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第二章 国家解体
第34話 小さなバラフライ効果
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「なっ⁉」
気付けば俺たちの周囲は警備隊に囲まれていた。それぞれ規格に沿った武器で武装し、男たちの戦意は挫かれた。
「はい、みなさん。そこまでですよ。血の気の多い鉱夫の方々なので多少は見逃しますが、今回はダメです」
一見優しそうな男は男たちに向かって言い放つ。
「なんでだよ。俺たちはこの姉ちゃんにお酌してもらいだけだぜ」
「私はするなんて言っていないわ」
「だそうですよ」
「嘘言ってるんじゃねーよ!」
「見苦しいわね」
「人数に頼って二人に喧嘩を吹っ掛ける。さらには周囲の方々にまで恐怖を伝播させる。これは厳罰ですね」
男たちは優男から言葉が出てくるごとに顔色を悪くさせる。
「さて、どうします。これ以上足掻いても良いことはありませんよ」
「わ、わかりました……」
男たちのリーダー格はあっさりと降参した。彼の仲間たちも大人しく指示に従った。
警備隊の者たちは男たちを連れて行く。どこか俺たちを恨めしそうに眺めているのは筋違いってもんだろう。
「ご迷惑をお掛け致しました」
「いえいえ、私たちはこれが仕事ですので。ですが、あの挑発はやり過ぎですよ。ここはあなた方の居住する階層ではありません」
「そうですね。反省しています」
「まあ、いいでしょう。反省してください。あと、あなたの判断は間違っていませんでした。ああして時間を稼いでくれたおかげで被害無く治りました。それでは、失礼!」
優男はそう述べると男たちを引き連れて去っていった。
この街は特殊だ。普通の街ならば量刑に従って罪を償う。償い方は色々だ。
しかし、ここ城塞都市ヘレルはその大半は鉱夫という職業に就いている。故に、再犯防止、犯罪抑止の観点から採掘作業停止処分が科せられるのが常だった。
鉱夫は働いてなんぼだ。その月の給料は保証されていない。怪我などは保障されるものの10割支払いは望め無い。
だからこそ、どんなに粗い者でも、此処に居る以上は大人しくなる。
だがこの日は血の気が多すぎ、墓穴を掘ってしまった。
「ふー、戦うことがなくてよかったわ」
リッカは大きく息を吐き出した。それと共に、周囲の人々も何事も無かったかのように動き始める。
「最悪は戦っていたんだぞ」
「そうね。元はと言えばあなたが酔い潰れたからよ」
「ウッ……」
そう言われては言い返す言葉もない。
「とは言え、反省はしているわ。あの人の言った通り、ちょっとやり過ぎたわ」
家に帰ってから聞いたのだが、すぐに警備隊の者が駆け付けると予測しての行動だったらしい。少しでも時間を稼げれば戦うことなく済むとリッカは賭けに出たのだそうだ。警備隊の男が言った通りだった。
翌日、俺はドーランに呼び出された。
内容は言うまでもなく昨日の揉め事だ。
あの男たちは十日間の業務停止が言い渡されたらしい。それが重いのかどうかは分からないが、二度目はないとの事だった。
次、似た様なことをすればここでの仕事は出来なくなる。言い換えれば安定し、高収入が望める仕事を自らの咎で失うというのだ。それは彼らにとって死を意味すると言っても過言ではない。
「ユウさん、元はと言えば、あなたが酔っぱらったことが原因だとか」
「うっ…… はいその通りです」
その様に答えるとドーランは額に手を当てて天を仰いだ。
「いいですか、あなたが外で揉め事を起こすような人ではないと思っていましたから言いませんでしたが、これは看過できません」
そこで言われたのは、各階層責任者は鉱夫の管理運営を行っている。その中で、いかに生産量を上げるかの勝負を行っているのだ。
「勝負とはいえ、みなさんに還元されることなので勘違いしないで下さい。私一人が美味しい思いをしているわけではないのです」
目標を達成すればボーナスを、それが続けば待遇の改善を。各チームが勝負して好成績を上げれば必ず応える。
「はい」
「いいでしょう。とはいえ、酔っぱらってしまったことは仕方ありません。ですが、奥さんを確りと守れないのであれば問題ですよ。ここでは厳しい処罰が待っていますが、元々は血の気の多い人が集まっているのです。皆優しいだけではないのですからね」
俺はドーランに諭されるといつもの仕事に就いた。
「とは言え、他階層での揉め事は問題ですね…… それに、あの階層の責任者は、あー面倒ですね。これは……、はぁ逃げ出したい……」
ドーランは事務所に戻ると早速今回の報告書を読み込んだ。
流れは聞いていたが、警備隊からの報告書は初めてだった。そこで知ったのは、彼が苦手とする男の階層だった。
男の名はバーム。辺境出身ながら身一つで現場責任者の地位へと上り詰めた苦労人だ。だからこそ、ここでの苦労は痛いほどわかる。故に、バームは自らの階層の従業員を家族と呼び、どんな者でも大事にする男であった。
「また、あの男の仲間を守る口上を聞かないといけないのですか……」
仲間思いとは裏腹に、バームには一つ欠点があった。それは強い先入観を持ってしまうことだった。こうだと思えば只管突き進む困った男である。
「まったく、俺の家族が悪さをするわけがないじゃないか!」
案の定、同じ頃に警備隊から届いた報告書を呼んでいたバームは机に紙を投げ捨てると言い放った。
彼を支えるスタッフたちはまたかと言う表情で辟易したが、口には出さない。
それこそがこの職場で生き残る処世術となっていり
「おい、これを行ったというのは本当か?」
「はい、警備隊からの報告ではそのようです」
「警備隊が信用できるのか?」
すでにバームの脳内では家族がそんなことはしないという考えが固定化していた。だからこそ、報告書を信じようとは思わなかった。
「仕方ねーな。少し出てくるぜ!」
バームはスタッフに述べると事務所を出る。向かう先はもちろんドーランの事務所だ。
「お頭……」
「おう、安心しろ! お前たちの無念、見事晴らしてやる‼」
済まなそうな表情を見せる、ユウたちに因縁をつけた男たちは期待の眼差しでバームを見送った。
「おう、邪魔するぜ。ドーラン!」
ぶっきら棒に扉を開けると礼儀のというものはなく、ずかずかと中へと入った。
「許可を出した覚えはないのですが…… まあ、いいでしょう」
「早速だが、警備隊の報告書、あれは間違っているだろ」
「間違っていませんよ。事実です」
「ああ、何言ってやがる! 俺の家族があんなことするわけがない。百歩譲ってあったとしても、お前のところの人間が挑発したんだろ!」
意外と鋭い。ドーランは内心で呟いたがおくびにも出さない。
「していません。あの報告書が虚偽であるという証拠は?」
「ああ、証拠? そんなもの関係ないだろ! やっていないのだから!」
「話になりませんね…… バーム、お帰り下さい」
「テメェ、大人しくしていれば‼」
沸点の低さも彼の短所であった。思い切り机を叩きつけると事務所内がシンと静まる。
「まったく、どうしてあなたはこうして荒っぽいのですか? 警備隊を呼んでください」
すでに職員は警備隊を呼びよせていた。ものの数分で駆け付ける。
結果として、バーム諸共処分が下された。
プラス十日で二十日間の業務停止である。
男たちは顔面蒼白でその知らせを聞き、下手なことはできないと身を以って知ったのである。
ユウスケの呑むペースが引き起こした件で、大騒動に発展したことに彼は痛く反省するのであった。
気付けば俺たちの周囲は警備隊に囲まれていた。それぞれ規格に沿った武器で武装し、男たちの戦意は挫かれた。
「はい、みなさん。そこまでですよ。血の気の多い鉱夫の方々なので多少は見逃しますが、今回はダメです」
一見優しそうな男は男たちに向かって言い放つ。
「なんでだよ。俺たちはこの姉ちゃんにお酌してもらいだけだぜ」
「私はするなんて言っていないわ」
「だそうですよ」
「嘘言ってるんじゃねーよ!」
「見苦しいわね」
「人数に頼って二人に喧嘩を吹っ掛ける。さらには周囲の方々にまで恐怖を伝播させる。これは厳罰ですね」
男たちは優男から言葉が出てくるごとに顔色を悪くさせる。
「さて、どうします。これ以上足掻いても良いことはありませんよ」
「わ、わかりました……」
男たちのリーダー格はあっさりと降参した。彼の仲間たちも大人しく指示に従った。
警備隊の者たちは男たちを連れて行く。どこか俺たちを恨めしそうに眺めているのは筋違いってもんだろう。
「ご迷惑をお掛け致しました」
「いえいえ、私たちはこれが仕事ですので。ですが、あの挑発はやり過ぎですよ。ここはあなた方の居住する階層ではありません」
「そうですね。反省しています」
「まあ、いいでしょう。反省してください。あと、あなたの判断は間違っていませんでした。ああして時間を稼いでくれたおかげで被害無く治りました。それでは、失礼!」
優男はそう述べると男たちを引き連れて去っていった。
この街は特殊だ。普通の街ならば量刑に従って罪を償う。償い方は色々だ。
しかし、ここ城塞都市ヘレルはその大半は鉱夫という職業に就いている。故に、再犯防止、犯罪抑止の観点から採掘作業停止処分が科せられるのが常だった。
鉱夫は働いてなんぼだ。その月の給料は保証されていない。怪我などは保障されるものの10割支払いは望め無い。
だからこそ、どんなに粗い者でも、此処に居る以上は大人しくなる。
だがこの日は血の気が多すぎ、墓穴を掘ってしまった。
「ふー、戦うことがなくてよかったわ」
リッカは大きく息を吐き出した。それと共に、周囲の人々も何事も無かったかのように動き始める。
「最悪は戦っていたんだぞ」
「そうね。元はと言えばあなたが酔い潰れたからよ」
「ウッ……」
そう言われては言い返す言葉もない。
「とは言え、反省はしているわ。あの人の言った通り、ちょっとやり過ぎたわ」
家に帰ってから聞いたのだが、すぐに警備隊の者が駆け付けると予測しての行動だったらしい。少しでも時間を稼げれば戦うことなく済むとリッカは賭けに出たのだそうだ。警備隊の男が言った通りだった。
翌日、俺はドーランに呼び出された。
内容は言うまでもなく昨日の揉め事だ。
あの男たちは十日間の業務停止が言い渡されたらしい。それが重いのかどうかは分からないが、二度目はないとの事だった。
次、似た様なことをすればここでの仕事は出来なくなる。言い換えれば安定し、高収入が望める仕事を自らの咎で失うというのだ。それは彼らにとって死を意味すると言っても過言ではない。
「ユウさん、元はと言えば、あなたが酔っぱらったことが原因だとか」
「うっ…… はいその通りです」
その様に答えるとドーランは額に手を当てて天を仰いだ。
「いいですか、あなたが外で揉め事を起こすような人ではないと思っていましたから言いませんでしたが、これは看過できません」
そこで言われたのは、各階層責任者は鉱夫の管理運営を行っている。その中で、いかに生産量を上げるかの勝負を行っているのだ。
「勝負とはいえ、みなさんに還元されることなので勘違いしないで下さい。私一人が美味しい思いをしているわけではないのです」
目標を達成すればボーナスを、それが続けば待遇の改善を。各チームが勝負して好成績を上げれば必ず応える。
「はい」
「いいでしょう。とはいえ、酔っぱらってしまったことは仕方ありません。ですが、奥さんを確りと守れないのであれば問題ですよ。ここでは厳しい処罰が待っていますが、元々は血の気の多い人が集まっているのです。皆優しいだけではないのですからね」
俺はドーランに諭されるといつもの仕事に就いた。
「とは言え、他階層での揉め事は問題ですね…… それに、あの階層の責任者は、あー面倒ですね。これは……、はぁ逃げ出したい……」
ドーランは事務所に戻ると早速今回の報告書を読み込んだ。
流れは聞いていたが、警備隊からの報告書は初めてだった。そこで知ったのは、彼が苦手とする男の階層だった。
男の名はバーム。辺境出身ながら身一つで現場責任者の地位へと上り詰めた苦労人だ。だからこそ、ここでの苦労は痛いほどわかる。故に、バームは自らの階層の従業員を家族と呼び、どんな者でも大事にする男であった。
「また、あの男の仲間を守る口上を聞かないといけないのですか……」
仲間思いとは裏腹に、バームには一つ欠点があった。それは強い先入観を持ってしまうことだった。こうだと思えば只管突き進む困った男である。
「まったく、俺の家族が悪さをするわけがないじゃないか!」
案の定、同じ頃に警備隊から届いた報告書を呼んでいたバームは机に紙を投げ捨てると言い放った。
彼を支えるスタッフたちはまたかと言う表情で辟易したが、口には出さない。
それこそがこの職場で生き残る処世術となっていり
「おい、これを行ったというのは本当か?」
「はい、警備隊からの報告ではそのようです」
「警備隊が信用できるのか?」
すでにバームの脳内では家族がそんなことはしないという考えが固定化していた。だからこそ、報告書を信じようとは思わなかった。
「仕方ねーな。少し出てくるぜ!」
バームはスタッフに述べると事務所を出る。向かう先はもちろんドーランの事務所だ。
「お頭……」
「おう、安心しろ! お前たちの無念、見事晴らしてやる‼」
済まなそうな表情を見せる、ユウたちに因縁をつけた男たちは期待の眼差しでバームを見送った。
「おう、邪魔するぜ。ドーラン!」
ぶっきら棒に扉を開けると礼儀のというものはなく、ずかずかと中へと入った。
「許可を出した覚えはないのですが…… まあ、いいでしょう」
「早速だが、警備隊の報告書、あれは間違っているだろ」
「間違っていませんよ。事実です」
「ああ、何言ってやがる! 俺の家族があんなことするわけがない。百歩譲ってあったとしても、お前のところの人間が挑発したんだろ!」
意外と鋭い。ドーランは内心で呟いたがおくびにも出さない。
「していません。あの報告書が虚偽であるという証拠は?」
「ああ、証拠? そんなもの関係ないだろ! やっていないのだから!」
「話になりませんね…… バーム、お帰り下さい」
「テメェ、大人しくしていれば‼」
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「まったく、どうしてあなたはこうして荒っぽいのですか? 警備隊を呼んでください」
すでに職員は警備隊を呼びよせていた。ものの数分で駆け付ける。
結果として、バーム諸共処分が下された。
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