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46 忘れられない思い出を ☆

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 アルジャーノンはずっとガラティーンに口づけをしながら、少しずつ彼女の中で大胆に動き始める。ガラティーンも、アルジャーノンが少しずつ動いているうちにうまく快感を捕まえることができるようになってきたようで、彼が大きく動きだしても不満の声をあげなくなってきた。
「ガラ、ドーヴァーの宿では、きっと君を満足させるから。ごめん」
 息を弾ませながらもアルジャーノンは処女だったガラティーンに謝る。
「だいじょう、ぶ。アルと、ひとつに、なれて、それだけで」
 幸せそうな、そして淫らな微笑みを浮かべながらアルジャーノンに答えるガラティーンにまたアルジャーノンは口づける。そして二人は舌を絡ませながら、お互いの髪に指を絡ませながら二人の「初夜」を終えた。
 息をつきながらガラティーンはアルジャーノンの肩に頭を乗せる。アルジャーノンはそんなガラティーンの髪に口づけて、素敵だったよ、と囁く。
 ガラティーンは嬉しそうに微笑みを浮かべる。
「ねえ。初めてが列車の中でなんて、忘れられないだろう?」
「ガラとの初めてなんて、どこでだって忘れるわけないだろう」
「でも、君だって列車の中でしたことなんてないでしょ」
「……そういうことか」
 ガラティーンは、こういった関係になる前からアルジャーノンは「経験済」だったことを知っている。だからこそ自分との「初めて」を、「アルジャーノンにとっても初めて」にしたかったのかと、アルジャーノンは瞬きをする。
「私だって君の初めてが欲しかったんだ」
 してやったり、という顔をして笑うガラティーンの顔を見たアルジャーノンは、まだガラティーンの中に納まっている自分がいきなり勢いを取り戻したのをいいことに、驚くガラティーンを再度下から突き上げ始めた。


 ガラティーンは、アルジャーノンが彼女の中で2回達した後に疲れた声で「これを抜きたくない」と漏らす。
 アルジャーノンはびっくりしてガラティーンの顔を見ると、彼女は憮然としていた。
「こんなにぐちゃぐちゃになって……片づけるの大変じゃないか」
「……そういうこと?」
 残念そうなアルジャーノを見てガラティーンは冷たく返す。
「なんだと思ったんだい」
「……気に入ったのかなあと」
 その問いに関しては返事をしないであたりを見回すガラティーンに、アルジャーノンは自分のポケットからハンカチを取りだす。
「こんなになるなんて思わなかった……」
 アルジャーノンからハンカチを受け取り、自分の中から滴り落ちてくる精液や愛液を抑えながら立ち上がったガラティーンは、時分の中から抜いた後のアルジャーノンがまだもの欲しそうな状態でいるのを見て首を傾げる。
「……この続きは、ドーヴァーの宿でいいね?」
「……それでいいです」
 ハンカチは一枚では足りなさそうだったので自分のハンカチも出して身づくろいをするガラティーンを手伝ったり、ちょっかいを出して怒られながら、アルジャーノンも自分の身づくろいを終える。
 落ち着いてくると、室内には秘め事の後の匂いがこもっていることに気が付き、ガラティーンが慌て始める。
「リンダに怒られるかもしれない」
「そうだな……」
 窓を開けると煤が入ってきて、もっと怒られることになりそうだったために結局アルジャーノンがドアを開けることにした。何回かアルジャーノンが出入りをすれば、ある程度は空気が入れ替わるのではないかと考えたのだ。
「君は中でおとなしくしていてくれよ」
「もちろんだよ…」
 動きたくない、と言いながら座席に淑女らしくなくだらりと座っているガラティーンの頬にアルジャーノンはキスをしてからドアをゆっくり開けて、閉めるときも少しだけ開けて通路を歩いて、またゆっくりドアを開けて席に戻る。個室に戻ってくるたびに鼻をひくつかせているアルジャーノンの姿が面白くて、ガラティーンは大きな口を開けて笑う。
 3回目には諦めた顔をしているアルジャーノンを見てガラティーンはさらにけらけらと笑う。
 アルジャーノンは、どこかちゃんとした屋内のベッドの上で時間をかけてゆっくりと、ガラティーンのことをどこかの姫のように――姫というほどではなくても実際伯爵家の令嬢なのだが――大事に彼女の初めてをもらおうと思っていたけれど、そんなガラティーンの姿をみていたら自分のやりたいことがどうでもよくなって来ていた。
 しかし、ドーヴァーの宿の一夜は彼にとっては「ベッドで初めてガラティーンを抱く夜」なので、それはそれで特別なのだと彼女に告げた。その途端にガラティーンは顔を真っ赤にして、「私はそういうことは苦手だ!」と下を向いてしまった。
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