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狂乱ニート日記
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十月二十二日 今日、私は自分の子供を殺しました。
恨んでたり、邪魔だからではなく、ただ腹が減っていたからです。
妻に先立たれ、仕事をやめ、貯蓄が底を尽き、食べるものにも困って自分の子供を食べてしまったのです。
自分の子供が亡くなったので悲しいのですが、それよりも肉が非常においしくその驚きの方が気持ちを大きく占めています。
肉は冷蔵庫に入れてあるので、しばらくは食事に困らなさそうです。
十月二十八日 毎日、肉を食べていますが、一向に飽きることがありません。
やわらかく、そして食欲をそそるその香り。
油が少なく、噛めば噛むほど口の中に広がる肉の味。
私の主食はすでに肉になっています。しかしながらもう肉は残っていない。
明日にでも調達する必要がありそうです。
十月二十九日 今日、学校の下校中の子供を家へ連れ込み殺すことに成功しました。
スポーツをやっているようでしたので、肉も引き締まっていて期待していたのですが、私の子供に比べると味が落ちます。
私の子供はスポーツはやっていなかったので、次はおとなしそうな子供を食べることにします。
十一月九日 以前、調達した子肉がなくなったので、新しく調達しに行きました。
前回の教訓から文系のおとなしそうな子供を捜しました。
車で物色しているととてもおとなしそうな子供が歩いていました。
眼鏡をかけており、少しぽっちゃり体型です。
私は子供に話しかけ家に連れ込み、屠殺しました。
食べてみましたが、やはり私の子供には及びません。
おいしいのですが何かが足りないのです。
次は痩せ型の子肉を調達しようと思います。
十一月十二日 子肉はまだ残っていますが、新しく調達を行おうと思い街を徘徊しました。
二人分の子肉を調達したせいか街では警察が巡回しています。
子供も警戒心が強くなっているようです。
下手に声をかけてしまうと、すぐに大人がやってきてしまいます。
今日は良い獲物が見つからなかったこと、そして何より街の警戒心が強くなっているので子肉の調達は諦めることにしました。
十一月十三日 今日は遠くの街へ行き、子肉の調達しようと思います。
問題は土地勘がないこと、そしてさらってきた子供をどうやって自宅まで運ぶかです。
土地勘については、朝早めに家を出て地図を見ながら探索し、ある程度の土地勘を得ることができました。
自宅までの運送としては、現場で屠殺、解体し子肉だけ速やかに自宅へ持って帰ることで解決します。
朝早く現場へ行き、屠殺する場所を選んでその後下校時間に獲物を物色しました。
獲物を物色しているとおいしそうな子供を見つけましたが生憎一人ではありません。
しかし見れば見るほど私の子供に似ています。
体型、肌色、歩き方とてもおいしそうです。
次の獲物は彼に決めましたが、今日は捕獲することは難しそうです。
私は彼の家を突き止めました。
今度の日曜日にでも捕獲することにします。
私は日記を閉じた。
いよいよ日曜日であのおいしそうな子肉を食べることができる。
私はまた遠くの街へ向かった。
あの子肉の家の近くで張り込んでいると、子肉が出てきた。
間違いない、あのとてもおいしそうな子肉だ。
私は子肉のあとをつけていった。
山の神社へ向かっているようだ。
神社には子肉以外に誰もいない。
良いチャンスと思い私は子肉に近づいていった。
「こんにちは」
私は子肉に向かって話しかけた。
しかし、私を見ると一目散に逃げていった。
警戒させてしまったようだ。
私はあとを追った。
しばらく追いかけっこをしているとふと子肉が足を止めた。
あきらめたのだろうか。
子肉はこちらを向いた。
私は驚いた。
その子肉は私の子供とそっくりなのだ。
ああ……声が聞こえる。
「お父さん、僕を食べたことは怒ってないからもうこんなことはやめて、あのやさしかったお父さんに戻って」
私の子供の声だ。
脳裏にあの頃の思い出がよみがえる。
妻がいて子供がいて、幸せだったあの頃……。
私は涙が溢れてきた。
どうしてこんなことをしてたのだろうか……。
私は子供に近づき、抱きしめながら溢れる思いを口にした。
「いただきます」
恨んでたり、邪魔だからではなく、ただ腹が減っていたからです。
妻に先立たれ、仕事をやめ、貯蓄が底を尽き、食べるものにも困って自分の子供を食べてしまったのです。
自分の子供が亡くなったので悲しいのですが、それよりも肉が非常においしくその驚きの方が気持ちを大きく占めています。
肉は冷蔵庫に入れてあるので、しばらくは食事に困らなさそうです。
十月二十八日 毎日、肉を食べていますが、一向に飽きることがありません。
やわらかく、そして食欲をそそるその香り。
油が少なく、噛めば噛むほど口の中に広がる肉の味。
私の主食はすでに肉になっています。しかしながらもう肉は残っていない。
明日にでも調達する必要がありそうです。
十月二十九日 今日、学校の下校中の子供を家へ連れ込み殺すことに成功しました。
スポーツをやっているようでしたので、肉も引き締まっていて期待していたのですが、私の子供に比べると味が落ちます。
私の子供はスポーツはやっていなかったので、次はおとなしそうな子供を食べることにします。
十一月九日 以前、調達した子肉がなくなったので、新しく調達しに行きました。
前回の教訓から文系のおとなしそうな子供を捜しました。
車で物色しているととてもおとなしそうな子供が歩いていました。
眼鏡をかけており、少しぽっちゃり体型です。
私は子供に話しかけ家に連れ込み、屠殺しました。
食べてみましたが、やはり私の子供には及びません。
おいしいのですが何かが足りないのです。
次は痩せ型の子肉を調達しようと思います。
十一月十二日 子肉はまだ残っていますが、新しく調達を行おうと思い街を徘徊しました。
二人分の子肉を調達したせいか街では警察が巡回しています。
子供も警戒心が強くなっているようです。
下手に声をかけてしまうと、すぐに大人がやってきてしまいます。
今日は良い獲物が見つからなかったこと、そして何より街の警戒心が強くなっているので子肉の調達は諦めることにしました。
十一月十三日 今日は遠くの街へ行き、子肉の調達しようと思います。
問題は土地勘がないこと、そしてさらってきた子供をどうやって自宅まで運ぶかです。
土地勘については、朝早めに家を出て地図を見ながら探索し、ある程度の土地勘を得ることができました。
自宅までの運送としては、現場で屠殺、解体し子肉だけ速やかに自宅へ持って帰ることで解決します。
朝早く現場へ行き、屠殺する場所を選んでその後下校時間に獲物を物色しました。
獲物を物色しているとおいしそうな子供を見つけましたが生憎一人ではありません。
しかし見れば見るほど私の子供に似ています。
体型、肌色、歩き方とてもおいしそうです。
次の獲物は彼に決めましたが、今日は捕獲することは難しそうです。
私は彼の家を突き止めました。
今度の日曜日にでも捕獲することにします。
私は日記を閉じた。
いよいよ日曜日であのおいしそうな子肉を食べることができる。
私はまた遠くの街へ向かった。
あの子肉の家の近くで張り込んでいると、子肉が出てきた。
間違いない、あのとてもおいしそうな子肉だ。
私は子肉のあとをつけていった。
山の神社へ向かっているようだ。
神社には子肉以外に誰もいない。
良いチャンスと思い私は子肉に近づいていった。
「こんにちは」
私は子肉に向かって話しかけた。
しかし、私を見ると一目散に逃げていった。
警戒させてしまったようだ。
私はあとを追った。
しばらく追いかけっこをしているとふと子肉が足を止めた。
あきらめたのだろうか。
子肉はこちらを向いた。
私は驚いた。
その子肉は私の子供とそっくりなのだ。
ああ……声が聞こえる。
「お父さん、僕を食べたことは怒ってないからもうこんなことはやめて、あのやさしかったお父さんに戻って」
私の子供の声だ。
脳裏にあの頃の思い出がよみがえる。
妻がいて子供がいて、幸せだったあの頃……。
私は涙が溢れてきた。
どうしてこんなことをしてたのだろうか……。
私は子供に近づき、抱きしめながら溢れる思いを口にした。
「いただきます」
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