勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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日常編(単発)

悪役

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 ある日、フーリは道端でばったりアウルと出会った。そのついでにファミレスに連れ込んだ。

「でさ、僕悪役になりたいんだよね」

「なんですか『でさ』って。まだ何も話してないじゃないですか」

「こういうのは流れだよ流れ。お前も憧れない?悪役」

「そうですね~。確かに中二病とかで憧れる人は多いですよね。でも憧れはしません。どうやら僕、構想の段階では悪役って設定だったらしいですから」

「センシティブな発言だな」

「でも僕、元悪役候補として、フーリさんの悪役化計画に一役買いますよ!」

「おお!ありがたいな。まず何したらいい?」

「初めはですね……」

 それから二人は三十分くらい話あった。ちなみに、話の八割はウォシュレットの話題に費やした。


 翌日、ショッピングモールにいるクライブはトイレに向かって猛ダッシュしていた。

「トイレトイレ……エレベーターの横か!」

 猛烈な便意を抱えているクライブは柄にもなくトイレに飛び込んだ。しかし、個室はどこも人が入っているようだ。

「はぁー!?三つ全部埋まってんのかよ!」

 クライブは奥の個室を連続でノックした。

「イマハイッテマース(裏声)」

「あっ、狂ってる」

 狂人が入っていると分かり、急いで近くにある別のトイレに駆け込んだ。しかし、そこも満席だった。

「クソっ!ここもかよ!」

 今度は氷結魔法で扉を半分凍らせながらノックした。

「イマハイッテマース(金切り声)」

「いやまたかよ!」

 恐怖を覚えたクライブは少し離れたトイレに向かった。すると、一番奥のトイレが空いていた。だが、逆に不信感を抱く。一応ノックしてみた。

「……流石に入ってないよな」

「ハイッテナイヨー(ビブラート)」

「やっぱ入ってんじゃねぇか!うっ……クソ!俺はもう限界だー!」

 こうして、話の半分以上をウォシュレットの話に割いたフーリは友人に対してトイレを占拠するという非人道的な行為をすることにより見事悪役になった。

 ちなみに、クライブは仕返しとしてフーリを一週間氷漬けの刑に処した。
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