iラバーポエマーズ

鏑木ダビデ

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夢追い人

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星々がその高さから解放されるとき、憂い気な乙女は、恋誓う。
私の心はきっと満たされないまま、滑っていく。
祈りが、大きな君の瞳に映るロマンを映す鏡であったなら、僕は君のそばにずっといるよ。
だから、諦めないで。
風が、夜風が、君の肩にかかったその美しい黒髪を、すっとなでる時、神々の吐息が、君の唇に触れる。
僕は、震える。君の肩が悲しみに震える時、抱きしめる腕が、腰を支えて、君を導くトゥータティス。
「ほら、空は、永遠の静寂で、夢を見る、君のその心を愛した」
君は、まだ、泣いている。
だから、宇宙が落ちてくるその時まで、キスをしていようね。
愛してるの、愛しているのよ……。
慰めもなく散って逝った小鳥の少女たちは、もう夢を見れない。
そう、そんな少女たちが、泣いているなら、僕は癒しの奇跡で、包み込む。
どこかから、聞こえてくる教会の鐘の音。流れて、解けていくアヴェ・マリア。
ほぐしていくように、体を撫でて、君の頬の涙をぬぐう。
僕の使命は言葉で、解放をする、カーテンを開けるように。すっと入り込んでくるそよ風が、君の体をさらっていく、幻想の一夜。
夢を見て、声のままに、少女よ、夢を見て。
「私は、あなたを信じてる」
散って逝く小鳥は、もう、声を忘れたのかな。
でも、僕と君や、すべての夢追い人は忘れない。
目を見て、話して、世界を愛して、信じたら、泣きぬれた夕べに、マリアが君の夢を呼び覚ます。
追いつけない。
追い抜いて。
僕らはずっと夢追い人。
故郷を失って、神の国へ入ること、違う、故郷を出て、大切な人と出会うこと。
トランス・ドリーム・ドリーマー。
ビッグショット・弾丸・スモールナイトナイフ。
憧れの沈むころ太陽はきっと東の空から昇る。希望の兆しは星々を消していく。
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