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最終話 その村の話
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「終わったよ、全部。」
駆け寄ってくる二人に声をかけた。
「全部一人で抱え込んで…あのまま死んでたらどうしてたのよ、馬鹿…」
ニーナが泣きながら私の胸を叩く、意外と本気の力だ。大いなる神の回復力をもってしてもダメージが蓄積されそうな強さだ。
「かっこいい事言ってここまで来たのに何も出来ず、すまなかった、許してくれ。」
ジンが私の肩を抱きしめた。
「そんな事はないよ、二人が居てくれたから諦めずにここまで来れたんだ、一人では今まで生きてなんて来れなかったよ。本当にありがとう。」
「終わったんだな。まさか本当に大いなる神を消滅させられるなんて。本当にお前は凄い男だよ。
しかしとんでもない事になっちまったな。俺達はこれから神殺しとして追われる事になるかもしれない。まあそれも楽しそうでいいか。」
ジンが心底愉快そうに言った。
確かにそうかもしれない、そして胸を張って言える。
これで良かったのだ。
「これは人の尊厳の為の戦いだった。今は理解出来なくてもきっと分かり合える時が来る、僕はこれからそれを伝える為に生きて行こうと思っているんだ、だから故郷の村に帰りたい。ニーナ、僕と一緒に暮らさないか?ずっと言おうと思っていた事があってさ、君を愛してる。」
俯いたニーナは少し時間をおいてから真っ直ぐ私を見て言った。
「私も、君の事が大好きよ。これは間違い無く愛だと思う。
君の子供が欲しいしずっと一緒に居たい。でもね、私は【清め火】と一緒に故郷へ戻って関係を取り戻す手伝いがしたいとも思っているの。
どれくらいかかるか分からないけれどそれが終われば私は君と結婚したい。
君も大いなる神を殺した意味を村の人達にキチンと伝えて家族との絆を取り戻したら、迎えに来てよ。
私はずっと待っているから。いくつになっても待ってるから、おばあちゃんになっちゃう前に迎えに来てね。」
そう言うとニーナは私にキスをした。暖かくて優しいキスだった。
ジンが見てられないという顔でニコニコしている。
周りの村人達が歓声を上げ口々に囃し立てた。
***
芯である神を無くし精気を失ったコロニー側の人々は死者の群れの様に続々と村を後にした。
「私達はこれから何を支えに生きて行けばいいのでしょうか?大いなる神を失いリンネまで失ってしまった私の救いは一体どこにあるというのでしょうか?ニエ様、どうしたらいいですか?」
こんなに弱々しいヨコを見るのは初めてだった。
「自分をしっかり真ん中に置いておけばきっと大丈夫ですよ、リンネもきっとずっとそばにいる。もう生贄《ニエ》はいらないんです。本当はこうなることを望んでいたんじゃないんですか?ヨコ。貴方ほど大いなる神を崇拝し、そして貴方ほど大いなる神を憎んだ人もいないでしょう。どうかコロニーの皆をよろしくお願いします。」
そう言うと私は深々と頭を下げた。
「そうだな…」
ヨコは消え入るような声でそう言うと馬に跨り立ち去った。
**
その夜、【清め火】の村では大きな宴が催された。
その時初めて私は心の底から笑う事が出来た。ジンとニーナも一緒だった。
ずっとこういう日が来ればいいと思っていたその日がやっと訪れたのだ。
次の朝、私とジンは生まれた村に戻りニーナは【清め火】の村に残る事となる。
「必ず君を迎えに来るよ。」
大いなる神についての物語はここで終わり、そして私達三人の物語は続いて行く。
駆け寄ってくる二人に声をかけた。
「全部一人で抱え込んで…あのまま死んでたらどうしてたのよ、馬鹿…」
ニーナが泣きながら私の胸を叩く、意外と本気の力だ。大いなる神の回復力をもってしてもダメージが蓄積されそうな強さだ。
「かっこいい事言ってここまで来たのに何も出来ず、すまなかった、許してくれ。」
ジンが私の肩を抱きしめた。
「そんな事はないよ、二人が居てくれたから諦めずにここまで来れたんだ、一人では今まで生きてなんて来れなかったよ。本当にありがとう。」
「終わったんだな。まさか本当に大いなる神を消滅させられるなんて。本当にお前は凄い男だよ。
しかしとんでもない事になっちまったな。俺達はこれから神殺しとして追われる事になるかもしれない。まあそれも楽しそうでいいか。」
ジンが心底愉快そうに言った。
確かにそうかもしれない、そして胸を張って言える。
これで良かったのだ。
「これは人の尊厳の為の戦いだった。今は理解出来なくてもきっと分かり合える時が来る、僕はこれからそれを伝える為に生きて行こうと思っているんだ、だから故郷の村に帰りたい。ニーナ、僕と一緒に暮らさないか?ずっと言おうと思っていた事があってさ、君を愛してる。」
俯いたニーナは少し時間をおいてから真っ直ぐ私を見て言った。
「私も、君の事が大好きよ。これは間違い無く愛だと思う。
君の子供が欲しいしずっと一緒に居たい。でもね、私は【清め火】と一緒に故郷へ戻って関係を取り戻す手伝いがしたいとも思っているの。
どれくらいかかるか分からないけれどそれが終われば私は君と結婚したい。
君も大いなる神を殺した意味を村の人達にキチンと伝えて家族との絆を取り戻したら、迎えに来てよ。
私はずっと待っているから。いくつになっても待ってるから、おばあちゃんになっちゃう前に迎えに来てね。」
そう言うとニーナは私にキスをした。暖かくて優しいキスだった。
ジンが見てられないという顔でニコニコしている。
周りの村人達が歓声を上げ口々に囃し立てた。
***
芯である神を無くし精気を失ったコロニー側の人々は死者の群れの様に続々と村を後にした。
「私達はこれから何を支えに生きて行けばいいのでしょうか?大いなる神を失いリンネまで失ってしまった私の救いは一体どこにあるというのでしょうか?ニエ様、どうしたらいいですか?」
こんなに弱々しいヨコを見るのは初めてだった。
「自分をしっかり真ん中に置いておけばきっと大丈夫ですよ、リンネもきっとずっとそばにいる。もう生贄《ニエ》はいらないんです。本当はこうなることを望んでいたんじゃないんですか?ヨコ。貴方ほど大いなる神を崇拝し、そして貴方ほど大いなる神を憎んだ人もいないでしょう。どうかコロニーの皆をよろしくお願いします。」
そう言うと私は深々と頭を下げた。
「そうだな…」
ヨコは消え入るような声でそう言うと馬に跨り立ち去った。
**
その夜、【清め火】の村では大きな宴が催された。
その時初めて私は心の底から笑う事が出来た。ジンとニーナも一緒だった。
ずっとこういう日が来ればいいと思っていたその日がやっと訪れたのだ。
次の朝、私とジンは生まれた村に戻りニーナは【清め火】の村に残る事となる。
「必ず君を迎えに来るよ。」
大いなる神についての物語はここで終わり、そして私達三人の物語は続いて行く。
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