神様、幸運なのはこんなにも素晴らしい事だったのですねぇ!

ジョウ シマムラ

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第十三章 何でも準備中が一番楽しいのさ。

第254話 今日の料理。(芋編)

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    明後日にイーストンへ出発する予定のこの日。先日リヒトの市場で買い求めたバロン芋を使い、あのジャンクフードをまず作ることにした。
まあ普通にポテトサラダでもよかったのだが、無性にアレが食べたくなったのだ。そう、『フライドポテト』だ。 

    日本に住んでいた頃はよくファーストフード店でお世話になりました。
メインの筈のハンバーガーよりもカリカリに揚げられているフライドポテトの方が好きだった時期もあるほどに。
しっかりと塩の効いたカリカリの歯応えが堪らなく好きだったな。個人的には細く切られていて、少し揚げすぎではと思われる位の揚げ具合の塩味が好みだが、
店によって太さや長さや
、ポテト自体に味がついている物や塩だけの物。正に種々様々だ。但し、時間がたって蒸気で湿気ってしまった物は頂けないな。テイクアウトして、家で食べるフライドポテトはちょっと残念だったりする。

    勿論、セットメニューミニサラダが着いていたりするのもあるが、私は専らフライドポテト派だ。
しかも、ハンバーガーは後回しでもポテトから食べるほど好きだ。その私が偶然とはいえ、ジャガイモ擬きを手に入れた訳である。もう、作るしかないよね、ね?

    まずは、作るに当たり、作り方を調べねば。前は専ら買って食べるだけだったので、作るとなると丸っきり分からん。
そう、そんな時はこれだ。

「〈オーケー・検索〉。」 

ピポッ♪
効果音が鳴った後に何時もの検索画面が現れる。 

「えーと、検索ワードは〈ガイアワールドの材料を使って作るフライドポテトの作り方〉っと。ポチッとな。」

実行をタップする。

(検索実行するには、魔力が三十必要です。実行しますかY/N。)
「」
こかは勿論Yでしょう。ポチッとな。迷わずタップする。

(検索結果・フライドポテトの作り方。・・・・。)

    買ったのは新ジャガなので、まだ発芽はしていない筈だが、〈サーチ〉で確認はするが、多分大丈夫だろう。

〈サーチ〉で発芽していない物を選んで、水でよく洗うと、ナイフで皮を剥く。
剥き終わった芋は、水気が多いので乾燥した布巾で包み、余分な水気を拭き取る。そうしてから、荒千本に切る。ここでも水気を拭き取り、いよいよ油で揚げる訳だ。

    職業を『料理人』にしてある為か、油で揚げるタイミングは、何となく分かる。やはり、水気が多いので油が跳ねたりして、何回か危ない目に会いそうになるが、武術で鍛えられた反射神経が跳び跳ねた油を見事に避ける。

    そうこうしていると、中まで火が通った様なので、揚げていたポテトを引き揚げる。本当なら油切りをしたいので、キッチンペーパー等があれば良いが、流石にないので十分油を落とした後に綺麗にした紙袋に入れて、家の特製甘塩を中に振りかけてガシャガシャ折れない程度に振って混ぜる。余分な油は紙に吸われて丁度良くなる予定だ。

    さて、出来はどうかと試食してみると、中がホクホク、表面はカリカリ、油の甘さと塩加減がよくて、止まらない止まらない。

(あ~、コーラが欲しいぜ。)

流石に後の方は油がキツくなって、沢山は食べられない感じだが、少量なら十分美味しい味だ。

(ピロ~ン♪『魔導の極み』により、『職業・料理人』が上がりました。)

思った以上に良い出来だ。そこで、量産をする。ついでに、ビルさんに新商品としてプレゼンするために、多めに作る。
料理道具も開発しないと、使い勝手が悪い物が多いので、ジンテツ親方にこれも要相談だな。

    続いての料理は、王道のポテトサラダだ。
実は私、ポテトサラダには拘りがあって、芋を吹かして皮を剥いた後、全部潰さずに芋の固まりを残した、家の地方でいう所の半殺しタイブが好きなのだ。
全殺しまたは、皆殺しという、芋を跡形無く全て潰すポテトサラダはあまり好きではない。合わせる具材はニンジンと玉ねぎのスライスで十分だ。
早速、料理開始。芋を取り出して綺麗に水洗いする。皮が着いたまま茹でるので、ここはしっかりと洗う。
次にお湯を沸かして、洗った芋を皮付きのまま茹でる。そしてしっかりと芯まで茹でる。茹で上がったかは、竹串で刺してスンナリ芯まで刺されば茹で上がった証拠。お湯を切り、芋を取り出して、乾いた布巾で擦ると皮が簡単に剥ける。
全ての芋の皮を剥いたら、スリコギで剥き終わった芋を半分だけ潰していく。ここで良い気になって潰しすぎると皆殺しになってしまうので注意が必要だ。
一旦芋を置いておき、合わせる野菜を準備する。本当は茹でている間に用意すべきだったが、久々に作るために手順を忘れていたのが本当の所だ。何事も段取り良くはいかないようだ。(笑)

    玉ねぎの皮を剥いて、中身を洗うと、薄くスライスする。辛味を取るために一旦水に晒す。次に茹でたニンジンを皮を剥いて扇状に切り半分潰した芋に投入。晒した玉ねぎのスライスは水をしっかりと拭き取って同じく芋に投入する。

    ざっくりと混ぜた後に、影の主役マヨネーズを投入して、更に全体が馴染む様にかき混ぜる。隠し味に胡椒と塩を少々振りかけて、更に混ぜると出来上がり。オオガミ家特製ポテトサラダの出き上がりだ。

    興味深く見ていた料理長が試食しても良いかと聞いてきたので試食させると、これは旨いと教えて欲しいと言ってくる。
このメニューもエチゴヤのカフェでだすから口外禁止で教える。早速今晩の副菜に作ってみるとのことだった。これは皆に好評で朝昼晩問わず定番のメニューとなる。

    少しずつだが、食事のメニューが増えていき、私としても有難い限りだね。





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