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第二十一章 帰っても忙しい毎日。
第427話 新しい日常 。
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ツールに戻ってから既に一週間が過ぎた。七の月も早くも三十日の月末となり、明日からは八の月となる。そして今日は定例の報告会を昼過ぎ二時から行う予定だ。
半年近く実務を各部署に任せ切りだったので、年の後半はシッカリと統治しないとね。無責任と言われかねないからな。
では、朝飯も済んだことだし、腹ごなしにちょと運動をしてきますかね。久々にカラダを動かすので、練習用に木剣をインベントリィから取り出すと、左手に持ちながら練兵場に向かった。
練兵場にはまだ朝が早いためか、騎士団のメンバーはまだ現れていなかった。
練兵場の端で準備運動から始め、入念に準備運動をして体が暖まって来ると、早速木剣を構えて型の練習から始めた。
念入りに青眼からの素振りを始め、引き続き何時もの九方向の素振りに移る。何れも手抜きなく、素振りでの風切り音をチェックしながら、一本一本丁寧に振り込んだ。
それが終わると、神刀流の稽古に移る。ここでの神刀流の稽古は、主に『気』を体内に循環させるだけだ。流石に〈奥義〉の練習を人目のある練兵場では行う訳にはいかないのだ。一応、神刀流は一家相伝なので、例え知人の者であっても、これを伝える事は許されないのだ。まあ、俺の息子が出来たなら考えるけどね。何年先になるか分からないけど。
続いて、練兵場の端からもう一方の端までを、素振りをしながらダッシュしたり止まったりしながら走り抜けた。
次第に走る速さを上げていく。
走りは次第に速くなり、ただの走りながらの素振りから、見た目はダッシュしているだけ、又はダッシュしている姿さえ掠れて見えなくなる時がある程だった。
そんな中で、いつから来ていたのか、声を上げる者がいた。
「誰だろうな?凄いな。姿が消えている。実際どうやっているのかな?」
「おい、アレって閣下みたいだぞ。珍しいな。こんなに早い時間に練習なんてな。」
「なら、一段落したら稽古を着けて貰おうぜ。」
「そうだな。滅多にないからな。お願いしてみるか。」
「そうだね。頼んでみようよ。」
どうやら、騎士団の誰かが食後の鍛錬に出てきたようだ。
(どうやら人が集まって来たようだね。切の良いところで、止めとくか。)
素振りダッシュを切りよく止めると、素振りしていた木剣を止めて一息つく。木剣を肩に担ぐと額からの吹き出してくる汗を拭うと、団員のいる場所に向かった。
『お早ようございます。閣下!』
一斉にその場にいた団員が、挨拶をしてくる。
「ああ、おはよう。二人も鍛錬かな?」
「はい。いつでも出動出来るように、日々鍛えておこうと思いまして。」
「次の出動には、選ばれる様にしたいと思いまして。」
二人共に、ソレゾレ理由を上げて来た顔を見ると、マサムネとマサユキの最近若手二人だ。滅多に鍛錬している私と顔を会わせない為か、鍛錬している姿をガン見してきた。
「私に遠慮なく、鍛錬を始めなさい。時間は限りあるのだからね。」
そう言って、鍛錬をする様に促すと二人から遠慮がちに申し出てきた。
「その、折角閣下が鍛錬に来ている所に出くわしたので、先程していた鍛錬について、説明頂けませんか?」
そうマサユキが訊いて来たので、鍛錬について説明した。
「さっきしていた訓練内容の事かい?あれは、準備運動を兼ねた足運びと素振りの練習さ。しばらく振りに動いたので、体全体を動かしたくてね。時間もないから、一度に鍛錬したくてね。素振りと一緒にやっていただけだよ。」
「なるほど。」
「大変ですね。」
「私の事は気にしないで、君達も始め給え。」
「それもそうだな。」
「時間も勿体ないし、ゾロゾロやるか。」
一頻り二人と話した後引き続き、鍛錬を行う。今度は居合抜きをしながら、足運びの鍛錬をする。騎士団員とは違って腕や足に鉛のウェイトを着けてない私は、ウェイトに代わって最近は魔法を自分にかけている。
何かと言うと、〈グラビティ〉だ。
(さてと、これを掛けて始めるか。)
「〈グラビティ〉ニG。・・っと、久々の荷重だとキッツイなぁ。」
重く感じられる体を気にせず木剣を持ち上げると、そのまま下に振り下ろす。
荷重がかかっているためか、止めるための反動がキツかった。
しかし、柄の部分をしっかりと握りしめて反動を抑えた。
「よしっ。始めるか。」
自分で気合を入れてから、抜刀の型をとる。
腰を落としたまま、左足を引き右足を前に左手を鞘にそえて右手は柄に軽く乗せて、肩から力を抜く。その姿勢のまま最速で剣を鞘に戻してから柄から右手を離す。
「おい、あれを見たか?」
「ああ。見えなかったが、すごかったな。」
「あれって居合い抜きだろ?」
「ああ。流派によっては、抜刀術とも言うらしいね。」
「何れにしろ、ウチのボスは化物だよ。」
「そうだな。全くそう思うよな。」
(何か外野が騒がしいが、抜き打ちを続けようか。)
「全く外野は五月蝿いな。静かに鍛錬をさせて欲しい物だな?」
クチで文句をつけながらも、黙々と抜き打ちを続ける。
次第に、思う様に剣を抜ける感触に満足がいったのか、最後にバスタードソードを取り出して真剣にて練兵場の角に以前から用意されていた竹入りの巻藁に対し居合いで剣を振るった。
剣は見事に藁束を断ち切り、返す剣で切り残った藁を真二つに断ち切った。
結果に満足いくと、溜め息をつき、剣をしまう。全身の緊張を解くと、身体から汗が吹き出してきた。汗が止まってから、〈クリーン〉をかけて空を見上げると、太陽が真上に昇っていて、お昼が近い事が分かった。
丁度その時、サウルがお昼だと呼びに来たので、切りの良い所で昼にした。良い運動だったな。
半年近く実務を各部署に任せ切りだったので、年の後半はシッカリと統治しないとね。無責任と言われかねないからな。
では、朝飯も済んだことだし、腹ごなしにちょと運動をしてきますかね。久々にカラダを動かすので、練習用に木剣をインベントリィから取り出すと、左手に持ちながら練兵場に向かった。
練兵場にはまだ朝が早いためか、騎士団のメンバーはまだ現れていなかった。
練兵場の端で準備運動から始め、入念に準備運動をして体が暖まって来ると、早速木剣を構えて型の練習から始めた。
念入りに青眼からの素振りを始め、引き続き何時もの九方向の素振りに移る。何れも手抜きなく、素振りでの風切り音をチェックしながら、一本一本丁寧に振り込んだ。
それが終わると、神刀流の稽古に移る。ここでの神刀流の稽古は、主に『気』を体内に循環させるだけだ。流石に〈奥義〉の練習を人目のある練兵場では行う訳にはいかないのだ。一応、神刀流は一家相伝なので、例え知人の者であっても、これを伝える事は許されないのだ。まあ、俺の息子が出来たなら考えるけどね。何年先になるか分からないけど。
続いて、練兵場の端からもう一方の端までを、素振りをしながらダッシュしたり止まったりしながら走り抜けた。
次第に走る速さを上げていく。
走りは次第に速くなり、ただの走りながらの素振りから、見た目はダッシュしているだけ、又はダッシュしている姿さえ掠れて見えなくなる時がある程だった。
そんな中で、いつから来ていたのか、声を上げる者がいた。
「誰だろうな?凄いな。姿が消えている。実際どうやっているのかな?」
「おい、アレって閣下みたいだぞ。珍しいな。こんなに早い時間に練習なんてな。」
「なら、一段落したら稽古を着けて貰おうぜ。」
「そうだな。滅多にないからな。お願いしてみるか。」
「そうだね。頼んでみようよ。」
どうやら、騎士団の誰かが食後の鍛錬に出てきたようだ。
(どうやら人が集まって来たようだね。切の良いところで、止めとくか。)
素振りダッシュを切りよく止めると、素振りしていた木剣を止めて一息つく。木剣を肩に担ぐと額からの吹き出してくる汗を拭うと、団員のいる場所に向かった。
『お早ようございます。閣下!』
一斉にその場にいた団員が、挨拶をしてくる。
「ああ、おはよう。二人も鍛錬かな?」
「はい。いつでも出動出来るように、日々鍛えておこうと思いまして。」
「次の出動には、選ばれる様にしたいと思いまして。」
二人共に、ソレゾレ理由を上げて来た顔を見ると、マサムネとマサユキの最近若手二人だ。滅多に鍛錬している私と顔を会わせない為か、鍛錬している姿をガン見してきた。
「私に遠慮なく、鍛錬を始めなさい。時間は限りあるのだからね。」
そう言って、鍛錬をする様に促すと二人から遠慮がちに申し出てきた。
「その、折角閣下が鍛錬に来ている所に出くわしたので、先程していた鍛錬について、説明頂けませんか?」
そうマサユキが訊いて来たので、鍛錬について説明した。
「さっきしていた訓練内容の事かい?あれは、準備運動を兼ねた足運びと素振りの練習さ。しばらく振りに動いたので、体全体を動かしたくてね。時間もないから、一度に鍛錬したくてね。素振りと一緒にやっていただけだよ。」
「なるほど。」
「大変ですね。」
「私の事は気にしないで、君達も始め給え。」
「それもそうだな。」
「時間も勿体ないし、ゾロゾロやるか。」
一頻り二人と話した後引き続き、鍛錬を行う。今度は居合抜きをしながら、足運びの鍛錬をする。騎士団員とは違って腕や足に鉛のウェイトを着けてない私は、ウェイトに代わって最近は魔法を自分にかけている。
何かと言うと、〈グラビティ〉だ。
(さてと、これを掛けて始めるか。)
「〈グラビティ〉ニG。・・っと、久々の荷重だとキッツイなぁ。」
重く感じられる体を気にせず木剣を持ち上げると、そのまま下に振り下ろす。
荷重がかかっているためか、止めるための反動がキツかった。
しかし、柄の部分をしっかりと握りしめて反動を抑えた。
「よしっ。始めるか。」
自分で気合を入れてから、抜刀の型をとる。
腰を落としたまま、左足を引き右足を前に左手を鞘にそえて右手は柄に軽く乗せて、肩から力を抜く。その姿勢のまま最速で剣を鞘に戻してから柄から右手を離す。
「おい、あれを見たか?」
「ああ。見えなかったが、すごかったな。」
「あれって居合い抜きだろ?」
「ああ。流派によっては、抜刀術とも言うらしいね。」
「何れにしろ、ウチのボスは化物だよ。」
「そうだな。全くそう思うよな。」
(何か外野が騒がしいが、抜き打ちを続けようか。)
「全く外野は五月蝿いな。静かに鍛錬をさせて欲しい物だな?」
クチで文句をつけながらも、黙々と抜き打ちを続ける。
次第に、思う様に剣を抜ける感触に満足がいったのか、最後にバスタードソードを取り出して真剣にて練兵場の角に以前から用意されていた竹入りの巻藁に対し居合いで剣を振るった。
剣は見事に藁束を断ち切り、返す剣で切り残った藁を真二つに断ち切った。
結果に満足いくと、溜め息をつき、剣をしまう。全身の緊張を解くと、身体から汗が吹き出してきた。汗が止まってから、〈クリーン〉をかけて空を見上げると、太陽が真上に昇っていて、お昼が近い事が分かった。
丁度その時、サウルがお昼だと呼びに来たので、切りの良い所で昼にした。良い運動だったな。
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