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第25話
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「大変です。ゴルジョケアの都には周辺の村々から難民が集まって暴動を起こす寸前まで緊張が高まっています。このまま軍を進めて刺激すると危険です。」
都の様子を偵察してきた兵隊さんの報告を聞いてリーネオさんは少し考える。ある程度、想像はしてたのか驚いたりはしなかった。ゆっくりと口を開く。
「よし、俺とリンだけで行こう。共は猿と狐のみで良い。」
「リーネオ兄、私も一緒に行こうか? 四人だけじゃ危なくない?」
「いや、青竜や白虎、金狼が一緒だと返って刺激してしまう。」
「じゃあ、この子達なら大丈夫でしょ。電、焔、旋、霰、翠、アンタたちリーネオ兄とリンに付いて行きなさい。」
シューナちゃんが声を掛けると小さな五匹の動物たちが一斉にこっちを見た。どっかで見たことあるような・・・。
「ぴー」
その内の一匹が私の足元に来て膝をぺちぺちしながら見上げてきた。抱っこしてって事みたい。頭から背中が赤と黒の虎縞だ。口の周りとかほっぺが白い毛で覆われてる。丸くてつぶらな黒い目が可愛いね。元気そうにキラキラしてるよ。
「その子は焔、男の子よ。アンタを守ってあげるってさ。」
「じゃあ焔くん、よろしくね。私は凛だよ。」
私は彼を抱き上げると目を見つめながら自己紹介した。そしたら焔くんは「きゅう!」って鳴いて抱きついてきたよ。可愛い! 尻尾も体も、もふもふだ♪
「俺のところに四匹は流石に多いな。旋、お前は猿の背中に行け。」
リーネオさんの肩や背中に居た四匹のうち、青と黒の虎縞の子がディーナーさんに向かってぴょんとジャンプした。結構、遠いのに風に乗ったみたいにふわふわと飛んで行く。そのまま、ディーナーさんの背中にしがみ付いた。
「そうか、この子たち!」
リーネオさんの肩の上から私を見つめる黄色と黒の虎縞の子、電くんの顔を見てて思い出した。女神ユマさんに貰った水晶スマホのSNSのスタンプで押されてた可愛い動物ってこの子たちだったんだ。
「この『霊熊猫』はとても長生きだ。250年くらい生きる。こいつ等も俺やリンより年上なのだぞ?」
都に向かうマントゥーリ君の鞍の上でリーネオさんが教えてくれた。焔くんは私の膝の上で丸くなって、ぐうぐう寝てる。その呑気な顔を見てると、とてもそんなに凄い生き物には見えないけどな・・・。
都に近付くにつれ街道には農民みたいな家族連れの人たちが増えてきた。皆、荷車の上に家財道具や小さな子を乗せて、暗い顔をしてとぼとぼ歩いてる。きっとお腹が空いてるんだね。早くなんとかしなきゃ・・・。
「リン、都に着いたら何が起こっても毅然とした態度で通せ。自信を持って話すんだぞ。」
都に着く寸前にリーネオさんが私に念を押した。自信は無いけど今は頑張るしか無い。大丈夫、この人やディーナーさん、そして姿は見えないけどクアーエさんもきっと一緒だ。小さな「助っ人」だって五匹も居るし、マントゥーリ君も頼りになるよ。
都の門の所までやって来ると、ゴルジョケアの兵隊たちと人々が言い争っていた。どうも中に入れろ、入れないで揉めてるみたい。
「どうしてだ、都には親戚が居るんだ。中に入れてくれ!」
「もう食べ物も無い。せめて子供だけでも何か食べさせてくれないか?」
「母親が体調を崩して大変なんだ。中の医者を呼んでくれ、早く!」
「都はもう難民で一杯なんだ。これ以上は入れない。食べ物の余分も無いんだ。我々も殆ど食べてない。医者たちも中の患者を診るだけで大変で、これ以上は無理なんだ。判ってくれ!」
ゴルジョケアの兵隊たちが必死になって説明してるけど、人々は口々に捲し立てる。これは良くないよ、本当に暴動が起きる寸前だ・・・。
「皆さん、どうか落ち着いて下さい。落ち着いて私の話を聞いてくれませんか?」
私はマントゥーリ君から降ろして貰って、興奮してる民衆たちに話しかけた。一人一人の目を見つめながら一生懸命にお願いした。気持ちが伝わったのか、皆少しずつ落ち着きを取り戻して行った・・・。その時だった。
「ああ! こいつ、敵に寝返った【戦巫女】のリンだ! 俺、知ってるぞ、こいつが勝手に国から出て行ったせいで凶作になったんだ。全部、お前のせいだ!」
私と目を合わせてなかった後ろの方の男の人が石を投げつけてきた。他にも木の棒とか鍬とかを持った人たちが駆け寄って来る。皆、目が血走ってて凄い怖い。けど、リーネオさんの言葉を思い出して頑張った。毅然とした態度だよ、私!
「きゅいーっ!」「ぴぃぃーっ!」
青い虎柄の旋くんの鳴き声と共に突然、私の周りに風が吹いた。私に向かって飛んできた石は全部、明後日の方向に弾かれて行く。
赤い虎柄の焔くんの鳴き声と同時に、後ろから飛んできた火の玉が興奮して駆けて来た人たちが振り上げた木の棒や鍬を焼き尽くして消し炭にしちゃった。
「うわぁ、痛い、冷たい!」「わあぁぁっ、痺れる、ビリビリするう!」
声のする方を見ると、白の虎柄の霰ちゃんが白い氷の粒々を放って暴れそうになってる男の人たちのお尻にぶつけてた。
黄色の虎柄の電くんもビリビリと電撃を放って石を投げてた人たちを痺れさせてる。
「あれを見ろ!」
落ち着きを取り戻した人たちの一人が道の脇に停めてあった荷車を指差した。荷車の上には荒い息をしてるお婆さんが寝かされている。汗も凄くて本当に辛そうだよ。そこに向かって淡い黄緑の虎縞の子、翠ちゃんがトテトテと歩いてゆく・・・。
「きゅ~う・・・」
荷車の上に昇って、苦しんでるお婆ちゃんの肩に手を置くと翠ちゃんは一声、優しく鳴いた。するとお婆ちゃんの体が淡い緑色の光に包まれる。途端に荒かった息が静かになって、顔色も良くなっていく。汗も引いて表情も穏やかになったよ。
「おお、母さん。奇跡だ、【戦巫女】リン様は奇跡を起こす『霊獣』を使役してるぞ。」
さっき、お母さんが大変だから医者を呼んで欲しいって訴えていた人が叫んだ。私が『霊熊猫』たちを使役してる訳じゃないんだけど。まあ、今は「そうだよ。」って顔をしといた方が良いね。
「皆、何を騒いでいる! 道を開けよ、ここを通せ!」
門の奥から、ゴルジョケアの兵隊たちを押し退けて誰かが出て来る。その人は私と顔を合わせた途端に地面にひれ伏してしまった。
「リン様、お帰りを心待ちにしておりました。どうか、あの時の無礼をお許し下さい。」
もう一度、顔を上げたその人は目に涙を一杯溜めていた。そう、私に良く手入れされた古い短剣をくれた、城の門番さんだった。
都の様子を偵察してきた兵隊さんの報告を聞いてリーネオさんは少し考える。ある程度、想像はしてたのか驚いたりはしなかった。ゆっくりと口を開く。
「よし、俺とリンだけで行こう。共は猿と狐のみで良い。」
「リーネオ兄、私も一緒に行こうか? 四人だけじゃ危なくない?」
「いや、青竜や白虎、金狼が一緒だと返って刺激してしまう。」
「じゃあ、この子達なら大丈夫でしょ。電、焔、旋、霰、翠、アンタたちリーネオ兄とリンに付いて行きなさい。」
シューナちゃんが声を掛けると小さな五匹の動物たちが一斉にこっちを見た。どっかで見たことあるような・・・。
「ぴー」
その内の一匹が私の足元に来て膝をぺちぺちしながら見上げてきた。抱っこしてって事みたい。頭から背中が赤と黒の虎縞だ。口の周りとかほっぺが白い毛で覆われてる。丸くてつぶらな黒い目が可愛いね。元気そうにキラキラしてるよ。
「その子は焔、男の子よ。アンタを守ってあげるってさ。」
「じゃあ焔くん、よろしくね。私は凛だよ。」
私は彼を抱き上げると目を見つめながら自己紹介した。そしたら焔くんは「きゅう!」って鳴いて抱きついてきたよ。可愛い! 尻尾も体も、もふもふだ♪
「俺のところに四匹は流石に多いな。旋、お前は猿の背中に行け。」
リーネオさんの肩や背中に居た四匹のうち、青と黒の虎縞の子がディーナーさんに向かってぴょんとジャンプした。結構、遠いのに風に乗ったみたいにふわふわと飛んで行く。そのまま、ディーナーさんの背中にしがみ付いた。
「そうか、この子たち!」
リーネオさんの肩の上から私を見つめる黄色と黒の虎縞の子、電くんの顔を見てて思い出した。女神ユマさんに貰った水晶スマホのSNSのスタンプで押されてた可愛い動物ってこの子たちだったんだ。
「この『霊熊猫』はとても長生きだ。250年くらい生きる。こいつ等も俺やリンより年上なのだぞ?」
都に向かうマントゥーリ君の鞍の上でリーネオさんが教えてくれた。焔くんは私の膝の上で丸くなって、ぐうぐう寝てる。その呑気な顔を見てると、とてもそんなに凄い生き物には見えないけどな・・・。
都に近付くにつれ街道には農民みたいな家族連れの人たちが増えてきた。皆、荷車の上に家財道具や小さな子を乗せて、暗い顔をしてとぼとぼ歩いてる。きっとお腹が空いてるんだね。早くなんとかしなきゃ・・・。
「リン、都に着いたら何が起こっても毅然とした態度で通せ。自信を持って話すんだぞ。」
都に着く寸前にリーネオさんが私に念を押した。自信は無いけど今は頑張るしか無い。大丈夫、この人やディーナーさん、そして姿は見えないけどクアーエさんもきっと一緒だ。小さな「助っ人」だって五匹も居るし、マントゥーリ君も頼りになるよ。
都の門の所までやって来ると、ゴルジョケアの兵隊たちと人々が言い争っていた。どうも中に入れろ、入れないで揉めてるみたい。
「どうしてだ、都には親戚が居るんだ。中に入れてくれ!」
「もう食べ物も無い。せめて子供だけでも何か食べさせてくれないか?」
「母親が体調を崩して大変なんだ。中の医者を呼んでくれ、早く!」
「都はもう難民で一杯なんだ。これ以上は入れない。食べ物の余分も無いんだ。我々も殆ど食べてない。医者たちも中の患者を診るだけで大変で、これ以上は無理なんだ。判ってくれ!」
ゴルジョケアの兵隊たちが必死になって説明してるけど、人々は口々に捲し立てる。これは良くないよ、本当に暴動が起きる寸前だ・・・。
「皆さん、どうか落ち着いて下さい。落ち着いて私の話を聞いてくれませんか?」
私はマントゥーリ君から降ろして貰って、興奮してる民衆たちに話しかけた。一人一人の目を見つめながら一生懸命にお願いした。気持ちが伝わったのか、皆少しずつ落ち着きを取り戻して行った・・・。その時だった。
「ああ! こいつ、敵に寝返った【戦巫女】のリンだ! 俺、知ってるぞ、こいつが勝手に国から出て行ったせいで凶作になったんだ。全部、お前のせいだ!」
私と目を合わせてなかった後ろの方の男の人が石を投げつけてきた。他にも木の棒とか鍬とかを持った人たちが駆け寄って来る。皆、目が血走ってて凄い怖い。けど、リーネオさんの言葉を思い出して頑張った。毅然とした態度だよ、私!
「きゅいーっ!」「ぴぃぃーっ!」
青い虎柄の旋くんの鳴き声と共に突然、私の周りに風が吹いた。私に向かって飛んできた石は全部、明後日の方向に弾かれて行く。
赤い虎柄の焔くんの鳴き声と同時に、後ろから飛んできた火の玉が興奮して駆けて来た人たちが振り上げた木の棒や鍬を焼き尽くして消し炭にしちゃった。
「うわぁ、痛い、冷たい!」「わあぁぁっ、痺れる、ビリビリするう!」
声のする方を見ると、白の虎柄の霰ちゃんが白い氷の粒々を放って暴れそうになってる男の人たちのお尻にぶつけてた。
黄色の虎柄の電くんもビリビリと電撃を放って石を投げてた人たちを痺れさせてる。
「あれを見ろ!」
落ち着きを取り戻した人たちの一人が道の脇に停めてあった荷車を指差した。荷車の上には荒い息をしてるお婆さんが寝かされている。汗も凄くて本当に辛そうだよ。そこに向かって淡い黄緑の虎縞の子、翠ちゃんがトテトテと歩いてゆく・・・。
「きゅ~う・・・」
荷車の上に昇って、苦しんでるお婆ちゃんの肩に手を置くと翠ちゃんは一声、優しく鳴いた。するとお婆ちゃんの体が淡い緑色の光に包まれる。途端に荒かった息が静かになって、顔色も良くなっていく。汗も引いて表情も穏やかになったよ。
「おお、母さん。奇跡だ、【戦巫女】リン様は奇跡を起こす『霊獣』を使役してるぞ。」
さっき、お母さんが大変だから医者を呼んで欲しいって訴えていた人が叫んだ。私が『霊熊猫』たちを使役してる訳じゃないんだけど。まあ、今は「そうだよ。」って顔をしといた方が良いね。
「皆、何を騒いでいる! 道を開けよ、ここを通せ!」
門の奥から、ゴルジョケアの兵隊たちを押し退けて誰かが出て来る。その人は私と顔を合わせた途端に地面にひれ伏してしまった。
「リン様、お帰りを心待ちにしておりました。どうか、あの時の無礼をお許し下さい。」
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