君は、アイドル。

日本での新たな生活。

夢の中での出会い。

　君に会いたくて日本にきたよ。そう独りごちた彼女。彼女の名は、西村優菜。アメリカ育ちの日本人だ。
　日本にきた理由は、強敵に会いにきたのだ。相手の名は、市道満。モンスターパークの設計者だ。スマホ2台で対戦が可能なゲームで、市販売りされていない物だ。
　5人のヒーロー対5人のヒーローで対戦する、ゲームだ。
　設計者に言わせると市販売りしないそうで、特別な人物にしか売らないそうである。
　その中の一人である優菜。ランキング二十七位の彼女は、どうしてもトップに立ちたいのだ。そのためにアメリカから、強敵を求めて日本にやってきたのだ。
　彼女の理想は、マイアミに大きなビルを所持することである。そして、幾人もの使用人に囲まれて暮らすことである。
　しかし、悲しいかな実家は平々凡々とした市民である。でも、お金のために異国まで出かけるような子である。
　今日は、対戦相手がいない。日本のゲームだからユーザが一杯いると思ったから、日本に来たのだ。しかし見当たらない。すれ違うだけ闘いになり、コンピュータが、解決してくれるのだ。そして何よりも大きいのが、勝利者には賞金が待っている。
　連勝すればする程、賞金は大きくなるのだ。
　今までに受け取った金額は、342ドル。アメリカドルだ。しかし少ない。もっと高額にしたい、だから日本に来たのだ。
　序列第一位に成ると、賞金が20000ドルは出るとのことだ。
　何故賞金が、ドルなのかは分からないのだ、日本のゲームなのに。
　とにかく、スマフォを取り出し設定を変える、モンスターパークの前衛に、火炎属性のモンガルを配置、もう一人の前衛として、無属性のミダラ。後衛に、闇属性のナミヤ、火炎属性のニーナ、そして反射のムラガス。５人で1パーティ。攻撃を受ければ受けるほど、リベンジゲージが溜まり反射で、一撃で撃破だ。必殺のパーティだ。今までに７回敵を破っている。
　対戦相手を求めて、街をうろうろする。しかし日本のゲームなのに、プレイヤーが少ないのが難点だ。
　通信機能を使って対戦相手を探すと、比較的近い位置に、一人いる。プレイヤー名は、タロウ？ウルトラである。
　近づくことにした彼女は、バスに乗る。火の馬町という街にいるみたいだ。距離に直して3キロ位。十分もした頃に、バスストップを降りる。そこから歩いて二分ぐらいだ。
　そして、すれ違い。
　戦いは機械が解決する。五分後に答えが出る。
　勝利画面を見るのは、日本に来てからは２回目だ。
　相手は、火力バリバリだった、甘い相手だ、反撃タイプのデックにとって。
　彼らは、ゲームの為には、外国まで出かけてしまう。昨今のゲームは、静止衛星を使ったゲームが流行りだ。したがって金がかかる。金を借りてまでやるしか無いのが現状だ。しかし、天才的なアーティストマツダが海外に行かなくても、ご当地交換システムを開発に成功してから話が変わった。
　フランスでしか手に入らないキャラを日本にいて日本のキャラと交換すれば、フランスの人気キャラを手にできるのだ。
　画期的だった。
　しかし国土交通省には難しい話だった。
　そしてマツダには凄まじいまでの圧力がかかった。
　航空機メーカーに、造船業やら数多くの企業からかかなりの圧力だった。
　しかしマツダは戦い続けた。
　そして２７年後、市販にこじつけたのだった。
　でも優菜は、日本に来たのだ。最強の呼び声高い、グランスパリアの騎士の使い手、ゲームの設計者でもある市道満に。しかしどこに住んでるのかも分からないのだ。
　だけども優奈は負けない。とにかく行動あるのみだ。
　まるで行方不明の彼氏を探すかの様に。