国外追放されたくないので第二王子の胃袋を掴んだら溺愛されました!

和栗かのこ

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悪役令嬢、消化不良になる

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日に日にカイン殿下のスキンシップが激し
くなっていく…。

テーブルの上のティーカップを手に取りな
がら、アイリスの言った言葉を思い出して
いた。

「カイン殿下は独占欲だけじゃなくて別の
欲も強そうだから」

別の欲って…それはつまり…。

色んな妄想が頭をよぎり、顔から火が出そ
うになった。

「セセリア、顔が赤いわよ。どうかした?」

「あ、いえ。なんでもありません。」

目の前に座っている王妃様に声をかけられ
我に返った私は、あわてて紅茶を飲み干し
た。

王妃様のティータイムに誘われ、私室に招
かれている最中に他事を考えるなんて、我
ながら緊張感がなさすぎる。

カイン殿下もアンセル殿下もいない、王妃
様と二人きりなんて、滅多にないシチュエ
ーションなのに。

「今日はお茶にお誘いありがとうございま
す。王妃様のお部屋に呼んで頂けるなんて
とても光栄です。」

「私の方こそ、あなたの焼いたマドレーヌ
をご馳走になれてラッキーだったわ。こう
して毎日あなたの作った美味しいお菓子が
食べられるのだから、カインは幸せね。」

銀の皿に並べられたマドレーヌに手を伸ば
しながら、王妃様が笑顔で言った。

カイン殿下のリクエストで焼いたマドレー
ヌ、多めに作っておいて正解だったな。

「カインとあなたの仲睦まじい姿を見てい
ると、早く結婚させてあげたいと思うのだ
けれど、さすがに世継ぎのアンセルの婚約
が決まらないうちはねぇ…。」

確かに、第一王子を差し置いて私たちが先
に結婚するのは難しいだろう。

実のところ、まだ結婚する覚悟ができてい
ない私にとっては、先延ばしにされるのは
有難いことだ。

国外追放を回避することに必死で、その先
のことまで考えてなかったんだよね…。

私、このままカイン殿下と結婚してもいい
のだろうか…。

「でもね、実はアンセルの結婚相手にどう
かと思っている女性がいるの。」

王妃様は周りを気にするように、小声で
言った。

「え?そうなんですか?」

カイン殿下もそれらしいことは言っていな
かったし、初耳だ。

「で、その方はどこのご令嬢なんですか?
ああ、それとも外国の姫君?」

「ふふふ。ごめんなさいね。まだ言えない
の。」

は?
今なんとおっしゃいました?

「アンセルの婚約については、今までも
色々あったから、私達とても慎重になっ
ているのよ。」

なるほど、それでカイン殿下もこの件を
知らなかったのね。

そんな内密な話を、わざわざ私を呼び出し
てするなんて、よっぽど誰かに話したかっ
たのだろう。

王妃様の嬉しそうな口調を見ると、相当
気に入った相手のようだ。

おかげさまで、相手がわからず私は消化不
良ですけどね。

ん?待てよ。
このパターン、つい最近あったよね?

ああ、そうだ。つい昨日、アイリスにも同
じことを言われたんだっけ。

なぜこのタイミングでアイリスと王妃様が
最後まで言えないことを私に話したがった
のか、この時の私にはわからなかった。

ただ私は、自分の中で少しづつストレスが
溜まっていくのを感じていた。
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