勇者ライフ!

わかばひいらぎ

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日常編(単発)

怖い話

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 ある日、三人は夜な夜なフーリの部屋に集まっていた。

「それでは始めます!第666回!心霊!ホラー!グロテスクとドンと来い!男たちの怖い話大会ー!」

「おー!ぱちぱち!」

「そんな回数やってねぇだろ。そもそも初めの掛け声が怖い話のそれじゃねぇよ」

 部屋を暗くして雰囲気を出そうとしているが、ロウソクは安全性を鑑み使用せずLEDライトが煌々と光っている。ただロウソク買うのめんどくさかっただけだけどね。

「それじゃあまず僕から怖い話するわ」

「おっけー!鳥肌立つような怖い話頼んだよ」

「鳥肌立ちすぎて鶏皮にしてやる」

「怖っ!」

「茶番はいいからさっさと始めろよ」

「分かったよ。昔僕の友達に強井こわいって奴がいてな……」

「待て待て待て!もしかしてお前怖い話じゃなくて強井の話しようとしてるだろ」

「ちっ、バレたか」

「大体分かるだろ。経験上ギャグ系の作品で怖い話すると怖い話風に変な話するってのは鉄板だからな。今回はガチで怖い話してもらうから面白いことは妨害させてもらう」

 いつになくクライブは真剣だ。

「じゃあ次はマルセルだ」

「うん、分かった!昔昔ある所に、おじいさんとおばあさんが居た可能性が僅かながらにあるんだ」

「ま、だろうな」

「そりゃそうだな」

「そしてね、二人は六十年ぶりに人里に降りたんだって」

「どんな生活してんだよ」

「そしたらね、数少ない知り合いにたまたま出会ったんだ。デパートの立体駐車場で」

「なんちゅうところで出会ってんだよ」

「その人の名前が強井って言って……」

「はいストップ!やっぱりそれ強井の話じゃねぇかよ!」

「えー!待ってよ!まだこれから強井さんがウルトラ強井に進化するんだから!」

「その時点で怖い話じゃねぇだろ!」

 まさかの二連続強井にクライブは肩を落としてため息をついた。

「……よしクライブ。そんなに怖い話をお求めなら僕が本物を見せてやろう」

「ほんとかぁ?また強井さんに繋げるんだろ?どうせ」

「そうだよ。実はこの話、全部強井さんが盗聴してる」

「え?」

「そう言えば最近のクライブのお家の近くに引っ越してきた人がいるよね。ちゃんと表札確認した?」

「え、まさか……」

 マルセルまで加勢してくる。

「ってかそもそもの話、この世界で漢字の苗字を持ってるって、おかしくない?」

「そう言えば……」

 こうして、なんとも言えない雰囲気のまま怖い話大会は終了した。

 もしかしたらあなたの近くにも強井さんがいるかもしれません……。

 あと、これを見ている全国の強井さん、なんかごめんなさい。
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