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第 一章 落雷から始まる異世界転生

第 4話 魔法と初バトル!

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    「せっかく魔法が使える世界に来たわけだし、ちょっと練習しておきたいけど、今使えるのは〈鑑定〉しかないんだよねぇ。そこで困った時のユニークスキルって事で。『オーケー・検索』。」

    ピポッと頭の中で効果音が鳴ると、目の前にステータス画面と同じサイズの画面が浮かんだ。

「『魔法』を検索っと、ポチッとな。」
検索ボタンをタップする。

    (必要魔力百です。『実行』しますか?)

    「あれ、質問が曖昧だからかな。結構魔力要るなぁ。これは気をつけて利用しないとすぐ魔力切れをおこすな。この世界でもご利用は計画的に行かないとな。注意しよっと。」

ここは、必要なので『実行』をタップする。

    タップした瞬間、体の中から何かエネルギーがごっそりと消えていった。

(ピロ~ン♪『魔導の極み』によりスキル『魔力感知』、『魔力操作』が上がりました。)

またまた頭の中でアナウンスがあった。
どうやら先程のごっそり無くなった感じのあるモノが魔力って事らしい。

    画面には、ズラリと魔法関連の目次が表示されている。本当に検索ソフトだなと改めて納得する。

    表示されている項目の中から、〈魔法の発動方法〉をタップする。

    (検索結果・魔法を発動させるには、キーとなる〈魔法名〉を唱えると共に、魔法でおこす現象を強くイメージして〈魔力〉を〈魔法名〉に乗せて放出して下さい。具体的なイメージで有ればあるほど、成功率が上がり、また威力や射程、効果も上がります。)

    成る程。イメージすることが大切なんだな。〈魔法名〉ってこの世界のは知らないからなぁ、地球でやってたオンラインゲームの魔法を試しに使ってみますか。あれなら使っていたしイメージもバッチリ想像できるな。

   まず 前に右腕を伸ばし、手のひらを前に向けゲームの時を思い出して火の矢が飛んで行く場面をイメージし、検索した時に感じた体内のエネルギーを声に乗せて放出するつもりで『ファイヤーアロー』と唱えると、手のひらの前に火の矢で出来て一本現れた。と同時にお馴染みになりつつあるあのアナウンスがきこえる。

(ピロ~ン♪〈火属性魔法Lv1〉を覚えました。属性魔法を習得したので、〈職業・魔法使いLv1〉を習得しました。スキル〈魔力感知〉、〈魔力操作〉のレベルが上がりました。『魔導の極み』により、〈魔法創造〉のスキルを覚えました。)

    頭の中でアナウンスが流れた。アナウンスが終わると同時に現れた火の矢が飛んでいった。約三十メートル程直進してから大きく弾けた。

    「おおう、マジ出来たよ。ゲームの呪文でもいけるんだなぁ。あと、何かとんでもないスキルを覚えたとか聞こえたな。後で要鑑定しよ。魔法自体は散々ゲームで使ったモノだからイメージしやすいな。よし、ォンラインゲームで使っていた魔法を一通り試してみるか。」

    しばらくの間、あれこれと各属性魔法を試してみた。その都度スキル獲得のアナウンスがあった。
    結局神様の言ってた通り、全属性を習得したけど、まだまだスキルレベルか低いからか、単体向けの魔法しか覚えなかった。早く範囲魔法が使えるようになりたいものだね。

    いい気になって、練習のやり過ぎで大分魔力を消費したからか、急に頭がクラクラし始めた。そこで一旦魔法の練習は止めて、次に武器の練習を始める。

    装備したバスタードソードを抜いて、小中高大学の学校時に家の祖父に強制で仕込まれた古流剣術の要領で構えてから剣を振る。このバスタードソードというのは基本片手剣だが、柄が長くなっており両手でも振る事が出来る片手半剣と云われるモノだ。二度三度と振ると、お馴染みのチャイムがなった。

    (ピロ~ン♪『武技の極み』により、〈剣技(神刀流)Lv2〉に上がりました。このスキルを得た為、『職業・剣士』を得ました。
〈技・強打〉を覚えました。)

剣士になったとアナウンスされた。とたんに、構えのぎこちな振るえるさが消えてスムーズに剣が様になった。

    色々試している内に時間がたち、太陽が真上になりつつあったので、慌てて剣を納めて移動を始めた。

    それで町のある方向がわからない事に突然気が付いたので、神様のアドバイスにあった通り『世界の理』を使った。

    「〈オーケー・検索〉。」

 ピポッ♪起動音と共に検索画面が目の前に浮かび上がる。

「検索ワードほ、『周辺のマップを知りたい。』」

画面が切り替わり、表示される。

「必要魔力が五十か、結構多く消費するなぁ。残り魔力は七十か...さっきよりは回復したが、残りギリギリだな。魔力量管理は注意しないといけないなぁ。しかしここはやるしかないな。」

『実行』をタップすると、またごっそり魔力が抜け頭がクラクラとしてきた。先程よりも、気持ちが悪い。

    半透明の画面に周辺の地図が表示される。真ん中に白く点滅する点が現在地のようだ。
背後の森は北側に広がる感じで、草原が南に広がる地形で地図の南の端に東西に伸びる道があった。画面の端に何か表示されている。

(マップを常駐化しますか?Y/N)

    ここは、迷わずYをタップした。すると、視界の隅っこに先程の地図が表示された。

    (ピロ~ン♪スキル〈マップ表示〉を覚えました。)

    アナウンスがあり、視界の邪魔にならない様に位置を動かそうと思ったら、考える通りに動かせたので早速マップを調整した。

  「なんてご都合主義なんだ(笑い)。スキルならその都度魔力を消費しないですしね。」

嬉しさにニンマリしてしまった。

    まずは道に出るために南に向かって歩き出した。マップで、距離感がまだ掴めないので幾分急ぎ足になりながら歩いていると、前方の草むらからゴソゴソと音がし、草むらの間から一本角の中型犬サイズの白いウサギが一匹現れた。

    「うお、魔物か。できれば町まで会いたくなかったなぁ」

    ぼやいている内に、角ウサギは戦闘態勢を整えていると、慌てて剣を抜いて構えるのと同時にその角ウサギが突っ込んできた。やはり初戦闘ということで、知らずの内に緊張していたらしく反応が遅れた。
腹へのドシンとした音と衝撃と角による痛みで一瞬息が止まるかと思った。
痛みにうずくまりそうになったが、それをなんとか我慢して剣を振るった。しかし体勢が崩れていたので空振りをしてしまう。その隙にウサギは離れていく。

    「落ちつけ俺。相手を良く見ろ。」

    そう自身に言い聞かせて、改めて構えると、再びウサギが突っ込んでくる。相手に合わせ大振りしない様に注意して踏み込むと、草むらに足を取られて前にこけた。

    「ああっ!」

    思わず叫んだが、剣が勢い良くスッポ抜けていった。

「ピィーッ!」

    何故か悲鳴をウサギがあげたので、慌てて顔を上げて前を見ると、運良くスッポ抜けて飛んでいった剣が突っ込んで来たウサギに丁度正面から突っ込んできて来たらしく刺さっていた。

    (ピロ~ン♪身体レベルが上がりました。『武技の極み』により、『職業・剣士』のレベルが上がりました。スキル〈投擲Lv1〉を覚えました。技〈二段切り〉を覚えました。)

    「フ~。運が良かったんだなぁ。危なかったよ。」

今さらながらに怖くなってきて身震いをする。

    剣を拾い、血を拭って鞘に納める。倒したウサギをインベントリィに収納して道に向かって再び歩き出す。

    その後は魔物に遭遇することもなく順調に道にたどり着いた。マップを眼の端で確認すると、西の方向に町がある様なので町に向けて歩き出す

    「町までまだあるなぁ。ああ、腹へったなぁ。」

ついボヤキながらも町に向かった。先はまだまだ長いねぇ。







     








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