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29 夢 ☆
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夜会から何事もなかった顔をして帰ってきた夜、ガラティーンは夢の中でトラウザーズを履いて、青年の恰好をしていた。ハリーとトミー、ジョニー、バーティと馬鹿話をしていた。
ガラティーンは彼らよりはいくつか年が下なので、「先輩が後輩に話を聞かせる」ていでハリー達は娼婦と過ごした時間の話をガラティーンに聞かせている。実際にそんな話を聞かされることは良くあった。
馴染みの娼婦の手管と、それについての仲間の反応を、ガラティーンは少し頬を赤くしながら聞いている。破廉恥な話を大声でするなと思いつつも、興味がないわけでは決してない。「こうすると男性は喜ぶようだ」という知識だけが積み重なっていくが、ガラには、それを実践に移す日が来るとは到底思えなかった。
「おい、ガラが赤くなってるぞ」
「刺激的すぎたかね」
ハリー達がガラのことをからかっているところに、アルがやってきた。
「楽しそうだなあ」
「こないだ、コーテザンのところに行った話をしてたんだ」
「大変興味深いね」
ガラは首をかしげて笑う。娼婦たちの技術の話も興味深いが、女性の体についての面でも興味深かったのだ。自分の体もそんなに敏感になって、しとどに濡れそぼるのか。乳首を吸われて声が上がるのか。気を失うほどの快感と言うのが実際にあるのか、と疑問に思っていた。娼婦は演技をしたりするというから、仲間たちは演技に騙されているのではないだろうかという気持ちがどうしてもぬぐえない。
いつぞやはアルもこの話に加わっていたことがあって、その時には「小さい胸の方が感度がいいと言われているけれど、大きい胸の女でも悪いわけではないと思う」と熱弁をふるっていた。ということは大きい胸の女の相手をしたことがあったのだろうとガラは思い出した。
アルは、自分のように大きい胸が嫌いではない、ということにガラは安心する。
「試してみたい?」
アルがガラの手を強く引いて、その腕の中に抱きしめる。
その瞬間にガラはトラウザーズからデビュタント・ボールの時のドレスに、着ていたものが変わっている。アルも夜会の時のイブニング・テールコート姿になっている。
二人は立ったまま、アルはガラのドレスの襟ぐりに手を入れて、左の乳房を持ち上げる。そしてハリーが言っていたように、乳首を舐めた後に軽く歯を立てる。
「んっ!」
ガラは、ハリーが言っていたように自分も声を上げてしまった。次にはアルは右の乳房も掴みだし、バーティが言っていたように左の乳首を口にしたまま、右の乳房も優しく愛撫する。
「あん、だめ」
また、バーティ達から聞いた話の通りにガラは声を上げる。次から次に、アルはガラの体に触れていく。
気が付いたらガラティーンは裸になって、いつかアルの剛直をしごいた部屋にアルと立っていた。ガラティーンは足の間の一点が熱を持っているような不思議な感覚に襲われていた。
ガラはアルの肉棒を握り、彼に言われた通りに力を入れてしごいていると、アルは眉根を寄せて、息を荒くしている。それはいつかと同じ光景だった。違うのはガラが裸になっているということだけだ。
アルとガラは向かい合っていて、ガラはアルのものを上下にしごいている。ガラにはわからないが、アルはガラの足の間をいじりつつ、胸の頂もいじっているような気がする。
なんだ、これは。なんの感覚?とガラはむずむずする足の間をこすり合わせる。そのよくわからない感覚が強くなってきた――ところでガラは目が覚めた。
「……夢?」
目が覚めてね、まだどことなく足の間がムズムズする。ひょっとして自分の足の間は、友人たちが話していたように濡れているのだろうかとガラは勇気を出して足の間の熱い箇所に右手を伸ばした。
「……ん」
快感かどうかはわからないけれども、感じたことのない刺激が走る。先ほど夢の中でアルが触ったところ――仲間たちの話から、そこから性的な快感を得られると知っていたところ――がここだ、とわかっている。そして、指先が粘膜の上に染み出してきているぬるっとしたものに触ったのでこれが「濡れている」ということかと思い、その濡れた人差し指を自分の顔の前に持っていき、軽く観察する。
アルが出した精液とは違うな、と思いながら自分の指を舐めてみたら生臭かったので、これに顔を近づけて舐めるという話をしていた仲間たちはなかなか勇気がある、と思った。しかし娼婦はあの、苦い液体を出す陰茎も口にすると聞いていたので、どっちもどっちだろうか。
ガラティーンは、この現象についてコーネリアにはまさか聞けないし、とため息をつく。いくらなんでもあのダニエルの様子ではまだコーネリアに手を出してはいないだろうし、それに自分の友人が自分の家族に嫁ぐのだ。詳しく聞き出すのも気まずい。
その時になったらアルが好きなように振舞えばいいだろう、という結論を出してガラティーンは伸びをした。
ガラティーンは彼らよりはいくつか年が下なので、「先輩が後輩に話を聞かせる」ていでハリー達は娼婦と過ごした時間の話をガラティーンに聞かせている。実際にそんな話を聞かされることは良くあった。
馴染みの娼婦の手管と、それについての仲間の反応を、ガラティーンは少し頬を赤くしながら聞いている。破廉恥な話を大声でするなと思いつつも、興味がないわけでは決してない。「こうすると男性は喜ぶようだ」という知識だけが積み重なっていくが、ガラには、それを実践に移す日が来るとは到底思えなかった。
「おい、ガラが赤くなってるぞ」
「刺激的すぎたかね」
ハリー達がガラのことをからかっているところに、アルがやってきた。
「楽しそうだなあ」
「こないだ、コーテザンのところに行った話をしてたんだ」
「大変興味深いね」
ガラは首をかしげて笑う。娼婦たちの技術の話も興味深いが、女性の体についての面でも興味深かったのだ。自分の体もそんなに敏感になって、しとどに濡れそぼるのか。乳首を吸われて声が上がるのか。気を失うほどの快感と言うのが実際にあるのか、と疑問に思っていた。娼婦は演技をしたりするというから、仲間たちは演技に騙されているのではないだろうかという気持ちがどうしてもぬぐえない。
いつぞやはアルもこの話に加わっていたことがあって、その時には「小さい胸の方が感度がいいと言われているけれど、大きい胸の女でも悪いわけではないと思う」と熱弁をふるっていた。ということは大きい胸の女の相手をしたことがあったのだろうとガラは思い出した。
アルは、自分のように大きい胸が嫌いではない、ということにガラは安心する。
「試してみたい?」
アルがガラの手を強く引いて、その腕の中に抱きしめる。
その瞬間にガラはトラウザーズからデビュタント・ボールの時のドレスに、着ていたものが変わっている。アルも夜会の時のイブニング・テールコート姿になっている。
二人は立ったまま、アルはガラのドレスの襟ぐりに手を入れて、左の乳房を持ち上げる。そしてハリーが言っていたように、乳首を舐めた後に軽く歯を立てる。
「んっ!」
ガラは、ハリーが言っていたように自分も声を上げてしまった。次にはアルは右の乳房も掴みだし、バーティが言っていたように左の乳首を口にしたまま、右の乳房も優しく愛撫する。
「あん、だめ」
また、バーティ達から聞いた話の通りにガラは声を上げる。次から次に、アルはガラの体に触れていく。
気が付いたらガラティーンは裸になって、いつかアルの剛直をしごいた部屋にアルと立っていた。ガラティーンは足の間の一点が熱を持っているような不思議な感覚に襲われていた。
ガラはアルの肉棒を握り、彼に言われた通りに力を入れてしごいていると、アルは眉根を寄せて、息を荒くしている。それはいつかと同じ光景だった。違うのはガラが裸になっているということだけだ。
アルとガラは向かい合っていて、ガラはアルのものを上下にしごいている。ガラにはわからないが、アルはガラの足の間をいじりつつ、胸の頂もいじっているような気がする。
なんだ、これは。なんの感覚?とガラはむずむずする足の間をこすり合わせる。そのよくわからない感覚が強くなってきた――ところでガラは目が覚めた。
「……夢?」
目が覚めてね、まだどことなく足の間がムズムズする。ひょっとして自分の足の間は、友人たちが話していたように濡れているのだろうかとガラは勇気を出して足の間の熱い箇所に右手を伸ばした。
「……ん」
快感かどうかはわからないけれども、感じたことのない刺激が走る。先ほど夢の中でアルが触ったところ――仲間たちの話から、そこから性的な快感を得られると知っていたところ――がここだ、とわかっている。そして、指先が粘膜の上に染み出してきているぬるっとしたものに触ったのでこれが「濡れている」ということかと思い、その濡れた人差し指を自分の顔の前に持っていき、軽く観察する。
アルが出した精液とは違うな、と思いながら自分の指を舐めてみたら生臭かったので、これに顔を近づけて舐めるという話をしていた仲間たちはなかなか勇気がある、と思った。しかし娼婦はあの、苦い液体を出す陰茎も口にすると聞いていたので、どっちもどっちだろうか。
ガラティーンは、この現象についてコーネリアにはまさか聞けないし、とため息をつく。いくらなんでもあのダニエルの様子ではまだコーネリアに手を出してはいないだろうし、それに自分の友人が自分の家族に嫁ぐのだ。詳しく聞き出すのも気まずい。
その時になったらアルが好きなように振舞えばいいだろう、という結論を出してガラティーンは伸びをした。
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