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日常編(単発)
新兵器
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ある日、久しぶりに仕事として三人はリーダーに呼ばれていた。
「よぉお前ら。今回集まってもらったのは他でもない」
「他でもないって……お前の最高傑作を見せるってやつだろ?」
「最高傑作って……デザイン以外は全部技巧部に委ねてたじゃないですか」
「そのデザインがいいんじゃねぇかよ!」
「つまり僕らはそのお披露目会に呼ばれたってこと?」
「ご名答だマルセル!だがな、唯のお披露目会じゃなくてこれプラス実験も兼ねてるんだ」
「実験?まだ使ったこともないくせにお披露目会する気だったのかよ」
「フーリのくせに鋭いねぇ」
「鋭いじゃねぇよこれくらい誰でもわかるだろ」
つつけばいくらでもボロが出るリーダーだが、この会話の最中秘書さんが布のかかったあるものを台車に乗せて運んで来た。
「これが最高傑作?」
「そうだ。これがあれば強力な風魔法を使えない奴でも空を自由自在に飛ぶことが出来るんだ」
「空を飛ぶ……タケ〇プター的な?」
「そう、それ的な。じゃあ早速見せてやる!」
リーダーが得意げに布を剥ぎ取ると、そこにはブリーフだけを履いたやけに小汚い脂ぎった小太りのおっさんがいた。
「え……これがその機械?」
「そう!その名もステュアート=ヘディックスだ!」
「名前無駄にかっこいいな」
ステュアート=ヘディックスは何かに抱きつくような姿勢をとっており、背中にはジェットパックが内蔵されているようだ。
「使い方は簡単!おっさんに抱かれればあとは飛ぶだけ!飛び方だって簡単に作ってるんだぜ。行きたい方に体を傾けるだけで……」
「飛び方は簡単でもそれをする難易度が高ぇよ」
「へ?だから飛び方は簡単に……」
「飛び方の問題じゃなくて、このおっさんに抱かれて飛んでる姿を社会に見られるのに耐えらんないってこと」
「そんなに重大問題?」
「せめて飛ぶならスタイリッシュに飛びたいからな」
「なんだよ!俺のデザインに文句があるって言うのか!」
「文句しか出てこねぇよ。てかなんで秘書さんもこれにOKだしたの?」
「え、飛べれば見た目なんてなんでもいいかな……と思いまして」
「え~社会的に欲求を満たすためには見た目ってすげー大事よ?」
「まぁあれだ、住めば都?とは違うけど、飛んでるうちに慣れるだろ」
「慣れるというかもう麻痺だよね」
「じゃあクライブ、飛んでやれよ」
「は!?なんで俺なんだよ!」
「だってお前そういうの得意そうじゃん」
「どういうのだよ……。これこそ、マルセルの方が適任なんじゃねぇの?」
「え~!なんでここで僕に矛先がむくのさ?」
「だってほら、お前おっさんに抱かれてそうじゃん」
「なにそれ!根拠も無いのにイメージだけでそんな事言わないでよ!」
「そんなイメージも特に湧かないけどな」
「じゃあここは間をとって言い出しっぺのリーダーにやってもらおう」
「え?俺でいいの?まじ!?」
「ああ、やってくれるって言うならマジ頼むわ」
「わっしょーい!」
「どんな喜び方だよ」
リーダーは雑におっさんの頭を掴むとガラスを突き破って窓から外に飛び出した。そしておっさんをおんぶするように装着すると、メガネが光り音声が流れた。
『ソウチャク、カンリョウ。ジユウヘノハバタキ!』
「よし、装着完了!」
「どんな音声だよ」
次にリーダーはおっさんの両膝を強めに叩くと、再びメガネが光った。
『ジェットパック、ジュンビカンリョウ!ヒザコゾウ、ハソン』
「よしよし、準備完了!」
「飛ぶ度に膝破損しなきゃいけないのかよ」
「あ、別に壊す必要は無いよ」
「じゃあなんでやったんだよ」
意味無く膝を破壊されたおっさんの背中はゆっくりと開き内側からジェットパックが現れた。そして、それと同時に再びおっさんから音声が流れた。
『アタッチメントカクニン!』
「アタッチメントか……今回はいいや」
「なんだよアタッチメントって。武器でも付けんのか?」
「違う違う。加齢臭とかを放出できるんだ。まだ実験段階だからこれだけだけど、そのうち口からタバコ臭出したりできるようになるよ」
「要らねぇ機能付けんじゃねぇよタダでさえ見た目が最悪なんだから」
最終確認を済ませ、ついに準備が完了したらしくジェットパックから炎が上がり凄まじい音が響く。
「ボボボボボボボボ!」
「リーダーが言う必要は無いんだよ」
そして、ここにきておっさんが急に叫んだ。
『ミチコ……ミチコー!』
「誰だよミチコって」
「おっさんの奥さん」
「こいつステュアート=ヘディックスなのに奥さんミチコかよ。文化の壁超えてんな~」
謎のワンクッションを入れて、おっさんは地面にクレーターを作る程の衝撃とともに空へと急発進して行ってしまった。
「すげー飛ぶな。もう見えなくなっちゃったぞ」
「あのデザインじゃなけりゃ俺も欲しいんだけどな」
「二人には僕の風魔法があるからいいでしょ?」
「まぁそうだけどさ、飛べるなら自分で飛びたいじゃん」
「でもあれじゃ持ち運び大変だよ」
「問題はそれに限らないけどな」
上空で点にしか見えなくなったリーダーを見つめながら三人は話した。
こうして、無事飛ぶは飛んだわけだが、デザインのこっ酷さが祟って技巧部から苦情が相次いだ為製造にはいたらなかった。ちなみに「空をリーダーがおっさんに抱かれながら飛行」という謎の記事が出回り、一時期国民を沸かせたりもした。
「よぉお前ら。今回集まってもらったのは他でもない」
「他でもないって……お前の最高傑作を見せるってやつだろ?」
「最高傑作って……デザイン以外は全部技巧部に委ねてたじゃないですか」
「そのデザインがいいんじゃねぇかよ!」
「つまり僕らはそのお披露目会に呼ばれたってこと?」
「ご名答だマルセル!だがな、唯のお披露目会じゃなくてこれプラス実験も兼ねてるんだ」
「実験?まだ使ったこともないくせにお披露目会する気だったのかよ」
「フーリのくせに鋭いねぇ」
「鋭いじゃねぇよこれくらい誰でもわかるだろ」
つつけばいくらでもボロが出るリーダーだが、この会話の最中秘書さんが布のかかったあるものを台車に乗せて運んで来た。
「これが最高傑作?」
「そうだ。これがあれば強力な風魔法を使えない奴でも空を自由自在に飛ぶことが出来るんだ」
「空を飛ぶ……タケ〇プター的な?」
「そう、それ的な。じゃあ早速見せてやる!」
リーダーが得意げに布を剥ぎ取ると、そこにはブリーフだけを履いたやけに小汚い脂ぎった小太りのおっさんがいた。
「え……これがその機械?」
「そう!その名もステュアート=ヘディックスだ!」
「名前無駄にかっこいいな」
ステュアート=ヘディックスは何かに抱きつくような姿勢をとっており、背中にはジェットパックが内蔵されているようだ。
「使い方は簡単!おっさんに抱かれればあとは飛ぶだけ!飛び方だって簡単に作ってるんだぜ。行きたい方に体を傾けるだけで……」
「飛び方は簡単でもそれをする難易度が高ぇよ」
「へ?だから飛び方は簡単に……」
「飛び方の問題じゃなくて、このおっさんに抱かれて飛んでる姿を社会に見られるのに耐えらんないってこと」
「そんなに重大問題?」
「せめて飛ぶならスタイリッシュに飛びたいからな」
「なんだよ!俺のデザインに文句があるって言うのか!」
「文句しか出てこねぇよ。てかなんで秘書さんもこれにOKだしたの?」
「え、飛べれば見た目なんてなんでもいいかな……と思いまして」
「え~社会的に欲求を満たすためには見た目ってすげー大事よ?」
「まぁあれだ、住めば都?とは違うけど、飛んでるうちに慣れるだろ」
「慣れるというかもう麻痺だよね」
「じゃあクライブ、飛んでやれよ」
「は!?なんで俺なんだよ!」
「だってお前そういうの得意そうじゃん」
「どういうのだよ……。これこそ、マルセルの方が適任なんじゃねぇの?」
「え~!なんでここで僕に矛先がむくのさ?」
「だってほら、お前おっさんに抱かれてそうじゃん」
「なにそれ!根拠も無いのにイメージだけでそんな事言わないでよ!」
「そんなイメージも特に湧かないけどな」
「じゃあここは間をとって言い出しっぺのリーダーにやってもらおう」
「え?俺でいいの?まじ!?」
「ああ、やってくれるって言うならマジ頼むわ」
「わっしょーい!」
「どんな喜び方だよ」
リーダーは雑におっさんの頭を掴むとガラスを突き破って窓から外に飛び出した。そしておっさんをおんぶするように装着すると、メガネが光り音声が流れた。
『ソウチャク、カンリョウ。ジユウヘノハバタキ!』
「よし、装着完了!」
「どんな音声だよ」
次にリーダーはおっさんの両膝を強めに叩くと、再びメガネが光った。
『ジェットパック、ジュンビカンリョウ!ヒザコゾウ、ハソン』
「よしよし、準備完了!」
「飛ぶ度に膝破損しなきゃいけないのかよ」
「あ、別に壊す必要は無いよ」
「じゃあなんでやったんだよ」
意味無く膝を破壊されたおっさんの背中はゆっくりと開き内側からジェットパックが現れた。そして、それと同時に再びおっさんから音声が流れた。
『アタッチメントカクニン!』
「アタッチメントか……今回はいいや」
「なんだよアタッチメントって。武器でも付けんのか?」
「違う違う。加齢臭とかを放出できるんだ。まだ実験段階だからこれだけだけど、そのうち口からタバコ臭出したりできるようになるよ」
「要らねぇ機能付けんじゃねぇよタダでさえ見た目が最悪なんだから」
最終確認を済ませ、ついに準備が完了したらしくジェットパックから炎が上がり凄まじい音が響く。
「ボボボボボボボボ!」
「リーダーが言う必要は無いんだよ」
そして、ここにきておっさんが急に叫んだ。
『ミチコ……ミチコー!』
「誰だよミチコって」
「おっさんの奥さん」
「こいつステュアート=ヘディックスなのに奥さんミチコかよ。文化の壁超えてんな~」
謎のワンクッションを入れて、おっさんは地面にクレーターを作る程の衝撃とともに空へと急発進して行ってしまった。
「すげー飛ぶな。もう見えなくなっちゃったぞ」
「あのデザインじゃなけりゃ俺も欲しいんだけどな」
「二人には僕の風魔法があるからいいでしょ?」
「まぁそうだけどさ、飛べるなら自分で飛びたいじゃん」
「でもあれじゃ持ち運び大変だよ」
「問題はそれに限らないけどな」
上空で点にしか見えなくなったリーダーを見つめながら三人は話した。
こうして、無事飛ぶは飛んだわけだが、デザインのこっ酷さが祟って技巧部から苦情が相次いだ為製造にはいたらなかった。ちなみに「空をリーダーがおっさんに抱かれながら飛行」という謎の記事が出回り、一時期国民を沸かせたりもした。
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