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時はめぐる、空の公園

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穏やかな調べ、待つ、恋は、連弾の乙女、紳士の服、胸に白い薔薇の花、そえるコスモス、乙女の花瓶は生きる生きていく僕と女たち、散歩をする、朝の公園、鳥たちの姿はかき消されていく、夢が、愛が、心が、様々な思い出と、白鳥の翼、高く飛んでいく、その姿態は天使のベル、泣いている音が、鼻から吸い込んだ香り、木々のフォレスト・フォレスト・夢見るリピート・パラクシアス明日は始まる、今日が流れていく水晶の君は、透き通る時間。世界は、止まっている、僕と恋人を祝福するように。
朝の公園、涼しい風、初夏の日差しの中で、踊っている香影、見たままの生まれたままの湖が、キスとリスと、クルミの落ちてくる、この僕の前歯は、むず痒い、君の腕、白くて細い、あまがみして離したくない、跡ができた、それは、記憶の中の女たち、すべての肉体を受け取って、詩にして、血にしていく。まるで、朝日のヴァンパイアのように、僕を殺したければ、君の肉体を捧げて、花園に入っていく君の後姿は、まるで白鳥のシャーサ。
僕も行きたい、白馬に乗って、あなたを背に乗せて、空を飛ぶニンフは、嫉妬している手には優しい杖、時々落ちてきて、時を止めるように、放つ、魔法の杖。
繰り出される力、戸惑う僕が、ニンフの手をとって、導いていく、花園の鳥は、嫉妬して、空から、急降下、肩に止まって、ニンフの顔にくちばしを突っつく、それをキスと勘違いした僕は、嫉妬して、そっぽを向く。すると蚊が飛んできて、腕を刺した、会話をする。木々と、すると木木が嫉妬して、日差しを閉ざした、でも太陽は、朝だから、僕たちに嫉妬して、もう、暮れてしまった。朝の6時、初夏の中、花園を目指した僕らは、いつの間にか、夕暮れを迎えていた。
時は滑るように流れて、世界に嫉妬された僕と女たちは、世界すら恋をするこの美しい景色は、永遠だと言った、だから、ずっと時を止めてね、時間よ。そして、嫉妬はごめんだよ、僕はリス、愛を謳う真実の詩人。
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