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ギターノイズ

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自由の潜伏、世界を取る希望の照射は、ターゲット、踏みにじられた激情の、結末は、声、形、痛み、希望を越えて、鳴り響くギター、痛む心を投影した、ポップノイズ、輝きとカップの傾く塔に、乗り込んだ俺たちは、歌う、夜は、まだ来ない、来て欲しくない、お前は、幼い瞳で、車に乗り込んだ俺の横で、静かではない晩に、シートにうずまる、まるで、お腹を壊した少女のように、何を食ったんだ? 何ていって、ジョークをかます、キャデラックに傷があったからよ、と返して、走り続ける、夜を通って、傾いていく体に、サインを送る、鋭い中指の洗礼が、つきつける、葛藤と愛の十代の夢、フェザーギター、羽を切って、飛べるまで、待っている、ここは、静けさの似合わない場所、砕けていくスコアに夢を飛ばした、飛行機雲の空を行く軌道を愛した青春何て言うなよ、と言って、お前の頬に触れた明け方近くの川沿いで、車を止めた。
すると、お前は、俺に言う、
「自由にしたいなら、壊してよ」
俺は、川を、暗い川を、睨みつけて、小石を放り投げる、音を立てて、沈んでいく、その一瞬に恋をした、横を向くと泣いているのか、ミオミ、飛び続ける、圧力は、激情のギターをひずませて、俺を変えていく、変わっていくのは、お前だよ、ミオミ、
もう、ここは寒いから、俺のレザージャケットに包まれたいって言うのなら、色は赤よりも白よりも、黒、皮はやはりシープ、染まるように、空を染める、あの太陽が、眩しいから、眼を閉じて、欲しい、お前が欲しい、眼を閉じて、欲しい、星が消えてほしい、でも、朝、希望は消えない。
あの空に兆した、お前の笑顔が、大きな弧を描いて、飛んでいく鳥の群れに紛れた俺は黒、何処までも、目立たない、鳥は群れていく、でも逸れた、まるで、嫌う、すべてから嫌われても、キレないのは、お前との触覚、羽の感触に酔いしれて、車を出した、すると、キスの終わった時に、泣いていたお前が、笑うから、横を向いて、待っている、今は音楽よりも川の音、抒情の時に韻を踏んでいく会話は、センスよりも、投げやりなフレーズ凍りつくような俺の言葉を溶かしてくれるお前の体が、心よりも逸る心臓の音を混ぜ合わせて、朝は、くるから、昨晩にしたケンカと愛情のすれ違い、から解放されたい、甘い夢に滑っていく言葉が、夢を渡る鳥の中で、止まる、あの木の幹の上で、広がった世界を愛している、広げてほしい、翼よりも、その足を、ここでしようか、ミオミ感覚、俺は野蛮なソウル感覚融合のハンドルに切れていく視界の先で、映り込む、自由を上げる前に、お前の体をむさぼった、自由よりもお前の体、よりも、あの鳥を見上げた時に、涙した、
ミオミ、傷つきやすい鳥よ、君には白よりも黒が似合う、
ギターが死んで、スコアを越えて、歌は届く、切り裂くような切っ先のピックユニークシンデレラ、ドレスが、引っかかったら、ガラスを砕いて、俺のあれを切ってくれ、そして落ちていく、まだいくには早いから、ここで、車を沈めよう、川に飛び込んで、キャデラックが水没したら、笑い合って、手首を切ろう、
血がまるで赤潮のように、狂気に染まって、俺とお前は、鐘が鳴るまで、眠っている、
逃げたくない今から逃げる、
足がもつれて、俺はお前の夢を見続ける。



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