ギルド登録は市役所で

陽乃優一

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ステータス確認はコンビニで

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「で、夏樹なつき。お前結局どのくらいの魔力があるの?」
「んあ?MPのことか?んー、千弱くらい?」
「それでも大したことない魔力値なのか…」

 ギルド登録した時の僕のMPは3とかだったけか。涙が出てきた。
 もうマジで冒険者辞めようかな。ギルド証維持だけで登録続けるの悲しくなってきた。
 ツ◯ヤとポン◯のポイントが自動統合されるのは便利なんだけどさ。

「まあ、少しでも魔法使ってたらレベルアップしてるかもな」
「そうなの!?よし、明日市役所に…あ、週末か。夏樹、鑑定魔法ってないの?」
「んなもんねえよ。だから中二病は卒業しろと」

 その中二病か否かの境目が全くわからないんだけど。

「そんなに知りたきゃ、コンビニのコピー機で印刷できるぞ」
「できるの!?」
「ああ、ウチの市役所は対応してるな。確か、手数料三百円だったか」

 ああ、住民票写しとかと同じ扱いね。三百円…ワイルドキャット三匹分か。
 いかんいかん、モノの価値基準が魔物買取額と化してきた。
 とりあえず指名依頼で少し余裕があるし、一回くらいはやってみるか。



 下校途中に夏樹とコンビニに寄る。コピー機は…あったあった。
 メニューで行政サービスを選択して、ギルド証をかざして、魔力認証して、と。
 お、手数料はギルド報酬から引き落としか。ポイント残高も画面表示されて便利だ。

「えーと…あんまり印刷されてないな」

  姓:TODO
  名:KAITO
  年齢:15
  HP:3/4
  MP:3/3
  スキル適性:

 姓名がローマ字綴りなのは、他の国でも情報を利用できるようにするためだ。
 クレジットカードとかと同じ理由らしい。パスポート代わりにはならないのかなあ。
 年齢は生年月日から算出した値か。まだ誕生日が来ないから夏樹よりひとつ下だ。

「HPとMPの現在値と最大値っていつの時点のだろう?」
「そりゃお前、今現在だろ。さっき魔力認証したじゃん」
「え、魔力認証するたびにステータスチェックもしてるの?」

 それは…なるほど、これは確かにプライバシーの問題が大きいな。
 魔力認証しなければこうしてステータスを見ることができないとはいえ。

「それにしても、MPは諦めてたけど、スキル欄も空っぽとは…」
「よし、俺もステータス印刷してみるか」
「ねえ、それって僕へのあてつけだよねそうだよね!?」

  姓:LEINSTEIN=KISARAGI
  名:NATSUKI JULIUS
  年齢:16
  HP:84/87
  MP:997/1002
  スキル適性:火88% 水67% 空間34%

「ああ、MP最大値は千超えてたか。収納もう少し増やせるな」
「違うよね!?突っ込むとこそこじゃないよね!?」
「ん、ああ、水属性か?火属性よりも適性低いからほとんど使ったことないんだわ」

 もういいよ、勝手に解釈するから。ハーフか何かでしょ、はいはい。
 てことはあれか、その銀髪は染めたんじゃなくて自毛ですかそうですか。
 なにこのチートの塊。海鈴みすず姉さんは知ってるのかな。知ってるんだろうな。



「ステータス確認?ウチの市役所ならスマホにも対応してるわよ?」
「また夏樹にからかわれた…」
「あんたのスマホも指紋と魔力の両対応だしね。ちなみに、あたしはこんな感じ」

  氏:TODO
  名:MISUZU
  年齢:22
  HP:61/66(+30)
  MP:3579/3580
  スキル適性:風92% 闇89% 空間55%

「海鈴姉さんが化け物なのはいいとして、このぷら」

 …はっ。1時間ほど気を失っていたらしい。なんか鈍器の鈍い音が聞こえた気がしたけど。
 えーと、なんだっけ。ああ、そうそう。

「この+30ってのは?」
「それは、この指輪♪この指輪はねー、」
「あ、はい、聞きたくないです」

 夏樹からのプレゼントか。財源が海鈴姉さんで。
 なお、僕がその指輪を付けたら-5になってぶっ倒れた。呪いか。

「普通は何の変化もないはずだけど。あっても、-5ごときで気を失わないわよ」
「MP以前にHPが即死レベルなのか、僕は…」



「これは、スキル奪取の能力!スキル欄が空なのはそういうことか!」
「でも、HPとMPが酷くて、奪取スキルが使いこなせるか…」
「君ならできる!私と共に修行しようではないか!」

 三百年を生きる賢者にそう言われ、僕は次々と他人のステータスを探っていった…。

「地98%、光88%、…」
海斗かいと、ステータスが印刷された紙に書き込んでも何も変わらないぞ」
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