勇者は魔王の右腕です

rakaiD

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一章

始まり

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カァァン キィン カァン キン キン キン
朝から鳴り響く鉄の音。これは決して
鍛治などの音ではなく剣と剣がぶつかり合う音である。まぁそんな音を出しているのは俺と魔王ベリアルしかいないんだけどな。

そんなことを頭の片隅に置きながら朝の特訓をしている訳だが、今日はなんだかリアの調子がいいみたいだな。

そう思いながら鍔迫り合いに持ち込まれた。

「おい、なんか覇気がないと思ったら考え事か?今日こそ勝つんだから手なんて絶対に抜くんじゃないぞ。」
「ああ、ごめんごめん。最近のお前、強いからな。どうしようか考えてたんだよ。」
「お、おう。ならいいけどな。とりあえず今日はこのまま押し切らせてもらうぜ。」

と言ってそのまま力任せに押し切ろうとするところを俺は絶妙なタイミングで力を抜き側面に周り攻撃をする。リアは体制を崩れながらも俺の行動を読んでたかのように振り下ろした剣を斜め下から切り上げような感じで剣を弾き体を上手いこと体を使って体制を整えてから距離を取ってきた。

二人ともすでの1時間以上、戦い続けて相当披露しているようだった。

「ああ!うぜぇ。次で決めてやるよ」

あ、でたでた 別がだいたいこうゆうことを言うとあいつは疲れてるんだよな。

「おういいぜ!決めてみろよ。」

俺が挑発気味に言うとリアは「言ったな!」といい、右足を引き同時に剣を後ろに置き、地面と平行にした。俺も負けじと剣を鞘にしまい、抜刀の構えをとった。二人がその構えをしてから動かなくなり睨み合いが続いた。
そしてどちらも動いた瞬間に笛が鳴り二人ともけった瞬間にブレーキをかけたためふた二人とも顔から地面に衝突した。

「御二方、時間でございます。」

そう言ったのは龍の尾をもちながらも 燕尾服を着こなしている獣人
魔王軍幹部 獣人部隊 隊長 テールであった。
テールは龍種の獣人でとても人前には出ない獣人だ。龍種の獣人は群れを嫌う習性があるのだが、リアが一人でいるところを見つけて誘ったら面白いくらいに喰い付いて魔王軍に入ったわけだ。
徒手空拳で戦うインファイターだ。
ちなみに俺の弟子だ。

「いった。いい調子だったのにな。」
「ほんとだよ!ここまで持ち込んだの久々だったのに!」
「と言われましてもそろそろ朝食の準備が完了する頃でございますし、御二人共、疲労困憊の状態ではませんか。やはり家臣としても、弟子としても、御二人のことは心配ですので。」
「ま、まぁ、そんなことを言われたら抵抗できねぇよな。」
「そうだな。」
「そんなことより朝食だな。」
「朝食に準備ができてから随分たってるので早めに行くことをおすすめします」
「…え、まじか。おいリア、急ぐぞ。」
「おう。急いで行くぞ。」

そう言ってすぐさま立ち上がり全速力で食堂に向かって走っていった俺達であった。

side  テール

まったく、あの御二人は剣も鞘に入れただけで元の場所に返さず食事に行ってしまうとは。まったく家臣のことを考えて欲しいものですね。それにしても、さっきの試合は凄かったな。1秒で何十回も剣を結びあって、それを1時間以上となるとスタミナが持たないはずなんだけど。私は戦う時は何も持たないし、師匠は私が師匠の懐に潜っても私と懐の間に剣をいれて弾き体を崩されるからむやみに攻めれないんだよなぁ。
ベリアル様もベリアル様でなんであんなに師匠と戦えるのかが未だ分からないんだよな。なんでだろうなぁ?う~ん?

「それはね、あの二人は君が来る前から何千と剣で戦っているからね。その手の行動も一度以上見てるからわかるんだよ。」
  ビクッ!!!
「あのですね、いつもいつも気配を消して後ろから来ないで頂きたいんですが。だいたいあなたはまだ任務中じゃないんですか  アマツさん?」

この方はアマツさんです。
お師匠様と魔王様の数少ない同期で
種族はお師匠様と同じ人類種
実力は私よりも相当上で主に諜報活動をしているお方である。
格好は人類種が生活する際に着る服を
いつも着ている。

「おいおい、釣れないね~  これだからロキくんに硬いって言われるんじゃないの?」
「グッ  ま まぁ硬いってことは認めましょう。ですが来てそうそう私の心を読むのは無礼だと思いますかね?」
「いやいや 心で質問してたから俺は説明してあげったってわけさ。」
「それで、なんのようですか?」
「そろそろ、勇者が攻めてくることを伝えに来たんだよ。」
「……すいません。その話は僕の心を読む前に言ってください。」
「それはね君が面白い質問してたからだよ!」(キラッ☆)
「ちょっと黙ってください。」(イラ💢)

そんなことをしながら私達は魔王様とお師匠様のところに急ぐのであった。
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