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新たな異世界編

じゃじゃ馬王女

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 バニールの街の高級宿の一室で大声でを上げるものがいた。

 「あの盗賊はなんじゃ、いきなり白い粉を出して逃げ負って成敗してやるのじゃ。」

 「落ち着いても下さい王女様、衛兵にも依頼しますので暫く宿でゆっくりして下さい。」

 そういうと騎士は衛兵の詰め所に向かった。自分達が今から捕まるとは思っていないだろうが。

 そのころ衛兵の詰め所では衛兵達が忙しくしていた。ダイスケの証言で王女が路地裏で襲撃しているとわかったからだ。冒険者ギルドと協力して情報を集めていた。

 その結果、ダイスケを襲撃した盗賊達がダイスケを盗賊として王女一行が襲撃したと証言した。その為、王女は捕らえる事は出来ないが同行者を捕らえる命がだされた。そうとも知らない王女の護衛は詰め所を訪れた途端捕まえられるのだった。

 「はなせ、なぜ王女の護衛のオレが捕まるのだ?理由をいえ。」

 騒ぎたてる護衛、詰め所の責任者が罪状をいう。

 「王女の護衛として失格だな路地裏で盗賊に襲撃されていた者を襲撃するとは落ちたな、王女一行がなねは盗賊の協力者としての疑いと言うかほぼ確定している。」

 「はあなんだと?アイツが盗賊ではないのか?」

 「違うよ、あれは新人冒険者です。王族とあろうものが登録したての新人冒険者を陥れようとはなぁ今後冒険者ギルドと揉めたくないのでな。」

 「しかし、俺達がその場にいた証拠はないぞ。証拠を見せろ。」

 「証拠か困ったな。」

 「証拠が無くて俺を捕まえては責任問題になるからな。」

 「何を勘違いしているのですか証拠はありますよ。これが確定すると言い逃れは出来なくなって立場がいっそう悪くなるのですよ。確認しなさい。」

 責任者がいうと衛兵は茶色の布を護衛の鼻に入れて回す。

 「何を、ぅうするか」

 抵抗するが茶色の布で鼻の中を拭かれた。すると白い粉が沢山ついていた。

 「やはり、出ましたね。襲撃された者が目くらましに使用したといっていましたから。」

 「あいつこのために白い粉をクソ!」

 「あらら、自分から自供しましたね。直ちに牢屋にいれて王女を任意同行、その他護衛も鼻の穴を調べて捕縛しなさい。」

 「「「は、」」」

 責任者はその後冒険者ギルドに報告にいった。




 ダイスケがギルドを出ると真っ白い人物が急いでやってくる。路地裏で遭遇した王女の護衛だった。

 冒険者ギルド前でいきなり抜刀して斬りかかってくる。その騒ぎにギルド内から人々がでてくる。

 「何ごとだ?」

 その中にはギルド支部長のワトソン・バーグレーもいた。ダイスケを襲っていた襲撃者は素手で制圧されていた。その光景に冒険者達は固まっていた。

 「支部長さんコイツらよろしくね。」

 「・・おぅ、わかった。しかし、お前強いな。まぁいい。コイツらつれていけ。」

 こうして王女一行はどんどん窮地にたたされるのである。

 
 ナターシャル・エドラルドは退屈であった。そこで過去の勇者の冒険記より路地裏に盗賊がいると知り盗賊を撃退しようと思ったのだ。しかし、実際は盗賊に襲撃されていた者を襲撃したのだ。
 
 阿呆なのか馬鹿なのか王女も護衛もその事に気づいていない。さらに冒険者ギルド前でダイスケを襲撃したからには言い逃れは出来なくなっている。

 「暇なのじゃ、酒場に行きたいのじゃ。」

 「ダメです。王女様!寝る時間ですよ。」

 そんなやりとりをしていると、王女のいる宿を大勢の衛兵が取り囲む。

 「ここに、ナターシャル・エドラルド王女様はいらっしゃるか?」

 「はい、いらっしゃいますが何用ですか?」

 不思議そうに答える亭主。

 「王女様には路地裏での盗賊疑惑と護衛による冒険者ギルド前での襲撃の容疑がある。ギルドに襲撃は間違いない。直ちに案内してくれ。」

 「はははい。こちらです。」

 階段を上がり部屋の前に案内される。

 コンコン

 「ナターシャル・エドラルド王女様、いらっしゃいますね。」

 「何やつ、王女様に何用だ。」

 中から護衛が出てくる。

 「王女様一行に盗賊疑惑と護衛による冒険者ギルド前での襲容疑があります。護衛達は捕獲、王女様には任意同行をお願いしにまいりました。」

 責任者の言葉に、怒る護衛。

 「証拠は?」

 「ありますよ。それと冒険者ギルドの証明書とこの街の代官や王国からの命令書もありますよ。」

 ここの街の責任者は有能で短期間で書類を揃えていた。言い逃れの出来ない護衛が王女に説明しにいったが、言うことを聞かない。よって護衛は全て拘束され事情聴取をされた。

 王女は宿で軟禁。事情聴取の結果、護衛達は王女のワガママに付き合わされてこの街にやって来て動いていた。真実の水晶で調べたので間違いはなかった。

 王女は王国から迎がくるまで軟禁、護衛達は一ヶ月間の謹慎処分となった。
 ダイスケには慰謝料としてかなりのお金が支払われたが、ダイスケは断り代わり少しのお金とベルドルラン男爵家の次男を断罪してくれと伝えた。
 このことによりベルドルラン男爵家は窮地に立たされていった。
 

 「ダイスケという冒険者覚えておれよ。」

 逆恨みをする王女の声が宿に響いた。
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