天才テイマーは魔物にチヤホヤされて過ごしたい!そのために厄介事を解決します!

蛇ノ眼

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最終章『ついにハーレム完成!なのに思ってたのと違うんですけど!?』

第84話「地下遺跡-調査開始」

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 遺跡の入り口は屋敷の離れにあった。
 塞いでいた板を取り除くと、地下に降りる階段が現れる。
 
「この板なんやろ?思うてたけど下に階段があるとはな」

 シャープが言う。
 ちなみに、シャープは庭で花に水をやっている所に探索団達が通りかかり、半ば強制的に連れて来られた。

「お子様達には内緒ですよ。入って遊んだら危ないので」


(カツンカツン……)

 列になって階段を下る。
 空気が徐々にヒンヤリとしてくる。
 
「もっと洞窟のような場所かと思ったっすけど……」

 ルートは周囲の壁を触りながら言う。
 壁は規則正しく灰色の石で組まれており、床も同じく石畳だ。
 自然に出来た穴ではなく人工的に作られた空間だと言うのが解る。

(カチッ)
 
「意外に広いわね……」
「リッティの街の下ほぼ全域に広がっているそうですからね……学校で習いましたよね?」
「うんうん、習いましたっす!で、その遺跡同士は秘密の通路で繋がっているとか」

 カレットもテイマーのはずなのだが、まるで他人事のように「そうなんだ」と返す。

「お嬢様……学校で一体何を学んでいたんですか?」
「わ!私は……テイマーに関係の無い事は覚えていないのよっ!」
「でも、結果カレット先輩が一番必要な遺跡になったっすね」

 ルートの悪意のない言葉にカレットはグゥと声を漏らす。
 
「いえいえ、美容のお薬は我々テイマーには必需品ですよ」
「え!?そうなんっすか!?」
「そりゃ、可愛いぃ~魔物ちゃんの横に相応しいテイマーでいないと魔物ちゃんに嫌われちゃいます」
「ウィンって変態の上にナルシストな訳?」
「せ……先輩は十分にカッコイイっすよ!」
「ルート……何赤くなってるのよ!?」
「カレットすいませんね、私は人間に興味がなくて……」
「謝られても困るわよ!」

 テイマー達による悪乗りトークを聞いていたシャープがふいに足を止める。

「なぁ?なんとなーくここまで付いて来たんやけど……何しに行ってんの?」
「シャープ何するか知らないで付いて来たのですか?」
「簡潔に言うと、ウチのお嬢様の美を追求するツアーだ」
「帰る。俺そろそろ夕飯しこまなアカンねん」
 
 シャープはそう言うと来た道を戻ろうとする。
 がすぐに足を止める。

(ザザザザ!!!!)

「?あれは何の音や?」
「水の音のように聞こえますね」
「誰か何かしましたか?」
「あれ?カレット先輩足元何踏んでるっすか?」
「え?」
 
 カレットが足をよける。ソコにはあからさまに他の部分の石畳と色の違う石畳。
 
「そういえば、ココに来て一番最初に『カチッ』って音がしたような気がするっす……」
「ああ、アレ何の音かと思ってたのよね」
「ていうか……何かマズイ気がするんやけど……」

(ザザザザザザザーーーーー!!!!)

 音はますます大きくなり足元が振動している。
 誰とも言わず声が上がる。
 
「あ!」
「なっ!?」
「み……」
「みずぅ!?」
「きゃぁぁーー!!」

(ザザザザザザザーーーーーッッ!!!!)


 一体どこから流れて来たのか。ウィン達は大量の水によって遺跡の奥まで流されてしまった。


 ――――――



(ザパァァァッッ!!)
 
 リーダは水と共に落下する感覚を覚えた。
 やっと体の自由が利く様になって、慌てて頭を振る。
 そこは、広い部屋になっていて大量の水は地面に広がり吸収された。
 
「お……お嬢様!」

 リーダは慌ててカレットを探す。

「そのお嬢様に言っとけ!もう少し周りに注意しろーって!」

 返って来たのは不機嫌そうな声だった。
 リーダから少し離れた位置で、ビショ濡れのシャープが丁度立ち上がろうとしている所だった。 

「シャープしかいないのか?」

 道はいくつかに分かれており、それぞれ別の場所に流されたのだ。
 リーダは状況を把握して「チッ……」と舌打ちをする。
 
「お前な……カレットの前でだけネコかぶんのやめーや」
「お前こそ変態主人の前ではゴロゴロニャーニャーしてるくせに」
「してへんわっ!」
「『お耳が感じやすいのですねぇ』てな感じなんだろ?」
「お……お前こそお耳が感じやすいのやろ?!」
「な……何!?」
「お?図星かい!?うらうら」
「キサマ!」
 
 しばらくお互いの耳をつねり合う。
 
「……ていうか、こんな事してるヒマちゃうんちゃう?」
「同感だ……」

 リーダは元の場所に戻れないかと流されて来た場所を探す。
 
「おい……もしかしてあそこから落ちたんとちゃうやろか?」

 壁の高い位置に穴が開いている。ソコからは水が流れた形跡があった。

「上れそうにあらへんな……」
「先に進むしか無いと言う事か……」
 
(カレットは大丈夫だろうか?無事だといいのだが……)

 リーダの考えている事は、その顔を見ればシャープにもすぐ解った。

「お嬢様なら大丈夫やって!ウィンも付いとると思うし」
「あの変態が付いているから心配なんだろ?」
「や、ウィンは人間には興味あらへんからまったくもって対象外!」

 紅一点というという言葉は、この集団にはまったく意味を成さないのであった。
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