勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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日常編(単発)

幼馴染と高校の日常

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 とある日、クライブとマルセルがフーリの家に訪れるとそこから女性が出てきた。
「じゃーねフーリ。また今度」
「おう、今度は金返せよ。今利子がとんでもないことになってるからな」
 女性は笑顔で手を振りながら去っていった。
「あれ二人とも来てたの。お菓子とラーメンなら用意してあるよ」
「そのラインナップおかしいだろ。主食が入ってんじゃん」
 フーリはいつも三人で集まるとラーメンを振る舞う。
「ねぇフーリ!僕以外に女がいたの!?」
「お前はまず男だろ」
「は?マルセルは女の子だろ?」
「え?」
「え?」
 一瞬の沈黙が流れる。
「……で、あの人は誰?」
 遠くの方で小さく見えるミニスカートの女性だが、何故かスキップをしている。
「あーあいつ?僕の幼馴染だよ。高校まで一緒で今も結構仲いいんだ」
「ふうん、なるほどな。まぁタイミングはよかったわけだ」
「そうだね。とりあえずフーリにはこれから洗いざらい吐いてもらわないと」
「まだ疑ってんのかよ。でも高校の時の話とかしたいしとりあえず上がれよ」
 こうして、フーリの思い出話がスタートしたのであった。


 ある日、リアン(フーリの友人)が食堂に行くとフーリと言い争っているヒナタの姿があった。
「ねぇフーリ!私以外に女がいたの!?」
「そ、そんなことないよ。てかお前彼女ですらないだろ」
「じゃあ昨日一緒に帰ってたのは誰?」
「あれは、なんか身体だけの関係でいいからってうるさく誘ってくるから……」
「え、あんたまさか……」
「話を最後まで聞け!僕あいつの誘い断るのに必死だったんだからな!」
 二人は今日も楽しそうだが議論がヒートアップしてる模様だ。ヒナタは校則よりも若干短くしたスカートを履いていて、それでも恥じることなく尻を突き出す姿勢で話している。彼女はニホノ系で、持ち前の明るさと何よりその美貌から人気が高い。本来肌の色が濃いとされているニホノ系だが彼女はだいぶ白っぽい。何よりスポーツマンらしいショートカットと運動部ならではのスタイルの良さが人気の所以ゆえんかもしれない。
「二人とも楽しそうなところゴメンね。はいこれ、ミルクティー。僕からの奢り」
「マジ?ありがとうリアン!二本もくれるなんて」
「は?この二本は僕のだろ」
「何言ってんの。私あんたが私の分のジュース盗んで飲んだことまだ忘れてないわよ」
「うるせえ昔のことだろ!」
 お互いどちらが二本のミルクティーを取るかで言い争っている。しかし、リアンは内に秘めていた思いを口にした。
「二人で一本ずつっていう考えはないの……?」
「あ」
「あ」
 二人揃って馬鹿だった。

 その日の帰り道。フーリとヒナタは二人で歩いて帰る。リアンはバスと電車で通っているのでここでお別れだ。
「じゃあなリアン。来世でもまた会おうぜ」
「死ぬ設定にしないでよ。じゃあね」
 昇降口のあたりでフーリはヒナタを待った。
「ヒナター。部活おつかれ」
「疲れた~。フーリマッサージして」
「セクハラで訴えられそうだからやめとくわ」
 彼らの通う学校は六時間目後に部活動をしている生徒は部活、入部していない生徒は補習を受ける決まりなのだ。
「あーあ。二次関数とか考えたやつタイムマシンで殺して来ようかな」
「出来ることならしたいよね……」
「でもさ、なんか殺しても殺しても別の人が考えそうじゃね?」
「じゃあその度に討伐する二次関数ハンターってのは?」
「ヒナタひょっとして天才?」
 二人はいつもの様に適当な会話をしながら帰路に着く。が、その途中にどこからが怒鳴り声が聞こえてきた。
「え?なに?トドの鳴き声?」
「違うでしょ。誰か怒ってるのかな?行ってみよ」
「やだよ。さっさと帰ろうぜ。野次馬精神怖~」
「じゃあフーリは私のカバン持ってて」
 そう言ってカバンを投げてくる。
「え?お前一人で行くき?」
「そうよ。来たいなら来ていいわよ。じゃあね!」
「えー……マジかよ。これ行かなきゃ行けない流れじゃん。行かなかったら主人公失格じゃん。めんどくさ」
 フーリはかなり面倒くさがりながらヒナタの後を着いて行った。しかし、突然足が止まる。
「待てよ?このカバンの中は……わぁ運動着だ。幼馴染の運動着堪能しとこ……」
 こいつは本当に変態である。逮捕されればいいのに。
 ヒナタの後を追って行くフーリ。しかし、彼女が走っていくのに対し彼は歩いているので全く距離が縮まない。ソシャゲでの体力はあるのに本人の体力は雑魚なのだ。何となく彼女の影を追っていくと、路地裏に入っていった。そこにはなんと、ヒナタの後輩が有名な不良校の生徒に絡まれているのだ。その生徒の見た目は完全に女番長だ。
「ちょっとあんた、私の後輩に何してんのよ!」
「こいつ、こんなチビでブスなのに私のことを睨んできたからよ」
「そんな理由で……あんたの心の方がよっぽどブスよ!」
「先輩……」
「あんたはいいわ、早く帰りなさい」
「ちょっと!まだ話は終わってないわよ」
「いいえ。ここからは私が先輩として話をさせてもらうわ」
「いい度胸じゃない。それじゃあまずは……」
「あっ、すいませ~ん。はい、はい。えっと、のびーるチーズベーコンとサラミ乗せで。はい。夜……19時頃ですね。住所は……」
「ちょっとフーリ!私今後輩のために頑張ってるんだからピザの注文しないでよ!」
「え~だって夕飯買わないとだし……」
「今はちょっと黙ってて!」
 怒られてしまった。
「……それじゃあ、後輩の代わりにあんたの顔を殴るわ」
「えっ!?なんでそうなるのよ!」
「だって私の顔を見て睨んだのよ?その分の報復を受けてもらうの」
「……いいわ。かかってきなさい!こっちもとことん反撃して……」
「わぁー!可愛いワンちゃんですね~。ヨシヨシ」
「今年でもう十一歳じゃ」
「結構お年召してる!」
「ちょっとフーリ!何してるの!」
「え?ワンちゃん可愛くない?豆柴だよ」
「あなた、誰だか知らないけど邪魔しないでくれる?」
「は?うっせーぞブス共!こっちは犬と戯れてんだ!お前らはせいぜいブスとブスで馴れ合ってろ!」
「あんた……私に対してブスって言ったわね!殺す!」
 女番長はどこからがナイフを取り出してそれを突き出したままフーリ目掛けて突進してきた。そして、その勢いのままフーリにぶつかる。
「フ、フーリ!」
 見た目は完全に心臓部を刺している。が、フーリはキョトンとした顔だ。
「えぇ……。銃刀法違反じゃん。勇者団に訴えるよ?」
 女番長のナイフは、折れ曲がっていた。
「いや……いやー!」
 ナイフがとおらなかった恐ろしさからか、女番長は泣きわめきながら逃げてしまった。
「フーリ、あんた……」
「ん?あ、やべっ!ピザ屋に住所言ってねぇ!」
 こうして、僕らは無事に家に帰ることが出来た。ちなみに女番長は逮捕された。


「ってことがあったんだよね~」
「フーリの鋼鉄の体って昔からなんだな」
「やっぱりのびーるチーズ最高だよね!」
「だよな!あれ好きじゃないやつマジで頭おかしい」
「……俺はバジルチーズの海鮮乗せの方が好きだな」
「クライブなんか言った?」
「いや?なにも」
「でもヒナタさんって後輩思いのいい人なんだね」
「そうだよ。だから今の僕の彼女なわけで……」
「……フーリ?」
「あ、失言だ。許せ」
 こうして、マルセルの尋問が開始されるのであった。ちなみにクライブはラーメン食べ比べで細麺派ではなく太麺派だということに気づいた。
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