることもできそうだ。物が投げつけられても命中する確率は低い。
ジベール夫人がアリーシャの後ろにぴったりとくっついている。
これはどういうことだろうか。
まさかヴィクターが殴りかかる時に逃げられないように逃亡路をふさいでるのではないか。
花姫を大事にすべきだというジベールの奥さんらしいが、彼と価値観が一緒だという保証はない。
「それで、父とジベールから話を聞いたのだが」
会話が別に移る。
「花姫を辞めたいというのは本当か?」
別に知られて困ることでもない。アリーシャは差し出されたりんごジュースを一口飲み、声を出した。
「はい、そうです」
「理由は」
「聡明な殿下であればご存じかと」
皮肉たっぷりに言ってやるとヴィクターは一瞬視線を落とした。少し憂い入れた表情が垣間見え、本当に顔は良いんだなと思ってしまう。
ヴィクター王太子はかなりの美貌の持ち主だったのを思い出す。おまけに馬術、剣術にも優れ、政治学にも優れて幼少時から神童と呼ばれていた。成人する前から多くの令嬢から注目されていた。
エリザベス王妃も王族特徴を持つ優れた王太子をいつも自慢していた。
回帰前のアリーシャも実はこの王太子の美貌に惚れてしまい、彼の妃になることを夢みてしまった。
もうアリーシャにはその気は全くない。
回帰前でこの男にどれだけ冷遇されたか。
理由はきっと自分が侯爵家の直接の令嬢ではなく、山村出身の平民だからだ。確かに花姫にあがったばかりの時は貴族の礼儀作法がなっておらず、王太子を不快にさせたような気もする。
でも、処刑されても仕方なかったと思われたり、熱湯をかけられるようなことをしたつもりはない。
「私は妃に相応しくありません。妃として選定されることはないでしょう」
「仮にそうだったとして花姫をすぐに辞めたいのか?」
「可能であれば」
この流れは何だろうか。もしかしてここで花姫に相応しくないから王宮追放という流れになるのではなかろうか。
呪いの件がまだ未解決でアルバートに言われそうだが、アリーシャは一切未練がないことを伝えた。
「花姫を辞めた後はどうする」
「故郷に戻るか、もしくは相応の町でひっそりと暮らそうと思います」
「侯爵家令嬢として貴族に嫁ぐことは」
「花姫としての評価を聞いて、果たして侯爵様が私を娘として貴族に嫁がせようとしますか?」
恥晒しになること間違いないだろう。
アリーシャが戻ってきても侯爵は妃になれなかった平民の娘の扱いに苦労するだろう。
しばらくヴィクターは考え込んでいた。
追放宣言くるかとアリーシャは身構える。
「そうであれば花姫の役割を最後まで果たした方がいいと思う」
な、なんだって。今、ちょっと花姫を辞めさせてくれる流れだったと思うんだけど。
「花姫は妃を養育する制度でもあるというのは知っているだろう。妃になれなかった花姫は一人の妃を育てる為に協力した功績によりデイムの爵位と褒美を受ける」
デイムというと騎士のサーに相当する。
妃になれなかった花姫は軽んじられずに扱うという意味らしい。
今までの令嬢は宝石やドレスの希望であった。邸宅の希望者もいた。
「金銭を要求することも可能だ。配当される金額は……」
ヴィクターが提示した金額は、平民の暮らしであれば30年働かなくても困らない金額であった。
アリーシャがどうあっても稼げるような値段ではない。
「侯爵家に戻らず平民として暮らすのであればお金はたくさんあっても良いだろう。身の安全の為に護衛は雇えるだけの分は確保すべきだ」
お金なんて要らない。すぐに花姫辞めたいと思ったアリーシャであったが、金銭のことを聞かされると口にできなくなった。
卑しい女だと馬鹿にされるかもしれない。
だが、山村で貧しい生活をしていた日を考えるとお金はあった方がいい。お金がなかったから母はいつも不機嫌だったのを思い出してしまった。
「少し考えておいてほしい。それでもどうしても辞めたいというのであれば、今後の夕食のときに言ってくれていい。勿論、侍女を通して面会を申し出ても構わない。それだけを伝えたく本日は無理に呼んだ。次からは好きに過ごすがいい」
夕食はここで終了になった。アリーシャはヴィクターに礼をして、夕食の場を去ろうとした。
少しふらついて身を崩しそうになる。ドーラが支えてくれたので床に倒れることはなかった。
ガタンと王太子のいた位置から音がしたが、ドーラが首を横に振っている。
まさか王太子が立ち上がったのか。アリーシャがふらついたのを見て。
今更、すぎる。
その時思い出した嫌なこと。回帰前のことだった。
花姫と王太子とで夏の水遊びをしていたとき、アリーシャはクリスに押されて湖に落ちてしまった。ヴィクターは反射的に手を差し伸べようとして、アリーシャだとわかるとすぐに手を引っ込んだ。あのまま手を差しだしたままだったらアリーシャは湖の中おぼれかけることはなかったというのに。
廊下を歩いて行くとめまいが強くなり、アリーシャはドーラに支えられる形で歩いていた。
平静を装っていたが、かなり緊張した。いついつものヴィクター王太子に戻るのだろうかと、暴力を受けるのだろうかと気が休まらなかった。
ふらふらの足取りでカメリア宮へと向かう。その途中、若い男の声がした。
若い従僕だろうか。
ドーラは彼にアリーシャを任せてしまった。誰だろうかと思うが、今はとにかく自室に戻りたい。ちらりと薄い金色の髪が視界に入った気がする。
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